わてが丁稚の定吉だす。
今年のアカデミー外国語映画賞にノミネートされていた「戦場のアリア」を観て来ました。
戦場のちょっといい話、その小ネタの積み重ねだけで、骨子となるドラマが弱かったように思いましたが、でも現実にドラマティックな出来事が起きている最中の雰囲気ってこんな感じなんでしょうね。変な盛りあがりがない分、妙にリアルな感じがしました。
第1次世界大戦中の西部戦線、近代と現代の端境期だったのでしょう。兵士を(時に宗教を利用してまで)洗脳されたマシーンとしてしか扱わない現代戦がまだ机上のもので、前線では騎士道精神の残滓が感じられた時代。信仰もあり、また信仰を共にしなくても人としての慈しみをまた失わずにいた人たちに贈られた、ほんの一瞬の奇跡が実にシンプルに、かつ陳腐ではありながらも説得力を持って描かれていました。
にゃんこが普通の茶トラネコでリアルにかわいかった!
スコットランド兵とドイツ兵のファーストコンタクトで戸惑いながらも、最初に交歓するのがにゃんこ絡みの二人だったのが実に素敵です。とりあえず、にゃんこが一匹いると話題には困りませんしね。どっちの陣営からもご飯をもらってたんでしょうね。
エンドテロップの絵も最後はにゃんこだし、監督か誰か分からないけど、絶対に誰かがにゃんこ好きだと思います。
クリスマス休戦自体は過去にも映画化されていますし、テレビのトリビアの泉で日本の戦国時代にも織田信長とキリシタン大名との間でクリスマス休戦があった、なんやっていたのを思い出しました。ちょっと違ってクリスマスではありませんが平家物語などにおける那須与一のくだりも同じようなメンタリティだったのではないでしょうか?
TVドラマの「インディ・ジョーンズ 若き日の大冒険」はこの数年後が舞台です。シュバイツァー博士がこの戦争についてアフリカの酋長に聞かれます。何人死んだんだ?
1人か?2人か?それとも5人か?シュバイツァーは答えます。10を越える人が死んだ、と。酋長の答えは「それは大惨事だ」「なぜそうなる前に話し合いをしないんだ?」そのアフリカに現代が持ちこまれた結果が「キリング・フィールド」「ホテル・ルワンダ」に見られるような大虐殺だったりもするのですが。
「国」の大義のために無人の塹壕を砲撃しあうような近代戦は、この奇跡のクリスマスを最後に幕を降ろします。あのアリアが、戦争から人間性のカケラすら奪い去り、そのために奪われるあらゆる命へのレクイエムのようにも聞こえました。
今年のアカデミー外国語映画賞にノミネートされていた「戦場のアリア」を観て来ました。
戦場のちょっといい話、その小ネタの積み重ねだけで、骨子となるドラマが弱かったように思いましたが、でも現実にドラマティックな出来事が起きている最中の雰囲気ってこんな感じなんでしょうね。変な盛りあがりがない分、妙にリアルな感じがしました。
第1次世界大戦中の西部戦線、近代と現代の端境期だったのでしょう。兵士を(時に宗教を利用してまで)洗脳されたマシーンとしてしか扱わない現代戦がまだ机上のもので、前線では騎士道精神の残滓が感じられた時代。信仰もあり、また信仰を共にしなくても人としての慈しみをまた失わずにいた人たちに贈られた、ほんの一瞬の奇跡が実にシンプルに、かつ陳腐ではありながらも説得力を持って描かれていました。
にゃんこが普通の茶トラネコでリアルにかわいかった!
スコットランド兵とドイツ兵のファーストコンタクトで戸惑いながらも、最初に交歓するのがにゃんこ絡みの二人だったのが実に素敵です。とりあえず、にゃんこが一匹いると話題には困りませんしね。どっちの陣営からもご飯をもらってたんでしょうね。
エンドテロップの絵も最後はにゃんこだし、監督か誰か分からないけど、絶対に誰かがにゃんこ好きだと思います。
クリスマス休戦自体は過去にも映画化されていますし、テレビのトリビアの泉で日本の戦国時代にも織田信長とキリシタン大名との間でクリスマス休戦があった、なんやっていたのを思い出しました。ちょっと違ってクリスマスではありませんが平家物語などにおける那須与一のくだりも同じようなメンタリティだったのではないでしょうか?
TVドラマの「インディ・ジョーンズ 若き日の大冒険」はこの数年後が舞台です。シュバイツァー博士がこの戦争についてアフリカの酋長に聞かれます。何人死んだんだ?
1人か?2人か?それとも5人か?シュバイツァーは答えます。10を越える人が死んだ、と。酋長の答えは「それは大惨事だ」「なぜそうなる前に話し合いをしないんだ?」そのアフリカに現代が持ちこまれた結果が「キリング・フィールド」「ホテル・ルワンダ」に見られるような大虐殺だったりもするのですが。
「国」の大義のために無人の塹壕を砲撃しあうような近代戦は、この奇跡のクリスマスを最後に幕を降ろします。あのアリアが、戦争から人間性のカケラすら奪い去り、そのために奪われるあらゆる命へのレクイエムのようにも聞こえました。