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(07/06/01)

トンマッコルへようこそ

2006年10月29日 | 丁稚 定吉の映画日記
わてが丁稚の定吉だす。10月28日公開の「トンマッコルへようこそ」を見て来ました。
やっぱり韓国映画で朝鮮戦争モノは別格です。中途半端なものはないですよね。どんな形であれ、アイデンティティや魂といったものと向かい合った、どんな形であれ真摯に作られたものになります。
この作品は一見ファンタジー形式。笑顔をもたらすいろんなものが降って来る映画でした。ポップコーン、雨、雪、そして爆弾。
トンマッコルは桃源郷なのでしょうが、中高年以上と子供しかいないのが印象的でした。若者は桃源郷に住む資格がないって示唆と見るのはうがち過ぎ?
久石譲音楽はさほど印象には残りませんでしたし、猪の場面をはじめ選曲音響はガタガタでした。
とはいえ実写版のジブリの世界の具現化、あるいはラストサムライの韓国版ともいうようなローカルな伝統的世界だけどどっかずれている、という雰囲気で、そのまったりとした雰囲気がファンタジーというか癒し系というか、せめて映画館にいる2時間強くらいはそんな時間があってもいいんじゃないの?と思わせるものでした。
エンディングはありがちながら秀逸で、一瞬死語の天国の描写かと思わせる桃源郷での一番幸せな時間、その重ね映しかたが見事の一言。
朝鮮戦争を寓話化して、いわゆる太陽政策の匂いも漂うため、南北協力して鬼畜米英をやっつけよう!なんて受け取りかたをされかねませんが、それではス・ミスさんに失礼です。そもそもアメリカをやっつけるような戦いなんかしていませんし。
なぜ命を奪う爆弾が爆弾が降ってきて、ポップコーンが降ってきた時以上の笑顔でいたか?戦う目的が純粋で、かつその思いを誰に利用されているわけでもなく全うしたからこそ、ファンタジー形式とあいまって悲劇的な結末の中に爽やかさと光明が感じられたのだと思います。

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