真夏に
シレネ ピンクパンサーが
鮮やかなピンクの花を
たわわに咲かせていたプランター。
霜が降る直前には
たくさんの芽が出ていたから
いちおう(父が)デッキに入れておいたら
2月に入って
ひとつ、ふたつと咲きはじめた。
目覚めのピンク
つぼみが
ひとつ目覚めるたびに
春へと近づく
花たちのリレー。
春へと近づく
花たちのリレー。
ここでも、あそこでも。
ツリーハウスのそばの草むら。
こぼれ種の黄色い花が
ホシノヒトミと一緒に咲いている。
見つけると
蜜を吸いたくなるホトケノザ。
まるで刷り込み。
大人になってもつい手が伸びる。
台座のような葉っぱから
そっと花を引き抜いて
すっと吸う。
ほんのり甘い蜜が
子どもの頃の
あたたかな記憶をつれてくる。
ムスカリの
やさしい青むらさき。
ホトケノザの透きとおるピンクや
タネツケバナの白。
ピンクや青や、黄色。
ひかりが踊る陽だまりに
あふれる彩り。
春をめざして
花たちのリレーはもう
はじまっている。
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