sweet キャンディキャンディ

伝説のマンガ・アニメ「キャンディキャンディ」についてブログ主が満足するまで語りつくすためのブログ。海外二次小説の翻訳も。

ルイーズ・ラベの古詩@王立セントポール学院 小説キャンディキャンディFINAL STORY あのひと考察スピンオフ

2021年04月17日 | FSあのひと考察
もうすぐキャンディのお誕生日月の5月がやってきますが、皆さまお元気ですか?
さて、約4年ぶりに記事を更新しているのですが、その理由は先日ヒロ様からいただいたこのコメントにあります。
キャンデイがセントポール学院でルイーズラべの詩を暗唱するシーンがありますが漫画の中では、ソネット8番 我は生き我は死に...という、まるでキャンデイとテリィのその後を予言するような内容ですが、finalstoryではソネットの3番から5番に変わってるんです。これって原作者からの何かのメッセージのような気がして...
このコメントを読んで、ブログ主は心の中で大きく(まじかーーー!!)と叫びましたよ、えぇ。そして確認したところ、本当に変更されていたのです。

覚えていますか? キャンディがイライザたちのいじわるでフランス語の古詩の暗唱のプリントのことを知らず、シスタークライスから黒板に「わたしはうそつきです」と書かれても堂々と反論し、根負けしたシスターから「明日の授業までに覚えてらっしゃい」と渡された宿題。


漫画(講談社コミックスなかよし)キャンディキャンディ3
© 水木杏子/いがらしゆみこ

漫画でキャンディが暗唱させられたのはルイーズ・ラベによるソネット8でした。ところがファイナルストーリーでは下記のように変更されています。
シスターはキャンディから顔をそらさずにうなずいた。冷ややかな表情は変わらない。
「あなたが、そこまで言い張るのなら、次のこの時間までにルイーズ・ラベのソネットの三番から五番まで暗唱して来なさい!」
(上巻P278)

このように明確に変更されているからには、そこに意味が込められていないはずがありません。しかも1つのソネットを、わざわざ3つにまで増やしている! そこで、ソネットのそれぞれの詩を確認してみました。原文がフランス語なため、英語に翻訳された詩を読んでみたのですが、大まかな内容は下記の通り……


ソネット8番(漫画)
(超簡約)
われは生き われは死す われは熱火にたえつつ しかも氷のごとく冷ゆ
わたしが感じることにはほぼ意味がない。変転きわまりない愛に疲れ果て、このような呪われた宿命から切り離されたいと願う。幸運の女神の車輪が猛烈に回転しながら、この理不尽で、激しく、強烈で、凄まじい痛みを生み出す。
(超簡約ここまで)

解釈が間違ってなければ、愛に振りまわされて疲れ切ってしまったので愛から降りたい…という内容の詩です。漫画では、この疲れ切ってしまったキャンディを癒すために、最後にアルバートさんが両手を開いて迎えるわけですね。


では続いて、ファイナルストーリーでキャンディが暗唱することになったソネット3〜5番を見ていきましょう。

ソネット3番(ファイナルストーリー)
ファイナルストーリーでは、キャンディがこの詩の冒頭を口ずさむ場面があります。
「"ああ 久しい願望ねがいよ、いたずら希望のぞみよ"……」
バルコニーで、ソネットの第三番を口ずさみはじめたキャンディは次の瞬間、ハッとして思わずガラス扉の陰に身を引いていた。
(テリュース……)

(上巻P293)
(超簡約)
ああ 久しい願望ねがいよ、いたずら希望のぞみ
あなたがここにいるときに、再び湧き上がっておくれ。あなたの顔に広がる突然の笑みは、太陽の輝きのように明るく曝け出し、愛の尖った矢のように私に突き刺さる。そしてあなたは次には嵐のように切り裂き、あっという間に落ちて暗闇をつくり、私に新たな痛みを生じさせる。キューピットが狙いを定めて悪戯な弓を引くように、矢が素早く落ちてきて印をつける。
(超簡約ここまで)

セントポール学院でシスターにこの古詩を暗記するよう命じられた頃、キャンディはまだテリィと出会ったばかりで、ニールたちに虐められているところをかっこよく助けてもらったり、お酒に酔ったケガした状態で部屋に乱入されたり、笑顔を向けられたかと思うとエレノアの件で「(人に言ったら)お前をめちゃくちゃにしてやる」と脅されたりと、心を乱されまくっているのですが、まさにそんな状況を詩にしたようなのが、このソネット3です。

ソネット4番(ファイナルストーリー)
(超簡約)
愛がやってくるとき、私は身を隠してしまう。焼けつくように苦しい欲望で思考はいっぱいになり、私のハートは昼も夜も炎に焦されている。愛がやってくるほどに、私は包囲され、力を集めてもこの守りのどこかに致命的な割れ目があることを恐れる。愛の射手が引く矢は、どれだけ強固な要塞を築いても私たちのハートに刺さってしまう。
(超簡約ここまで)

ブルーリバー動物園!メイフェスティバル!スコットランドの夏休み!…説明不要ですね、皆さま。

ソネット5番(ファイナルストーリー)
(超簡約)
空をさまよう輝く愛の女神よ、私の悲しい歌声を聞いてください。失って独りぼっちで何もできず、涙とため息で枕を濡らすだけ。夢に彼は現れて、私は彼が故郷を離れてどんなふうに居なくなってしまったかを考え、一晩中苦しみの中で泣き明かす。
(超簡約ここまで)

テリィが学院を出てアメリカに渡ってしまった後のキャンディの心境とも言えるし、スザナの事故があってテリィと別れなければならなくなった後の心境とも言えますね。


まとめ
こうして内容を見てみると、キャンディが暗唱するソネットがファイナルストーリーで変更されたのには、明らかに理由があるように見えます。

ソネット3〜5でテリィとの出会いから熱愛、そして別れまでの流れが暗示されていますが、キャンディが独りになってしまった悲しみの状態から、漫画で使用されたソネット8の逆らえない宿命の愛に疲れ果ててしまうところまでは、今回は行かないのです。

なぜかというと、ファイナルストーリーでのキャンディの愛は、いったんは失われても報われるからです。「生きていればきっと会える! いつかきっと…」であり、「今までつらいわかれはいくつもあった。けれど、生きてさえいればまた巡り会うことができるのだ。だから、わたしはもう、別れを怖れない。」であり、「曲がり角を曲がったところには何が待っているかはわからない。」なのです。だからソネット8は不要・削除・deleteなんですね。

しかし、キャンディが暗唱するソネットの内容まで変えてテーマを貫いている原作者さまの緻密なストーリーテリングに改めて驚かされました(ここに気づいたヒロ様もすごい!)。漫画連載の時から、このルイーズ・ラベの古詩に意味を持たせていたということでもありますから、これだけの内容を子供として読めていたという事実がとても贅沢なことだったんだなぁとも思いました。


外はもうバラの季節、アンソニーのバラの香りを妄想の中でかぎながら、素敵な5月をお迎えください。 またいつか。
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24 コメント

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Unknown (candycandy)
2021-04-17 19:35:12
更新下さり、涙がでそうなくらい嬉しいです💕

そしてまた、素晴らしい考察をありがとうございます💕
お気づきになったヒロさまもすごいです‼️

あの「詩」には、そんな暗示が込められていたのですね~💕
水木先生って、どこまですごいのか‼️

ファイナルストーリーで、暗唱する詩が変更になっているのは、キャンディが最後に結ばれるのはテリィだから、と信じたいです💕

素敵な記事をありがとうございます💕
ブログを読ませていただき、私にとって、5月の薔薇が今年はまた一段と輝きそうです💕
返信する
candycandy (ブログ主)
2021-04-17 19:43:56
4年ぶりの記事に、こんなに早くコメントをありがとうございます。

ブログ主もヒロ様からのコメントをいただいてから詩をちゃんと読んで、ここまで細かく物語に意味が込められていることに感動してしまいました。

キャンディワールドに浸るには最適の季節ですね。記事を楽しんでいただけて、久しぶりに更新した甲斐がありました
返信する
Unknown (candycandy)
2021-04-17 22:22:27
何度もごめんなさい。

どなたかのコメントで、もうすでに書いていらしたらごめんなさい💦

暗示、ということで、私が思うのは、キャンディとテリィは、「ロミオとジュリエット」という暗示が出会った最初からはられていた、と思っています。

セント・ポール学院での五月祭の時、そしてテリィの初主演、オーディションで手にいれたロミオとジュリエット。キャンディと同じくらいテリィを好きな私には(笑)辛いのですが、ふたりは結ばれない運命として、水木先生は考えていらしたのでは、と思います。
でも、我々の(テリィへの)熱い気持ちが水木先生を動かし、ファイナルストーリーでは、あの人はテリィ、になったとも信じていますが。

水木先生は、物語の中に色んなキーワードを残していかれてますね。
だから、我々ファンが何十年たってもこうやって深く掘りさげていくことができるのですね💕

返信不要です💕
返信する
candycandy様 (ブログ主)
2021-04-18 07:31:12
返信不要とのことですが、お返事させていただきますね。

漫画連載時のテリィは、当初は最初から結ばれない相手として登場したというのは事実ですよね。その上で、原作者さまの嗜好がかなり大きく影響して作り上げられたキャラクターだと思っています(どうせ別れるんだから好きに書いちゃえみたいな)。結果、キャラクターとエピソードが魅力的すぎて、漫画家さんもそれに合わせた絵を描いたらさらにスーパー魅力的になりすぎてしまい、キャンディも含めて大勢の人の心を鷲掴みしてしまったという幸運?の積み重ねが、最後には物語すら変えてしまったということですね。

原作者さんは、ファイナルストーリーの後書きでも書かれてる通り、「このままの(元の)内容のままでいいのだろうか?」とご自身が納得いっていなかったことを吐露されていますし、いくらファンが望んでも、自分が納得していないことをする方ではないと思われるので、ファンの気持ちに動かされて書いたというのはちょっと違うかなーと感じます。

原作者さんが、最初の構想と変わってしまったキャラクターたちの心の動きや運命の変化を、どうしても書き残したかったというのが本当のところではないかというのが、ブログ主の考えです。

漫画連載時の綻びというのは、アルバートさんを最後の相手として書かざるを得なかった上で積み重ねた会話やエピソードで、同居時代の話がファイナルストーリーでは全部完全にカットされていることからも、そのあたりが大きな綻びなんだろうと推測しています。

同居時代に、キャンディはアルバートさんに「初恋は丘の上の王子さま」と伝えるんですけど、そのあたりのセリフも全部カットされ、ファイナルストーリーではキャンディの初恋は明らかにアンソニーです。

そういう意味でも、原作者さんの中のあのひとはテリィであると断言させていただいるのがこのブログなんですね
返信する
ルイーズ・ラべ! (ブルーベル)
2021-04-21 17:10:56
初めてコメントさせていただきますね。
実は私も、遅ればせながらキャンディ関連のブログを始めようかなぁ~、と画策している輩で(本当に遅いですよね、汗)、二次小説なるものを既にかき上げているのですが(まだUPはしていません)、色々調べる内に、ルイーズのソネットの変更には気付きました。・・なので、なんか同胞に会えたようで嬉しくなっちゃいました♪
私が手元に持っているルイーズの翻訳本は表現が固く古く(キャンディの唱えている文と同じです)、解説も載っていないので、ここからは主観になるのですが、3~5番の3つのソネットはキャンディの過去、現在、未来を暗示しているのでは、と分析しています。
―と言うのも、これも主観なのですが、3番は恋の相手を失った苦しみ(=アンソニー)、4番は恋に翻弄される我が身(=テリィ)、5番は失恋の悲しみ(=テリィとの別れ)のように感じるからです。
原文は存じませんが、少なくとも、手元にある翻訳本を読む限り、そのように感じます。
返信する
ブルーベル様 (ブログ主)
2021-04-21 19:23:17
はじめまして。コメントありがとうございます。
ご自身で2次小説を書き上げられたんですね。すごい!ブログ主は自分でゼロからストーリーを書くのは無理だと思ってるので、ご自身でオリジナルを書かれている方々のことをいつも尊敬の眼差してみています。

手元にルイーズ・ラベの古い翻訳本を持っていらっしゃるとのこと、羨ましいです。ブルーベル様が考察されるキャンディの過去・現在・未来というのはファイナルストーリーの中年になったキャンディにとってということでしょうか?ブログ主は、この考察記事で書いたとおり、キャンディがシスターから暗記の課題を出された時点での現在がソネット3、これからのテリィとの恋愛がソネット4、テリィがセントポール学院を出るところから始まり病院での別れで決定的となる別れとその後がソネット5、漫画で使用されていたソネット8は、テリィとの復縁があるためカットされたという考えで、一応満足しております。

ところで、ブルーベル、ファイナルストーリーで登場してましたね。セントポール学院に咲いていた記憶が…。

ブログ開設されたらぜひまたお知らせくださいませ。
返信する
Unknown (Rose)
2021-04-21 19:50:13
初めまして。
現在キャンディの物語にどっぷりハマっているRoseと申します。少し前よりブログ主さまの「FSあの人考察」を読み始め、その考察を踏まえて漫画やファイナルストーリーを読み返し、また自分なりの考察を深めております。近いうちに私の想いなどをコメントしようと思いながら、昨日もじっくりと読ませていただいておりましたら、、
な、なんとブログ主さまの4年ぶりのブログ更新ではありませんか!!思わず興奮してしまいました。

少女時代にハマった漫画が大人になってこんなにも心揺さぶられる作品だったとは、、
いや、単なる少女漫画ではない事はその当時から分かってはいたのですが、、
こんなにも文学的要素があったなんて。。

私の温め続けた思いはさておき、、

今回のメソッドの変更に気付かれたヒロ様、そして読み解き考察して下さったブログ主さま、本当に素晴らしいです!!
こんなに深い意味を持たせていたなんて。。
どこまで感慨深い作品なんだとため息がでます。

この場面、とても印象的でよく覚えていました。キャンディが暗唱を発表する場面よりも、、
ルイゼがキャンディの暗唱を「ワタスハ生キッペ、ワタスハ死ヌッペ」みたいに田舎者の言い方だったと負け惜しみを言うシーン。
そんなクスリと笑ってしまう漫画の1ページにまさかのストーリーテリングがあったとは。。
いつかまた会える。でも生きていたって会えない人もいる。が漫画のストーリーであり、どうしようもできない思いにキャンディや読者(大人になって漫画を読んだ私)まで疲れ切ってしまいました。

ファイナルストーリーではこのソネットが書き換えられ、生きていればまた巡り会える。もう別れを怖れない。と想起させているのですね。本当に緻密で、どこまでも考えさせられる物語ですね。

私自身の考察はとっても薄っぺらいモノですが、ブログ主さまからの考察を紡ぐ事で確たるものになっております。
いつも、なるほどぉ!!の連続です。

ブログ主さまの考察ブログに出会ったのはここ最近です。きっかけや私のキャンディキャンディ愛について、またどこかの章でコメントさせていただきたい!!と思っております。二次小説「水仙の咲く頃」も読みました。素敵な物語でした。ここでは書き足りないのでまた感想をコメントしてみたいと思います。

余談ですが、
先日、薔薇を買ってみました。
沢山買って飾ってみました。
アンソニーの薔薇を妄想しながら、、
キャンディの世界を楽しみながら、、

が、、!!。飼っているネコさんがどこに飾ってもガジガジ噛んでしまい(´༎ຶོρ༎ຶོ`)
結局トイレというそれを飾るのに最も相応しくない場所に何十本もの薔薇を飾る事に。。
リアルすぎて草です。

でもひとりで妄想するのには持ってこいの場所ですけどね。笑笑

ブログ主さまのメッセージ通り、
妄想の香りを楽しみながら(トイレの薔薇ではなく(^^;;)5月を迎えたいと思います。
返信する
Rose様 (ブログ主)
2021-04-22 18:05:43
初めまして!コメントありがとうございます。
あの当時のアニメは手塚治虫に始まり名作劇場やルパン三世の宮崎駿や高畑勲をはじめ製作者が一流で贅沢だったことを大人になって知りましたが、キャンディキャンディもそれら名作と引けを取らないストーリーテリングだったのは、原作者さんの功績が大きかったのを、こちらも大人になって初めて知ることができました。深く掘ればもっといろいろな要素が散りばめられているかもしれないですね。

ルイゼの負け惜しみ!転校してきたばかりのアニーの横でキャンディを馬鹿にするシーン、印象的でしたねー。

おトイレのバラ…トイレがバラにふさわしくないなどということはないですよ。なんと言ってもアンソニーがくれたスウィートキャンディをキャンディが飾っていたのは馬小屋ですからね。Rose様の家のトイレは、今は馬小屋という妄想でいかがでしょうか

Rose様の考察もぜひお聞かせくださいね。
返信する
Unknown (Rose)
2021-04-22 22:15:00
ブログ主さま
こんな早々に返信ありがとうございます!
とても嬉しい限りです(≧∇≦*)
トイレのバラ問題。解決してくださりありがとうございます(=^^=)
思いもよらないコメントにRoseはウキウキしています!!
馬小屋設定、最高です♡馬小屋のアンソニーのスウィートキャンディ。。これで妄想の薔薇の香りもしっかり味わえそうです(✿˘艸˘✿)

ブログ主さまの言う通り、振り返れば昭和のあの頃のアニメは贅沢な作品が多いですね。その手塚治虫氏の『ブラックジャック』今でも手元にあります。でもキャンディキャンディはやはり少女漫画のくくりだったからでしょうか。。
私はあんなに大好きだったのに、大人になって処分してしまいました(*꒦ິ⌓꒦ີ)後に高価な買い物をする事も知らずに。。

Roseは現在キャンディの世界にどっぷりハマっており、主さまのブログを拝見し更にキャンディキャンディ愛を深めております。

私はキャンディキャンディを愛してやまない少女時代を過ごし、漫画やイラスト、オモチャ等を集めまくっておりました。再放送もビデオに撮り、何度も見返しセリフを覚えたり。。かなりのマニアだったと思うのです。そしていつの間にかおもちゃやイラストを手放して、大人になった20代の頃、唯一手元に残っていた漫画本を読み返して衝撃を受けました。あれ?こんな大人の物語だったっけ?と。そしてそこから20年。私自身もリアルな世界で出会いや別れを経験をし、充分な大人(歳も中身も外見も)になりました。そしてここ最近、懐かしい物語を無性に読みたくなり、、しかし前述の通り処分してしまっており、とても後悔しつつ、、高級なキャンディキャンディを入手して読みました。。言うまでもなく、号泣につぐ号泣。。こ、こんな事ってーー!
20代に読んだ時よりもっと深く深く考えさせられ、そして、、私はテリィだけが絶対的なキャンディの熱愛の相手だと思い込んでいたのですが、こうして随分と大人になり、忘れていたシーンを再度読み直すと、、あれ?この物語はアルバートさんに着地する様に最初から仕向けられていたの??父性愛の大きな愛のようで、その愛がいつの間にかキャンディの心を解していくような展開に、私は驚きました。遅れましたが私はテリィが大好きです。今で言う、推しです。テリィしか勝たん!と思っていたのに。。アルバートさんは単なる慰め役だとずっと思っていたのに。。
でも大人になった私はテリィと別れた後のアルバートさんとのやりとりが、なんだか親密に思えてきて。。よくよくみてみるとアルバートさんもとてもカッコよくて(ビジュアルが)非の打ち所のないやさしさで、ニールに騙されたキャンディにおまじないのキスをおでこにするのです。何!?よくわからないけど、、アルバートさんてそんな人でしたっけ??
とてもショックでした。テリィしか勝たん!だったのに。。私が歳をとったせいかアルバートさんの優しさにめまいがしました。
物語は最初からアルバートさんに着地するようになっていたんですね。
アルバートさんがカッコ良く見えた事も、アルバートさんに着地した事を読み取ってしまった事もとてもショックでした。
テリィ。。子どもの頃から愛情不足で人に優しくなれなかった人がキャンディに出会って成長し、人を愛する事を知ったのに、、本当の愛を貫けないなんて。。
ヒドいーー!ひどすぎる!!
そこから毎日、一日中切ない気持ちになってしまい。大袈裟ですが。何故かそうなってしまい。。
続きー!続きはないのかーー!!
誰かに助けて貰いたい気持ちになり、そしてネットで検索。
ファイナルストーリーがある事を知りました。と言うか、、忘れていました(−_−;)
昔本屋で手に取って少し立ち読みした事を。

そしてまた高級な買い物をして、なんとか手に入れ一気読み。。

沢山の思い出をひとつひとつ収集してキャンディが最後にあの人の胸に飛び込む。。
えっ!いや、これって考察が必要なのー!?
いや。でもまずあの人はテリィで間違いない。いや、そうであってほしい。 

でも、もう自分で考察する余力もなく。。
より一層誰かに助けて貰いたくなり、、
そしてたどり着いたこちらのブログ。
ブログ主さまの考察は素晴らしいです。
こんなに深く読み解けるものなのだと、
この物語の奥深さをより感じました。
そして私のモヤモヤを一つずつとき解いてくれました。おかげで私のささやかな考察に彩りと確信を持たせてくれました。私は文系ではなかったので、こんなに物語について読み解いた経験がなく、興味もありませんでした。でも、ブログ主さんやみなさんとのコメントのやり取りを拝見させていただき、キャンディの枠を超えて文学って楽しそう!学生の時に気づいてたらなぁーって思わせてくれました。
私もこうやってカッコよく考察してみたいなぁ、と憧れます(≧∀≦)
あの人はテリィ!アルバートさんではない!
ハッキリと確信できました!!

どんどんハマっていった私は、これまた最近、ブッキングオフから出ている
「小説キャンディキャンディ」を入手しました。ブログ主さまは読まれましたでしょうか。小説は3部構成になっておりFSと同じようにストーリー展開していき第三部でキャンディからの手紙が綴られており、これもFSと同じです。FSの後書きで名木田先生が『全面的に書き直そうとうと決心しました。』と書いてある通り、書き直されています。大事なところが。
エレノアベーカーから送られたハムレットのチケット。小説ではエレノアベーカーに送り返してしまっているのです。

そして、FSではアルバートさんの手紙にプッペをアフリカに残してきた。と書いてありますが小説では漫画と同じく一緒に帰って来ていて、キャンディへの手紙のやりとりの中で『アードレー家の人間として、じゅうぶんりっぱに役目をはたせるようになったとき、ぼくはもっと自由になるだろうね。そうしたら、また旅に出る。プッペを連れて。そのとき、キャンディもついてくるかい?   ーアルバート』とその手紙を締めくくっているのです。
それに対し、キャンディも『もちろん、つれていってくださいね!アルバートさんが旅に出るとき。(いやだといっても、わたし、ついていっちゃうから!)』と返信しています。
そしてそして。
FSでは登場しなかったキャンディからスザナへの出さなかった手紙が小説にはあり、『どうか、どうか、私の分もテリィを愛し、はげましてあげてください。テリィなら、きっといつか気づくと思います。そばで見つめるあなたのまなざしのやさしさにー。  わたしはもう過去の人になりました。 ー中略ー そして、信じています。いつか、わたしたちがおばあさんになったとき、きっと心からの笑顔で会える日がやってくるとー。』 

そんなバカな。。

スザナへの出さなかった手紙の次のページにテリィへの出さなかった手紙が綴られているのですが、内容はFSより詳細にテリィとの思い出の回想やハムレットのチケットを送り返してしまった事などが書かれています。そして、『テリィ、スザナをたいせつにしてあげてね。』
と書かれています。FSでのテリィへの出せなかった手紙には「スザナを大切にしてあげて」などキャンディは書いていませんよね。
最後の一文はどちらも同じく『力いっぱい拍手するわたしがいることを忘れないでー P・S テリィ…好きでした。』と綴られています。
もう胸がはち切れそうです(´°̥̥ω°̥̥`)

キャンディの物語にどっぷりハマりすぎて、色々検証しすぎていて、もしかしたらFSと小説の違いを間違えているかもしれないです。
なにせ、ザザーーっとしか読めない人なので(><)

ブログ主さまもお読みになっているかも、しれませんし、ヒロ様のコメントにも小説の事が少し書いてありましたし、他でもコメントされているかもしれないのですが、、
お読みになっていたら、どのように感じたのかお聞きしたいと思いコメントしてみました。

小説版でハムレットのチケットを送り返したキャンディ。スザナへの手紙に
私は過去の人になりました。
と書いたキャンディ。

強がっていて本当のキャンディではないみたいです。無理矢理な気持ちに私には感じてしまうのです。ファイナルストーリーで名木田氏はキャンディに近況を聞いていた。と書かれています。

ファイナルストーリーでは一転ハムレットのチケットを宝物として大切にしているキャンディ。

キャンディは心の奥の、そこに秘め続けた本当の気持ちを、時を経て名木田氏に打ち明ける事ができたのだと、私は思っています。

このところ、頭の中がキャンディとテリィでいっぱいで(;´Д`A
一度吐露したくなってしまいまして。。
長々とすみませんでした(>人<;)
返信する
言葉足らずで (ブルーベル)
2021-04-23 15:57:09
お返事ありがとうございます♪
言葉足らずでスミマセン・・。
3番~5番の過去・現在・未来はキャンディが唱えた時点での、という事です。
なので、ブログ主様と概ね同じ解釈です(^^)
ファイナルストーリの以前の小説では、3編の古詩が宿題に出るのです。(3編の番号は示されていません)
なので、名木田氏はファイナルストーリ―執筆にあたり「とにかく3編」が頭の片隅に残っていたのかもしれません。
私もROSEさん同様、8番が好きだったので、「え~変更しなくても・・7,8,9でいいじゃん」とも思ったのですが、3,4,5の方が内容的にバランスが良かったのか、キャンディの状態と符合させたかったのかもしれませんね。

ブルーベル、学院の森に咲いていますね♪
さすがよくご存じです。
イギリスの花と言うだけでなく、花言葉の「変わらぬ心」は名木田氏が伏線として仕込んだキャンディとテリィの心だと勝手に捉えています。

当方の気が向いて、ブログを開設する機会がありましたら、ファイナルストーリ―や漫画、アニメの数々の(たぶん未発掘の)伏線をご紹介できることと思います。
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