拈華微笑 ネンゲ・ミショウ

我が琴線に触れる 森羅万象を
写・文で日記す。

 華麗(加齢)なる誤解(5階)

2021年08月25日 | オレ的アングル

  8月9日に新アパート引越し完了であるから今日で16日目。

  絵やら書や写真などお気に入り作品など配置も済み、我が新居として我々二人とも過分な状況に満足するも

  未だ借りてきた猫・・・のような心境。(これが我が家か?・・・と、眼をキョロキョロさせている状)

 

  足掛け30年住んだ、私達の旧アパートはフランス語で『5ém étage』…と言って、日本では『6階』になる。

  住み始めた頃、私は40歳、相方は37歳であったから実質『6階』でエレベーター無しであっても、その見返りとしてレマン湖を一望に見渡す

  見晴らしは、私達をどれほど『癒やし』てくれたか計り知れない。

  実際、『エレベーター無しの6階』に住んでいることをごく最近まで私自身はなんとも思っていなかった。

  できれば死ぬまでここに住んでいたい…ぐらいに思っていたが、相方の両親の『老い具合』を見守る中、我々もあまり老い込む前に

  大変な引越し作業を済まし、断捨離をして階段の負担のない所へ移り住むのが理想かなぁ…と思っていたところに、旧アパートの改装作業の通知が

  去年あり、今の新アパートへの移住を決断した・・・という経過があった。

  

  新アパートへは予定より10日ほど早目の入居可能の通知があった事と、旧アパートの畳ベッドを友人にあげる話しが急にまとまってしまって

  イメージしていた旧アパートへのしみじみした別れの儀式的感傷的時間は奪われてしまい、一気に引越し作業に没頭し、気がついたら新居にいる。

 

  新アパートに寝泊まりしても、まだ荷物が旧アパートにあるので、取りに行ったり、引越し後の掃除などの件で旧アパートへ何回か帰った際

  私は『6階』に対する自分の心境の変化に大変驚いた。 

  『5ém étage』が紛れもなく日本で言う『エレベーター無し6階』の重力を持って私の体力を奪う気がしたのだ。

  新アパートの『4ém étageエレベーター有り』の心境がすでに『5ém étageエレベーター無し』に弱音を吐く・・・自分に驚いた。

  人間って本当に現金なものであるなぁ・・・と、『心持ち』次第で人間の『心境』などはコロコロと変わること改めて気付かせてくれた引越しであった。

         

          30年前、旧アパートに引越してきた頃の相方と同方向にあるであろうマッターホルンをコラージュした図

              新アパートはコラージュしなくても『モンブラン』が観えるのが、近未来予想図であったのか? とにかく『乾杯!』