拈華微笑 ネンゲ・ミショウ

我が琴線に触れる 森羅万象を
写・文で日記す。

 Black Lives Matter

2021年06月13日 | 観自在

  先日、アマゾンプライムで2018年公開映画 ピーター・ファレリー監督 『 Green Book 』を見た。

  物語は、1962年 黒人の天才クラッシック・ピアニスト ドクター・シャーリーは、あえて黒人差別の色濃い南部へのコンサートツアーを企画した。

  それにともない、運転手兼ボディガードを探して、見つけ出したのがイタリア系アメリカ人で用心棒を職とするガサツで無教養だが、侠気(おとこぎ)のある

  トニーという妻子のいる男だった。そのコンサートツアーに役立つのが『黒人専用旅行ガイドブック』の名前が『Green Book』で映画のタイトルになっている。

  映画は、この旅を通して、当時のアメリカ南部の黒人差別を描き出し、教養はあるが自分と同じ黒人の生活実態に無知な黒人ピアニストと世間並みの黒人偏見を

  持つイタリア系ガサツな白人がぶつかり合いながらも少しずつ相手を理解しあい友情を深めていくという実話を元にしたもの。とてもいい映画だった。

 

  私は、もちろんこの映画を見るずーっと以前からアメリカにおける黒人差別問題の存在を映画や、TV、本などから知っていたが

  その後、様々な分野でアメリカ黒人の活躍を見聞きいしていたから、去年2020年、アメリカ各地での抗議デモ『BLM〜Black Lives Matter』を

  引き起こす原因となった、黒人ジョージ・フロイトの無抵抗にもかかわらず警察官が膝で彼の首を圧迫して死なせた事件・・・のようなことが今でも

  起きている事をあらためて知って、悲しいを通り越して『人間の弱さ=無明』のいかに深刻な事であるかを思う…。

 

  AI・・・とか騒いでいる場合でなく、それ以前に人間自身の『愚かさ』についての研究、それは逆に言えば『尊厳』についての研究で、

  それが『平常心是道』になるくらいまで一般化しなければ、到底改革されるのは無理なのではないだろうか。

  身近な問題としては、福島の復興、コロナの対策そっちのけでオリンピック開催を実行してしまうとか、経済的逼迫が尋常でないのに消費税を上げるとか・・・。

        

        写真は、昨日3時間のバトミントンでクタクタなのに、晴天の陽気に浮かれた相方に誘われて夜の散歩に出かけた図

 

  そもそも、人を見て『色』しか観えない・・・のは愚か者の証明だろうに、愚か者にはそれがわからない・・・現実がある。

  自分より弱い立場の人間を何かと『色』をつけて優越感に浸ろうとする習性が我々には確かにある、それは『空』を観ることで自他共に『慈しむ』

  本来の心持ちに立ち返ることが出来るのだろう。Black Lives Matterは、色即是空への『法門』である。