拈華微笑 ネンゲ・ミショウ

我が琴線に触れる 森羅万象を
写・文で日記す。

Bienne Festival Photography 2014

2014年09月08日 | 一撮レポート
  Bienne(ビエンヌ)であって かの有名なビエンナーレではない。 人口は?知らないが、明らかにローザンヌより小ぶりな街のフォトフェス。
  2年おきに催され、今回は18回目の『コンテンポラリー・写真』のフェスティバルだそうで、ボク自身のは今回でたぶん3回目?になるであろう。

  日曜の朝、10:45分の電車に乗り 約1時間、 何式だかしらないが、車体が斜めに傾斜する電車で、ボクは酔ってしまった。
  駅前の切符売り場で 20フラン(約1700円)払い、市内6ヶ所にぐらいに散在しいるギャラリーの載っている地図をもらっていざ出発。

  まずは、メイン会場となっている『Photoforum PsquArt』に向かう。ここでは9人の写真家の作品が展示されている。

  会場に入ると 前回2年前に見た時の『トラウマ』・・・(コンテンポラリー写真にたいする)が 再び蘇る・・・。

  3人ほどの作品を見終えて コンテンポラリーとは 人をして写真嫌いにする目的を持つ性質の写真作品である・・・という定義に違いない!
  と確信にほとんど至った・・・・。

   
     映画『シャイニング』ほうふつとさせる会場風景には それに似合った写真群が展示されていた。

  来たそうそう、帰りたい気分になってきた時 入った部屋の作品・・・
  
  入った時はボク一人で 真っ暗な部屋に スライド映写機からスポットライト状の光が 壁に丸い光を作り出しているだけ・・・  
  いくらコンテンポラリーでも、これはあんまりだ!・・・と、部屋を出ようとして ライトの前を通ると、なんと
  ボクの影の他にパイプをくゆらすおっさんの影絵が現れるではないか・・・・『へえ~』っと 光の前を行ったり来たりすると
  いろいろなパターンで影絵が現れてきた。 しばらくすると3人組の女の子が入ってきて ボクが手で影絵を作って遊んだりしているのを見て
  真似をしだした。 このとぼけた影絵は、鑑賞者参加型展示ということで 案外楽しめ、このあたりからドンドン楽しくなってきたのである。

              
               このボケボケの映しだされた映像は 詩の朗読と共に少しずつ変化していったが、これが意外に良かった。
               このビエンヌの街は独、仏語両方が用いられる言語境界の街であるが、この詩はフランス語で『視覚』に関する
               哲学的、詩的な内容で良かった。

   

  今回、ボクはイイと思ったのは 何故か停止した写真ではなく、映像であったし、 実際 映像の作品が多かった・・・。
  今や、映像も写真という認識がなされつつあるのだろうか? わからないが。

  そして、今回ボクがもっとも気に入ったのは この作品(映像)であった。
   
   路上でダンスする人々・・・といっても素人ではなく ダンサーによるダンスが次々と音楽と踊り手をとっかえひっかえ
   際限なく現れてくる映像が 映画館並みの大きな映像で映しだされてくる・・・ こりゃ~楽しかった。

  だけど、静止している写真で 味のある イイ写真を見たかったなぁ~。

  
 

 Nuit Images 2014

2014年06月29日 | 一撮レポート
  夏の2週間のバカンスが始まった土曜の夜 我がローザンヌ・エリゼ写真美術館主催、恒例の『Nuit Images』=写真の夕べ・・・に出かけた。

                     

  ここの新ディレクターがかわってから第二回目になる『Nuit Images』・・・今回は特に何か物足りない気がした。
  この催し物を実現するために沢山の協賛の企業や団体が関わっている事はわかるが、いちいち名前を挙げて感謝を述べる時間が著しく長いことに疑問を  
  感じた。いまヨーロッパでは日没が夜の10時頃であるから、そもそも始まる時間が遅いところにディレクターの挨拶が長過ぎる。
  それと敷地内4ヶ所に設置されているスクリーンのメイン・スクリーンで取り上げられたテーマは戦争写真で、写真家がその写真を解説するというもので
  テーマそのものに文句は無いが、いきなり重いテーマで一時間以上にわたって視聴させるのはどうだろうか。夜の野外で大スクリーンで写真を見るのを
  楽しみに来ている一般の人々はどう受け止めただろうか。

            
             毎年 写真により親しみましょう的コーナーが設けられるが、今年はチャップリンのコスプレに、振付師がショート振り付け
             し、その間に面白い写真を撮る・・・というもの。アイディアは良かったが、振り付けがもう一つだった事とチャップリンの
             音楽がなかったたことが、盛り上がりに欠けた原因となったと思う。

  

 パリ最終日『パレ・ド・トーキョー』物語

2014年05月17日 | 一撮レポート
 昨夜5月16日ローザンヌ帰宅 By TGV 21:37・・・そして一夜明け、晴天の我が街ローザンヌを歩くと やっパリ 人口が少ない田舎街なのだと再確認。
 それは兎も角、今回の旅で何を見ました?ともし聞かれたら ためらわずに『パレ・ド・東京』という。

 
 『パレ・ド・トーキョー』・・・パリに?聞いたこと無いなぁ~と、いいながらアイパッドで調べて、3泊4日パリ滞在最終日の昨日、開館の12時に  
 合わせて出かけた。キッカケはフランス語の写真雑誌の写真展案内に記載されていた哲学者Georges Didi-Huberman企画による写真展とあり、しかも
 場所がパレ・ド・東京とあるものだから、、、なんだか面白そう・・・という理由だけでこの日のプログラムの前座として入力、メインは
 わがアンリ・カルチィエ・ブレッソン館で行われている写真展『Emmet Gowin』を予定していた・・・のだが。


     
           この入り口から入って なんだか、異様な雰囲気・・・              何だこりゃぁ???からこの物語が始まった・・・

   
  ここにいる連中は何やってんだぁ? 組合や学生政治運動的な・・・                  それでもって創作意欲が湧いてくる雰囲気・・・

      
        この連中は 例の伝説的映画『ブロード・ランナー』を見ているし         この監視員にこの作者は誰?と聞いたら、今日は勤務初日で何にもわからない・・だと。

                
     詩をよんでいる少女、フランス映画『ディーバ』を髣髴させる               低音がよく透る声で 詩の朗読 なんか深そう・・・ 

  
             このダイナミックな空間・・・・                       何故か落ち着くんだけど・・・・

           
          可愛い・・・というか、ウエイトレス。 水=1ユーロと書いてあるので頼むと 水道水をただでくれた。

          
           これがこの現場のアーティストThomas Hirschhorn氏 後でわかったがスイス人の有名なアーティストで、子供の質問は
           ちょうどツボにはまっていて いい質問ばかりだった。(何故か、炎が・・・)

  
    題して『タイヤと美女』・・・

 ここまでは無料ホールであった。(ボクは知らずに裏口から入場していたらしい・・・でも結果的にそれは タイヤ世界を味あうには一番よかったのだ)
 タイヤ世界の延長上に あの写真家の杉山博司の名前があったので そのコーナーに入ろうとしたら、係員の制止にあい切符が必要なことがわかった。

 セニア(60歳以上)だと本来8ユーロが 6ユーロになった・・・スイスにこれは無いな! お得感しきり。

  
            切符を持ってさっきの地下に降りてゆくと・・・メトロダウン??         じゃなくて、子供のお絵描き、、、タイムらしい

    
              実に、、、子供らしい・・・てか!                     でも、なんでこんなところに『髪結いコーナー』があるの?? これもコンテンポラリーなのか?

                  
                  終いには大音響に乗って ダンスも始まった・・・ なんかわけわかんないけど?・・・楽しいわな!

              
              次に向かった暗い空間の写真群・・・そもそもボクをここに導いてくれた哲学者Hubermann氏による『Mnemosyne(記憶の女神)-42』という副題のInstallation
               床一面に何面にも映写された映像を 踊り場から俯瞰出来るようになっている。しかし、これを一人で読み解くのは・・・。
                             

                 いよいよHirosi Sugiyamaの名前が見えてきた。例の水平線の写真が一枚展示してあって その先に行くとこんな部屋に・・・
                 
                 
                 階段の上の方に なんと俵屋宗達の 『雷神』・・・じゃないの? なんで?・・・(謎はさっきわかったけど)

   
  ほんでもって 何故か化石が・・・・(こりゃぁ面白わ!)


                  
                                  最後の晩餐の写真群


     
                 『落石注意』の看板みえますか?                    上を見るとガラス屋根が割れていて 丸く石で囲んである所にポッカり穴が空いているんです。

    
    なんか だんだんこの作者の 言いたいことが 分かって来そうな そうでないような・・・・               窓から覗くと・・・Love Doll 『天使』と来た・・・凄い存在感!

     
   で、ここに至って これを見てビックリしました! なんと、日本の事をよく知っている奴だなぁ~・・・と感心しまくった図です。(それもそのはず・・・答えは後で)


                                
                                   昔懐かしい『鉄腕アトム』の紙芝居を乗せた自転車(ここにも作者の伏線があったか) 

     
    フランス人青年ガイドの説明を立ち聞き『この五重の塔は下から 地・水・火・風・空 を象徴し、仏教的宇宙観を表しています。』・・・ なるほど、ようするに天然自然ね。

                               
                                  最後に再び杉山博司氏の『水平線』の写真・・・見る者に有無を言わさない感 

   実は、このブログを書くために 現場では読まなかったカタログを帰宅してから読んで ああ、そうだったのか!・・・と納得いく。
   水平線の写真から始まった部屋は アンスタラッション(設置芸術?)も含めて 全部 杉山博司氏の作品であった・・・とは!

   彼は昔、骨董商も営んでいたそうで(ウィキペディア) 例の『雷神』像設置も そしてガスマスクをし、戦時中の姿をした死体をリヤカーに乗せた彼の意図も納得。

   杉山氏=写真家・・・とすっかり思い込んでいたので、展示されている諸々が杉山博司氏の手によるものとは予想外・・・
   この偶然がボクに 杉山氏の展示をより一層面白く、深みをもたらしてくれた事に感謝。
   

   まぁ、とにかく このまれに見るダイナミックな『パレ・ド・トーキョー』の展示・作品群を見るだけでも パリに来た甲斐があった。
   (大嫌いなコンテンポラリーが こういうものであるなら 大好きになりそう。ここには 自由・平等・博愛があった!)

  
    

                 

 

          


 

 Nuit des Images (夜写楽・会)2013年度

2013年07月02日 | 一撮レポート
  先週金曜6・30日(木)仕事で疲れて行くの止めそうなのを タクシーを奮発してでかけた ローザンヌはエリゼ写真美術館 恒例の「夜写楽会」に出かけた。

        
          入り口がこんな感じで 楽しげ感が 盛り上がる。

  メイン・大スクリーンは このまま真っ直ぐいったところなのであるが 今回はこの左手の 林の中に 

    
    こんな 一角があり 怪しげな写真やら スライド・ショー・・・見たいのを 準備している 人間が あちこちに 散見・・・・

  そんな中 我々に 声をかけてきた 若い女の子
  
   「今は準備中で 本番は明日だから 明日来てね・・・」と、親切に説明してくれた時 ボクのカメラが 一閃光を放った!

  若い革ジャンの女の子が ビックリして 制止するためか? 思わず差し出した 「手」を ボクはすかさず 揉んだ。
  (死人を思わせる 冷たい手は ボクの火照った手には 気持ちよかった)・・・その娘は 事態をワンテンポして把握したようで
  (つまり、握手ではなくマッサージであると) Merci!(ありがとう!)と 微笑んだ。

  明日は残念ながら 来ることが出来ない・・・。 それにしても 楽しそうで 相方はすっかり気に入って
      こんなポーズを。

  ただ、メイン・スクリーンで行われた ライブのミュージックと 詩の朗読による 映像 ・・・は ボクの気に入れられず 10分足らずで帰宅した。

 さよなら原発・ベルン編

2013年03月09日 | 一撮レポート
                  


 
  地元グリーンピースの皆さんが 中心となり開催された「さよなら原発」運動 13:00 ミュンスター広場にて
   ボクも末席に参加している アジサイの会(在スイス日本人)のメンバーも十数人あつまった。

                         



                      




スイス在住の日本人にとって とても重要な情報紙「グリエッチィイ」の編集長・野嶋さんによる
           鎌田慧さんからの メッセージ読み上げ(ドイツ語訳by葉子さん)は聴衆から盛大なる拍手を受けた

  
   この朝 山本太郎さんのヘリコプターからのメッセージに刺激を受けて 猛然と湧いた創作意欲でこんなものが・・・
   http://iwj.co.jp/wj/open/archives/65334 (IWJ配信動画「正しい報道ヘリの会」より)
    37分ごろからの山本太郎節は頂点をむかえ 彼以外の誰にも言えない真実を堂々白日にさらした凄いもの!是非聞くべし


   
    この風貌に黒いスカート姿のカメラマンに原発のマークは?どんなんだっけ?と聞いたら
    なんと 「こんなんだよ!」と  腕の刺青を見せてくれた 「脱原発」海坊主

           
            そして最後に 何故か アメリカ人娘による スイスホルンの 平和への祈りを込めた 演奏

       
         ベルンからの帰宅電車から 見えた レマン湖が あまりにも美しい のが ちょっぴり悲しい夕暮れ 


     

心理猫写~写真とは・・・?

2013年02月07日 | 一撮レポート
  わがローザンヌ写真美術館 主催:Projection de potfolios つまり写真発表会があり 5人の写真家?によってそれぞれ
  の写真を各自 約20~30分 PCに接続した スライドにて 鑑賞。

  一人目
  地元新聞の写真家で 60歳 街に興味あり ブラレストの街 の新旧建築の対比・・・から見える 歴史など・・にたいする興味。
 (ボクの感想~ ブカレストをしらないからか? 写真も面白くなく 退屈千万)

  二人目
  若い体格のいいヒゲの男 なんだか賞の受賞者 The Girls of kabul アフガニスタンに行った時の 女性の顔のアップ写真
  (ボクの感想~ どの表情も深刻な感じで どういった人達なのか????マークで 10枚ぐらい見せてくれたが
          何を見せたかったのか さっぱりわからなかった。)

  三人目 (帽子をかぶった夫婦で登場)
  アフリカ人の洒落男の旦那がモデルで 全ての写真にほぼ同じポーズで登場 10歳年上の白人女性が奥さんで写真家
  一番枚数が多く 観衆の笑いを誘っていた。   
  (ボクの感想~ この夫婦そのものほど 写真にはなんの魅力も なかった。)

  四人目
  スイス在住のケベック人の男性 45歳ぐらい 今回5人のうちで最もコンテンポラリー的作品
  数人の男達と物を組み合わせた 静物画的作品で 彼の説明も難しい言葉を駆使。その時なんども使われた言葉は
  「モデル・ビボン」= 生きているモデル・・・で 写真を見れば 男は生きていることが わかるのだけれど
  説明の際 モデル・ビボンを 繰り返し言っていたのが印象的 (普段は死んだモデルを使っているのかな?)
  (ボクの感想~ 相当頭がコンセプトで 説明されても ぜんぜんわからなかった。)

  五人目
  大学の数学の若い先生 友人が観客に沢山来ているようで 身内に受けていた。
  一人目と同じ 建築に興味あり  それと経済の問題を 写真で表現する・・・みたいなことを言っていた。
  一枚一枚の説明に 笑いの種をクールに 仕込んでいます的 
  (ボクの感想~ ・・・彼の写真がよく思い出せない!)

  ボクにとっては 第二回目の 発表会。 比べると前回は もっと面白く イタリアの女性の作品は 秀逸であったと
  あらためて思った。
  こう見てきて 写真って 小説や映画や絵画や 音楽とくらべても なんか ぜんぜん 「 面白く無い」ものだなぁ~と
  感心。 感動とか 感情に訴えるみたいなもの は 写真じゃ無い・・・と 言いたいのだろうか?

         
   



  
          

 やっパリ・フォト2012 ~その2

2012年11月19日 | 一撮レポート
  写真大祭としてのパリ・フォトには いろいろな立場の人々、写真よりも銭が好きな人も含めて 実に多くの人が集まって 
  外の寒さを忘れさせる熱気に満ちていた。聞こえてくる言葉はフランス語の他に 英語がよく聞こえて外国から来ている
  人も多いように見受けた。
  去年初めて見た時も驚いたが、今年も写真を見ながら その作品をカメラ、スマホなどで写真を撮っている人がほとんどという図
     
  これにもいろいろ理由があるのだろう、メモ代わり 好きな写真を買う代わり、写真家にあやかりたい気持ちから・・・などなど。
  写真好きの祭典であるから カメラ持参することはわかるが、バンバン写真を撮影する風景は どこか滑稽でもある。

  
  沢山見た中で 気になった、気に入った作品はと云えば
  
  Julie Blackmonさんのこの写真⬇ Rovert Mannギャラリーが一押しする作品のようで 彼女の写真集とオリジナル写真が展示
  
  これを見た時 すぐピンときたのは ボクの好きな画家Balthus・・・であったが 果たしてBalthusの絵をベースにしている
  ということをネットで知った。計算つくした画面配置は 非自然的でそこが面白い と云えばいえる。が・・・。
  
  ここのブースは 他のところと何か違う・・・と思ったら まず、床がコンクリートむき出しで 他のところは
  全面カーペットで覆われているので 新鮮というか 心理的にホッするような効果が十分あったように思う。
  それにここに展示してある写真の性質も大いに関係している。 写真のテーマは 全てブルースカイに小さく浮かぶ月、
  その付近を 飛行機雲を伸ばしながら飛んでいる小さく見える飛行機・・・というユニークなもので心が和んだ。
        

  そして ボクが大いに気に入った作品はこれです。 Geng Fangyu氏という 中国人の写真家?のようである。
  これは Magda Danysz ギャラリーのブースで パリと上海にギャラリーをもっているようで ネットを見ると
  面白そうな写真家たちを 抱えているギャラリーと見受けた。
      
         いろんな点から完成度の高い写真に・・・それとブースにいた東洋の真珠のような女性に・・・魅せられた。

  ブースの写真見学にも くたびれて写真集展示しているところで ボクの好きなおじいさん写真集を見ていると 隣の奥さんが
  「この写真集の”主”が そこにいてサインをしているわよ~、私も彼の写真が大好きで全部持っているわ!」・・・と言ってくれた。
      

  ホンマかいな~・・・と 後ろ横を見ると おお確かにいるではないか。「Mister G.」という写真集を買って サインをしてもらうの図
       
            Mr.Gilbert Garcin 氏が 写真集にサインをしているところ・・・こういうの初体験で結構うれしい~!!
            こんど 神戸で写真展をするけど 案内を送ってあげるよ・・・と言ってくれた。
  このMr.G 63歳で退職してから始めた写真で 見事に自分のスタイルを作り上げた人は 現在81歳です。
  ここ何年間に彼の写真を何度か眼にしたが、その都度 一切の無駄を削り落とした結果 残りました・・・と云うような完結な影像に
  人生における 豊で深いユーモアと鋭い文明批判を感じ取れ、そのユニークな制作法と表現で写真の裾野をひろげた凄いオジサン。

  

  
    これら 電光を利用した写真群も これからもっともっと 展開されるだろう。

  

 
  
   写真と人との 愛しい関係に バンザイを三唱して ボクのパリ・フォト2012レポートを終わります。 バンザイ! 万歳! Ban-Zai ! 



  



  
       

  

  
 
  
  
  

 やっパリ・フォト2012 ~その1

2012年11月18日 | 一撮レポート
  スイスの田舎から “パリ参り”を始めて 十数回、いや二十数回(はちょっと大袈裟か)?

  パリ・フォトとしては第2回目だが、 パリを訪れて続けて幾星霜、 今回初めて”パリ”が ボクを受け入れてくれた様な気がした。

  パリ・フォトという目的があるからか? 写真を愛する女神Parisが ボクに心を許したのだろうか?

  友アニエスが住むカルチエ は移民が多く 貧しい地区だが スイスには無い人情と活気が溢れていたし、
  パリの至る所で 人びとの親切心を感じることが出来たのだが、これまで 都会=冷たい/田舎=温かい という
  紋切り型の概念にボクの頭は 固まっていたのが ここに来てようやくパリの現実に 眼が開かれたのかもしれない。

  人間大好き人間、一撮にとってこの街、パリはボクに撮られるべき街なのではなかろうか・・・・。

  まぁ、前置きはこれくらいにして パリ・フォトであるが 第2回目ともなると 1回目よりは見所の急所を掴んでいそうな
  ものであるが、一歩会場に入るやいなや その人と写真の熱気 そしてそれを受け止めるかのような グランパレのガラス張りの
  広大な天井に眼が眩んでしまい あとは前後不覚で 只々シャッターを切るのみ 約4時間半館内の全ブースを 全観成し遂げた。

           
                   パリフォトに スマホで参加 フォト母神 :一撮

  なんといっても パリ・フォトの醍醐味は 写真と 共に 見に来ている人間観察・・・なのだ。

     
        まるで 劇場の舞台そのままの 各ブースでは それぞれのドラマが繰り広げられていた。

   

           

  日本の写真家も頑張っていたが いつもの顔ぶれ=細江英公、森山大道、アラキー・・・の様な気がした(他にも若手がいて見逃した?)

    
             それにしても 凄いと云うか・・・・・ アラキーの作品群

    

 必撮無眼流 ~ シンディ・シャーマンな街Vevey

2012年09月12日 | 一撮レポート
  寒い雨が降る中 行って来ました 2年毎に行なわれる「Imageの街Vevey展」街ごとが写真展示場になった超贅沢な写真展。

  今年は 駅前の州立銀行の建物全体を使って この写真:シンディ・シャーマンの自写像
      

  堂々たるものであるが、 一般市民が この写真をみて どんな事を感じるのだろうか??・・・非常に興味がある。

  ボクは時節柄 「アメリカの野望」・・・決して満足することのない眼差し・・・みたいなものを感じてしまった。
  しかも、スイスの(州立)銀行を覆うような どでかいアメリカ人女性の“肖像”・・・今現在スイスの銀行はアメリカから
  手ひどい攻撃を受けている真っ最中・・・悪い予兆のシンボルとならなければ いいが。

  旧デパートの廃屋を利用した5000m2の展示面積、地下を含めて5階の展示場は 廃屋独特の雰囲気があり
  お化け屋敷写真展的な 趣向が楽しめる。 ここでの展示は今年が最後になるそうだ。

      
         お化け屋敷にふさわしい ボロボロな 写真を貼り付けて立体化した車!

  地下へ行くと 薄暗い部屋の片隅に 2畳ほどの四角い小屋があった。 中には何故かシングルベッドがあり
  その横にコンピュータが 備え付けられていた、このPCで 何か見られるのだろうか?と思い いじっていると
  背後から若い美女が声をかけて、「宜しかったら 写真をお撮りしますので このベッドに横たわって下さい・・・」と
  意味有りげな微笑みを投げかけてきた。一瞬なんのことか サッパリわからずにポカーンとしていたせいか
  英語は分かりますか?と 言ってきたので「Yes!」と一言。 
  云われるままベッドに横たわると フラッシュが閃いた・・・ような?! 

  「貴方の写真が 今、3階の 穴から降って降りてきますから こちらにどうぞ!」と小屋を出て 上を見上げると
   吹き抜けになった3階の天井(というか床に)細長く穴が空いていた。  そして・・・・!

     

     そして・・・このように なる。
     

     お嬢さんと ツーショットと相成る。
     

  そして 街のアチコチに Liu Bolin(中国人) の 「街なかのカメレオン」の題名の 大写真が 張り付いていた。
     
    
    彼の写真は 凄いの 一言。  日本人では 西野ショウヘイさんの「ジオラマ」が展示されていた。

  ボクの総評としては “写真の力が 弱くなっている” 感じがした。 図らずも今年の5月 ベルリンへ行った時に見た写真展
  日本の写真家1945-64 で見た土門拳、林タダヒロ、長野重一、木村伊兵衛、奈良原一高、濱谷浩、田沼武能、等の写真の方が
  何倍も良かったと思う。

  個人的好みもあるのだろうが、現代の作ったような作品からは やはり写真独特の深みが出てこない気がする。
  現代は「肖像権」の問題もあって 思うように人を撮れないのが 原因であろうが なんとかならんだろうか。 
  


  

 ローザンヌ写真夜

2012年06月23日 | 一撮レポート
 昨夜 6・22(金」仕事を終え、夕食を済ませてニコルと 我が街が誇る エリゼ写真美術館 へと急いだ。
 昨年に続き 「第二回 Nuit des images 」が行なわれるというので 期待に胸をふくらませていそぐ。

 期待を持った理由の一つに 写真美術館で今 展示されているのは 今ボクが注目している写真家 「Pieter Hugo ピーター・ヒューゴ」
 の作品が展示されていて、しかも今夜は無料入館できるのだ。

 エリゼ写真美術館はレマン湖畔近い丘にあり、晴天の昨夜はレマン湖とアルプスが美しい。 
 20時30分、ローザンヌ市が管理する風光明媚な庭には 大スクリーンが設置され 人で溢れていた。大きな庭の周辺には
 他に6枚のスクリーンを設置してある。

 庭の片隅でこんな風景を観た
                  

                    希望者を募り 簡易スタジをで ダイナミックに トップモデルの雰囲気を 味あわせてくれる、という趣向。

                  
                        乗った若者は こんな感じに 当然なってくる。
 
 大型スクリーンが始まるまで 小一時間あるので 館内の写真展をまず 観に行った。
 普段よりかなり 混み合っていたが ヒューゴの写真は期待どうり 「迫力」があった。1976年南アフリカはヨハネスバーグで生まれた彼の
 初期の作品で ハイエナをペットにしている男達の写真を数年前、最初にみた時 へえ~っと 思ったものだ。

 それが、去年だったか? 彼の新しい写真集 「Nollwood 」を見て 彼が本物の写真家であることをボクは感じた。
 今回の展示ではそのシリーズも あったし さらに新作の ゴミ処理場での黒人青年達の写真では さらに深みを増していた。
   (これら青年たちの社会的状況の深刻さを 物語り、同時に 人間性を浮き彫りにしている・・・といえるのだろうか。)
    彼のサイト: http://www.pieterhugo.com/nollywood/

               
                   そして いよいよこんな感じで 若き館長 サム・ストールゼの挨拶で始まった。

 しかし 残念なことに 最初に 退屈な 作品を持ってきていて 2番めの作品で席を立つ 気短の人達がいて ボク等も相当気短なので
 席を立ち 周辺スクリーンやら 出店やら を見に庭内を散歩。

               
                  その一つに 不気味な迫力でせまる 「峨々たる氷河山」 とボクが名付けた 3つのスクリーンの氷河がガタガタと
                   動き出す 横で 尺八のような雰囲気のクラリネット?奏者が 延々と熱演している図。

 その後 大型スクリーンに戻ってみると 面白い写真をやっていた。これは朝 1時半までやるということだが 寒くなってきたので 帰宅0時。
 
 

 

  ” 新藤兼人”研究中につき

2012年06月18日 | 一撮レポート
 5月29日 新藤兼人監督100歳で亡くなられた記事をどなたかのブログで読んだことがキッカケで 映画
 「裸の島」の乙羽信子さんから始まり→連続テレビ小説「おしん」→ 本「泥んこ半生記・乙羽信子」→本「ながい二人の道・新藤兼人」
  などを読み進みながら 禅の鈴木大拙さんと並んで このお二人に 最大の敬愛の念を抱きつつある。

 この稀なカップル、稀な個性 乙羽信子・新藤兼人にただならぬ 共感に 琴線が震えっぱなしの今日この頃である。

 ここに 95歳の新藤兼人さんの インタビュー動画がるので 見て欲しい。http://www.nhk.or.jp/gendai-blog/900/122119.html

 もっと早くに彼等の存在を知っていたら・・・、というか いま彼と彼女の存在を知ったことの 喜びは大きい。

 新藤兼人監督は 広島出身ということもあり 早くから原爆・放射能の問題に強い感心を持ち それを映画作品にして残している。
 これらの作品はDVDで買うことができるようだ。

 映画 ~ 「原爆の子・1952年」「第五福竜丸・1959年」 「さくら隊散る・1988年」 

 今年の5月に亡くなられた監督、この福島の原発の問題をどのように 感じておられたのだろうか。

          

     
                   新藤兼人「作品というものは 全部私的なものですね・・・・」

 童心

2012年06月13日 | 一撮レポート
 先週の土曜日、狙ったようにこの日だけ 晴天になり 第六回目だかの「大地の祭り」はご覧のように盛況であった。
 この日がそのフェスティバルの日であるとは 知らなかったのだが、 祭りの場所である公園にたまたま散步に出かけた
 相方ニコルが 電話してきて 出てこい・・・と誘う。 キックボードを駆って出かけてみた。

 この祭りの主眼は 「自然に触れましょう」みたいな処にあるようで 特に子供むけプログラムが沢山用意されていた。

        

         紙芝居ならぬ 人形芝居で トランク仕掛けの舞台の人形芝居はじつに簡単な装置だけど
         真剣に見入る 子供たち。 演じる大人が大真面目なのが 素敵だった。

        

         一見 本物の牛のようだけれど プラスチックの牛。 お乳のところだけ ゴムになっていて絞ると水が出てくる。

        

         自分で絵付けしたタコが 沢山 あがっていた。

        

         このアフリカ人の若いパパは 初めてタコをあげたようで 子供より夢中になっていた。

        

         親子、カップルが 楽しんでいた ローザンヌの 一日。 レマン湖の向こうは エビアンの街。
 

 4号機の話

2012年05月29日 | 一撮レポート
 フクシマ原発の4号機のことは 小出裕章さんの話で知っていた。
 かなりヤバイ・・・ということも知っている。・・・知っている??? イヤイヤ あまりにも現実離れの話なので
 正直ピントこない、というか・・・。 
 
 それがここ最近になって メディアも 真剣に この「4号機の話」を取り上げはじめている。

 例えば この方のブログなんか 御覧なって下さい。 誕生日の話の後に 動画を載せてくれています。是非見て下さい。
     http://blog.goo.ne.jp/mayumilehr/d/20120526(これをコピーして、貼り付けて下さい。)

 今日、ツイッターを見ていたら 5月13日付の北海道新聞の社説にも 「4号機の話」が出ているとの紹介記事があった。
 まぁ、ボクが知らないだけで 結構 いろいろなところで 話題になっているのだろうか。

 それにしても 国民の危機意識の高まりが あまり感じられないのが じれったい気がする。

 これを早く何とかするためには 国民の危機意識を高める→→デモとかなんとか 大騒ぎする→→世論を動かす→→原発問題に全力を尽くす。

 この図式を阻止する 原発マフィア(政府、メディア、企業、など)が死力を尽くして邪魔している。

                                じれったいボクは 「4号機の話」を こう表す。
                        

 

 壁を乗り越える街

2012年05月28日 | 一撮レポート
 自分なりの 初ベルリン3泊4日の 印象を 一言で云うと 「若い街」・・・という 印象であろうか。

 重い過去からの脱皮がかなり進展する中での 若い世代による街の再建の真っ只中・・・という感じ。



  ・実際 街の至る所で クレーンが林立している。
  ・平らな街のため 自転車利用者が実に多い。
  ・ベルリン市内の人口約350万人で仕事場と居住地の接近しているようで市内中心にアパートが  
   が多く レストラン、カフェなどでくつろいでいる人々の風景を良く見かけた。
  ・本当に緑が多く・・・花粉症初心者のボクは 眼が絶えず痒く、鼻をかんだ後必ずクシャミを
   最低3回して 相方からひんしゅくを買う。
  ・観光船が行き交うほどの河がベルン市内を蛇行している。したがって河沿い散歩道
   カフェ、公園など 寛いの場としても かなり重要な役割を果たしている。 
・もちろん日本食を食べたが スイスに比べて半分の値段!カツ丼10ユーロが スイスだと23フランはする。