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月の裏側

世界はキラキラおもちゃ箱・読者の広場。まずは規則をごらん下さい。

人狼

2017-06-23 06:12:33 | 動物図鑑


狼男ともいう。女性もいると言われるが、男の方が圧倒的に多い。

人倫を忘れ、獣性に自ら落ちたいと願うとき、人は狼男になるという。

四つ足で歩き、人を食う。女性を憎むが、性交をしようともせず、あらゆる暴虐をして、頭から破壊しようとする。

月の満ち欠けに反応して変化をするという。それは霊魂が自分に対する責任を放棄したという意味である。

罪びとの象徴である。








サソリ

2017-06-19 06:15:49 | 動物図鑑


ハサミと尾に毒針を持つクモ類の仲間。

だが、霊魂の段階は、クモほどに進んでおらず、一般の昆虫類に等しい。ゆえにその存在は神の隠喩を帯びる。

神話では、ヘラに遣わされ、その毒針で英雄オリオンを殺したという。オリオンは神の血をひき、非常に美しく、英雄行為も行ったが、鼻持ちならぬ傲慢な発言をしたので神の怒りを買ったのだ。

あまりに傲慢になり、世間を甘くみると、サソリのような小さなものに躓き、すべてが駄目になることはよくある。

傲慢への戒めの象徴である。







ミンク

2017-06-15 06:23:24 | 動物図鑑


毛皮用に飼育されている家畜。やわらかな毛並みを愛され、婦人用のコートなどに毛皮を使われるが、ミンクはそれを苦しんでいる。

主として女性の虚栄のために使われるからだ。

毛皮は体毛を失った人間にとっては魅力的なものだが、獣からそれを奪うのは、寒さから体温を守るときなど、必要な時だけにするべきである。
それなら獣もある程度許してくれる。

ファッションのために、獣の命を犠牲にするのはよいことではない。

毛皮をとられるものも、何も感じていないのではないのである。







ヘビ

2017-06-11 06:15:18 | 動物図鑑


手足がなく、ひものように細長い爬虫類。

ヘブライの神話に採用される前の、太古の時代には、森の神であった。攻撃性の鋭い霊魂である。毒をもつものもいる。

多くは獣の霊魂を持つが、個体によって、時に高い存在が宿っているものがいるので、気をつけたほうがよい。

そういう蛇を殺すと、本当に「たたり」があることがある。

それは自然界において、高い仕事をなしているのだ。

いずれ人間も、感性をしぼれば、彼らが何をしているのかがわかるようになる。

動物というものは、ただ生きているだけではない。それぞれが、神のなさる表現として、それそのものを生きることによって、大切な使命を果たしているのだ。







クモ

2017-06-07 06:14:14 | 動物図鑑


昆虫類や軟体類のほとんどの霊魂は、ほぼ「存在する」ということしかできないが、そこから「何かしたい」の「な」の字がかすかに出てくると、次の段階に進む。

そしてそのものに、邪まの気配がにおい始める。なぜなら、それは神に逆らうからだ。

そのとき、神はどよめきの声を上げる。いかにもそれは、自己存在が初めてあげる産声だからである。

そして何かに呼び出されたかのように、そのものの足が微妙に変化し始める。

それがクモあるいは、カマキリなどというものである。






うさぎ竜

2017-06-03 06:11:53 | 動物図鑑


自己存在の忍耐の象徴。

全身を白い毛皮で覆われ、うさぎのように長い耳をしている。背には翼がある。金色のたてがみがあり、首と尾は長い。目は赤いものと青いものがいる。

非情におとなしく、飛ぶことはできるが、生息地から出ることは滅多にない。

花を好み、思索を好む。非常に心優しい。

竜の一種であるので、火を吐くこともできるが、吐いたことはない。

忍耐は愛の陰である。忍耐がなければ何をなすこともできない。

うさぎ竜は、自分を裏切った人間の心が帰って来るのを待って、長い忍耐をしている。だが、その忍耐が忍耐の限界を超えると、風に溶けて消えてしまうという。

消滅の可能性がある唯一の存在である。






人面獣

2017-05-30 06:17:32 | 動物図鑑


女性を家畜化し、セックス専用の肉にしようとした男、あるいは女の落ちた姿。女性を馬鹿にするために、あらゆるむごいことをした。

顔は人間だが、首から下は四つ足の獣のようになり、毛皮に覆われているという。

人面犬もこの一種である。魔獣ともいう。

女を豚にしようとしたので、豚になったのだ。霊魂の進化度が、ウサギより落ちている。熊に馬鹿にされる。小鳥が逃げる。動物同然だが、動物ではないからだ。

人間ではないということをしたものは、人間ではないというものになるのである。

こういうものになったものは、もう永遠に人間に戻れないという。






ファーブニル

2017-05-26 06:15:23 | 動物図鑑


ゲルマン神話に出てくる竜の一種。貪欲な人間が化けたもの。

ファーブニルは父を殺してその黄金を奪い、兄弟と分け合うことも拒否して独り占めした。だがその黄金には、持つものは必ず不幸になるという呪いがかけられていた。

ファーブニルは竜に変身して黄金を抱え込んでいたが、ある日弟レギンにけしかけられた英雄シグルズによって倒された。ファーブニルは死んでいくとき、黄金は災いと不幸をもたらすだろうとシグルズに予言した。

シグルズはレギンが自分を殺して黄金を奪おうとしているのを察知し、レギンを殺して黄金をものにする。だがそれ以後、愛する女性に憎まれ、数々の運命に翻弄されたあげく、暗殺される。

竜などの怪物を倒す英雄の話は各地にあるが、シグルズの印象は暗い。なぜなら彼は、黄金を目的として竜を殺したからである。ヘラクレスのように試練に打ち勝つためでも、スサノヲのように困っている人を助けるためでもない。

人から宝や幸福を盗もうとするものは、どんなに強い者でも必ずその反動を浴び、不幸に陥るのである。

貪欲と窃盗の象徴である。






シーラカンス

2017-05-22 06:13:16 | 動物図鑑


古生代から生存しているという古代魚。生きた化石と言われる。

現代に生き残るが、その姿は原始の奇怪さを残している。

魚類であるがゆえに、食の対象となるが、食べないほうがよい。

その霊魂は古代の霊魂ではないが、神の秘密を隠している。深入りはしないほうがよい。あまり研究もしないほうがよい。

人間の好奇心は、美質のうちに入るが、この世界には、入ってはならない禁域があることを認識し、それを制御しなければならない。

神は、あまりにもお優しい存在であるが同時に、恐れなければならない存在である。







2017-05-18 06:13:10 | 動物図鑑


人間の見る悪夢を食べてくれるという幻獣。

鼻は象のようで、目は犀、尾は牛、足は虎のようだという。

人間は眠るとき、心が開かれる。その霊的領域に、他の存在が入り込むスキができる。そのスキに、よくないものが入るとき、人は悪夢を見るのである。

その人間の精神に暗いものを吹き込み、運命を苦い方向に導こうとするものがいるのである。

いやな夢を見た時、それを気にしないようにしようとしても、気になるものだ。物事が悪い方向に行くような気がして、本当にそうなる運命だと思い込み、自分で悪い方向に行ってしまうこともあるのである。

そういう人間の馬鹿さ加減を見て、影で笑っている見えないものがいる。獏というものは、そういう嫌な影を食うてくれるものだと思えばよい。

悪い夢を見たときは、積極的にこのイメージを利用し、食べてもらい、きれいに消してしまうことだ。

そうすれば、人生を夢に馬鹿にされることはない。