転生の宴

アヴァロンの鍵対戦会「一番槍選手権」を主催するNishiのブログ。最近はDIVAとDBACのプレイが多めです。

COJショートショート:イーリスの物語

2014-12-24 00:33:06 | 創作物(M・o・Aちゃん他)
昨日は高田馬場まで出る案もあったのですが、
出るのが遅すぎたので新宿止まりという結果に。
西口でCOJを軽くプレイという感じでした。

そんな訳で唐突ですがショートショートの新作です。
今回は少し趣向を変え、
とあるカードのバックストーリを想像する形となっております。
ともあれお楽しみ下さい。

・過去作品
クエスト・フォー・ザ・ムーン その1
クエスト・フォー・ザ・ムーン その2
クエスト・フォー・ザ・ムーン その3
クエスト・フォー・ザ・ムーン その4
クエスト・フォー・ザ・ムーン その5
クエスト・フォー・ザ・ムーン その6
クエスト・フォー・ザ・ムーン その7(エピローグ)

ロボトミー・ソルジャー その1
ロボトミー・ソルジャー その2
ロボトミー・ソルジャー その3
ロボトミー・ソルジャー その4(完結編)


メリー・クリスマス・フロム・アルカナ その1
メリー・クリスマス・フロム・アルカナ その2(完結編)

切札戦士 ジョーカー13(ワン・スリー) 第14話

バトルトーナメント:あなたが決める禁止カード その1
バトルトーナメント:あなたが決める禁止カード その2

エージェント・イン・スイムスーツ(1話完結)




<<<イーリスの物語>>>

作:Nissa(;-;)IKU

空の彼方に浮かぶ「精霊の国」――そこには「イーリス」という名前の男の子が、沢山の姉たちと一緒に暮らしていました。



(画像©SEGA)

イーリスとても美しかったので、姉たちはよく彼に女の子用のドレスを着せ、女の子としての立ち居振る舞いの手ほどきを与えていました。イーリスも上手に立ちまわる度に姉たちが褒めてくれるので、それはそれで楽しい日々を過ごしていました。

ある日、イーリスの住む屋敷に手紙が届きました。それは精霊の国の王様からのもので、内容は今度開かれる舞踏会への招待状でした。

舞踏会には王子も参加するということで、姉たちはとてもわくわくした気持ちになりました。もしかしたら王子に見初められ、妃として迎えられるかも知れないからです。

そして舞踏会のその日、イーリスの家族は揃ってお城へと向かいました。勿論イーリスもドレスを身にまとい、女の子として参加していました。

会場である広間に、王子が現れました。銀色の髪と紫色の瞳が印象的で、何と美しい若者なのだろう――王子の姿を見て、誰もがそう思いました。

音楽隊が演奏を始め、人々はお互いの手を取り合って踊りはじめました。王子が踊りの輪に加わると、広間には拍手と歓声がこだまのように鳴り響きました。

王子は一人ひとりと手を取り合って踊っていました。勿論イーリスにも王子と踊る機会が与えられました。二人の目があった瞬間、イーリスはその不思議な雰囲気に引き込まれそうな気持ちになりました。そしてそれは、王子にとっても同じことでした。

――

次の日、王子は馬車を走らせ、とある屋敷へと向かいました。行き先はイーリスの住む屋敷です。

イーリスと、その家族は誰もが驚きました。そして更に驚くべきことは、王子がイーリスを王宮に迎えようということでした。舞踏会においてその美しさにひと目で引きこまれたというのです。

とはいえイーリスは男の子です。男の子を「嫁入り」させるのは流石に無理があると感じた家族は、王子の申し出を丁重に断るしかありませんでした。

仕方なく屋敷から去ろうとした王子の前に、天使の伝令が姿を現しました。地上で魔物たちが暴れており、人間たちが苦しんでいるので助けて欲しいというのです。

王子は直ちに、魔物たちと戦う兵士たちを募るお触れを出しました。これを受けて国内から多くの精霊たちが集まりました。イーリスも看護兵として地上へと向かうことになりました。

――

地上では多くの魔物たちが暴れていました、人間たちも必死で戦っていますが、その数の多さと圧倒的な魔力で苦戦を強いられています。

そこに天上から精霊たちが次々と降り立ちました。彼らを率いるのは勿論王子です。援軍の到来を受けて、人間たちは歓声を上げました。

王子は先頭に立ち、勇敢に戦いました。しかし魔物たちは倒されても倒されても、次々と数を増やして迫り来るのです。

遂に王子は魔物たちの攻撃を受け、倒れてしまいます。それを見たイーリスは王子を救うべく駆けつけました。そして手当てをすべく上着を脱がそうとしたところで、イーリスは息を呑みました。

何と、王子は女の子だったのです。

――

王様は男の子に跡を継がせたいと思っていましたが、妃との間に生まれたのは女の子でした。二人は悩んだ結果、その子を男の子として育てることにしたのでした。

王子がイーリスに心を奪われたのも、それが男の子と気づいたからでした。女の子として振る舞うことを教えこまれてきた姿に、自分を重ねあわせていたのです。

これを聞いて、イーリスも何故王子の姿に引き込まれそうになったのかに気づきました。そして自分のことを今まで打ち明けられなかったことを詫びました。王子は涙を流しながらイーリスをいたわりました。

お互いが分かり合ったことでイーリスは迷いを断ち切り、手当てを行いました。そのお陰で、王子は再び立ち上がることが出来たのでした。

王子とイーリスは力を合わせ、魔物たちと戦いを続けました。二人の活躍を見て、精霊たちも、そして人間たちも立ち上がりました。そして遂に魔物たちを操る親玉を倒すことに成功したのでした。

これによって魔物たちは地底へと戻っていき、地上には再び平和が訪れました。戦いを終えた精霊たちは、精霊の国へと帰っていきました。

――

精霊の国に無事戻ってきた2人を、国中の精霊たちが歓迎しました。2人がお互いを認め合い、一つになって戦ったことに、王様も、イーリスの家族たちも心打たれました。

こうして2人は国中からの歓迎とともに結ばれ、やがて国を平和に治めるようになりました。そして末永く幸せに暮らしたということです。

<<<イーリスの物語 おわり>>>

◎あとがき

11月の「COJ生」で《イーリス》を見た時の第1印象は「実は『男の娘』なのでは」でした。
髪型や服装、そして声質が所謂「声変わり前の少年」ぽく聞こえたというのが理由です。

実際にはイラストやフレーバーテキストなどで「少女」であることが明かされている訳ですが、
よく見ると服装もそこまで露出度が高くなく、
「実は胸パッドを入れされられていてやっぱり『男の娘』なのでは」という妄想が働き、
ちょっと童話っぽく仕上げてみたのがこの作品となります。
「とりかへばや物語」的な要素も入っているかも知れません。

COJのカードデザインはメカニズムやゲームバランスが優先されすぎて、
カードごとのストーリーが感じられないというのが残念なところです。
とはいえ公式が何も語っていなくてもユーザーがストーリーを想像することまでは禁止されていないので、
この機会に皆様もカードをテーマにしたストーリーを書いてみるのも良いかも知れません。

(追記:王子の外見が何処かで見た感じだという人はいるかも知れません。
これについてはまた機会があれば話す機会があることでしょう。)

――

◎宣伝

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