鉄人 須藤 將のホームページ

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RX7物語その35

2009-08-24 07:02:10 | 車・バイク
∞IIバージョンでは、さらに走りのチューニングを目指した。

アクセルペダルの踏み込みに対するダイレクトな加速感を生み出す目的で、ターボチャージャーのブースと圧があがりにくい低速ゾーンでの瞬発力を確保するために、ファイナルギアレシオをより低速の4.300を採用することをパワトレーン開発が提案。
試乗会が開催されたが、ダイレクトな加速感にはもう一歩であった。発進時に、パワープラントがわずかにねじれ、一瞬遅れて駆動力がタイヤに伝わることにより、ダイレクトな加速感が阻害されていた。それを解決するために、エンジン及びミッションのマウントラバー硬度を上げ、パワープラントの剛性を確保して、ダイレクトな加速感実現した。

次に取り組んだのが、スポーツドライビングのフィーリング改善である。
スポーツカーの楽しみは、操ること。その楽しみを直接伝えてくれるのがステアリングホイールである。このステアリングホイールを通して伝わってくる手応え感、操舵感と保舵感である。それらは、速度感応式のパワーステアリングのチューニングでさらに高次元なものにできる。チューウニングで走行状態において少し重めのマニュアル・ステアリングの感覚がどんな速度でも変わらず伝わってくるものにした。さらに、操舵力と保舵力のバランスとつながりのスムーズさの実現である。これにはパワーステアリングの流量制御バルブのセッティングと精度の管理を厳密に行うことで実現した。
シフトフィーリングも重要である。手首の返しだけでカチカチと心地よくギアシフトできるようにシフトレバー本体に埋め込んであるラバーを少し硬めに変更、シフトロッドの遊びの管理を厳密にしてガタをなくし、支点部の動きを滑らかにするためにボールシートをウレタン製からナイロン製に変更した。

空力改善では、サイドデフレクターとアンダーカバーを採用した。
この他、∞IIバージョンにはMOMO製の3本ステアリング、ブーツ一体型チェンジブーツ、助手席フットレストを採用した。
∞IIバージョンは、1987年1月に市場導入された。

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