鉄人 須藤 將のホームページ

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RX7物語その2

2009-07-22 01:27:45 | 車・バイク
SA22C

経営陣の前に山本健一は呼ばれた。「えっ本当にやっていいのですね!本当にロータリーエンジン専用車を造らせてくれるのですね」と山本健一は叫んだ。
花岡常務は、山本健一を捕まえて、若い人たちに自由に発想させてほしい、できれば2年以内に発売したい。アメリカで$5000以下で販売したいと伝えた。

アメリカはニュージェネレーションであるベビーブーマーが台頭しつつあった。そのベビーブーマー層にムスタングやカマロなどのポニーカーが受けて大ヒットしていた。それらは、大衆車であるコンパクトカーをベースに開発されており、ベース車の価格の約1.5倍(コンパクトカーが約$3000で、ポニーカーが約$4500)で売られていた。また、ニュージェネレーションでは、ウーマンズレボリューションで働く女性層が、こうしたポニーカーの購買層としての地位を占めつつあった。そうした女性層はポニーカーよりも1サイズ小さい、キュートでセクシーなスポーツタイプのクルマを欲していた。

商品企画部がアメリカ市場におけるスポーツカーマーケットの調査を行った。商品企画部の島津は、「アメリカのスポーツカー市場ユーザーの半数以上は、女性ユーザーであり、彼女達の夢はポルシェを持つことである。ポルシェを超えるスポーツカーを安価に作れたら、大きな需要がある」と開発本部内に報告した。

丁度、内山がAM-1セールス出向から戻ってきた。入れ替わりに須藤がAM-2セールス出向で関東マツダに派遣された。翌年、須藤がAM-2セールス出向から帰るとRX-7の担当プランナー&プロモーター(開発推進者)になった。

内山が、ロータリーエンジン専用車のプロジェクトリーダーを再び務めることになった。
ロータリーエンジン専用車のニューコンセプトカー、そのプロジェクトはコードネームをX605と呼ばれた。
内山は、新しくチーム編成されたメンバーで、X020プログラム凍結以前にまとめ上げたコンセプトや基本レイアウト、主要訴求ポイントなどの見直しを行った。その結果、X605は、ほとんどX020プログラムの成果を活用できることが分かった。

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