鉄人 須藤 將のホームページ

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「水素ロータリーがル・マンを制覇する日」その72

2009-10-03 07:36:40 | 車・バイク
2号車もピットインさせてチェックしたところ1号車同様ネットにごみが付着していた。
22スティント目に入ったとき、2号車のトランスミッションが渋り始め、4速に入らなくなった。ピットインさせてチェックしたところベアリングが焼きつきぎみになっていた。
練習を兼ねて、トランスミッションの交換作業を行なった。
1号車のトランスミッションにも同様な傾向が出始めていた。ピットインさせてチェックしたら、インタークーラー同様、ミッションオイル・クーラーのネットにもごみが付着していた。
オイルクーラーネットを交換してピットアウトして走行するとトランスミッションのベアリングの温度が下がってきた。
23スティント目に入ったとき、1号車がミスファイアを起こした。
ピットインして、プラグを全部交換した。
2号車のトランスミッションの交換に約1時間を要した。
2号車もサーキット上に復帰した。
25スティントで、24時間を迎えた。
一応、完走したが、多くの課題を残した。
また、ドライバーから、エンジンに力強さが感じられないということで、シャーシダイナモで測定したところ、650 hpしか出ていなかった。
インタークーラーの冷却不足が原因であった。
由香里は、これらの課題を整理して大橋(真)とル・マン本番に対策する項目を検討した。
CVジョイントの熱害対策は急務で、ジョンニール・クロスノフと上月円夏は、リア・コンパートメントの改造に取り掛かった。CVジョイント回りを独立させ断熱材で囲えばよいのだが、そうするとメンテナンス時にその囲いを取り除く必要があり、時間を要することになる。
早速、メカニックのチーフである太田力に相談した。
太田の答えは明快であった。
「CVジョイントを交換しなければならない事態になれば、トップ争いからは脱落することになる。その場合のメンテナンス性よりも、そうならないような構造にすべきである」
CVジョイント回りを独立した断熱材で囲うことになり、太田の下で改造されることになった。
由香里は、24時間耐久テストで発生した問題を整理して、ル・マンまでに対策するスケジュウールを立て、実施を指示した。
5月に対策を施した車両が完成し、美祢テストコースで基本的なチェックを終了、完熟走行させて、ポールリカールへ発送された。

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