裏山から。
もっときれいな紅葉も撮ったけれど
どういうわけか、
この寂れた感じに惹かれます。
スマホ写真なんですけど、
わたしのシンプルデジカメよりいい気がする
初夏に、
空中に浮遊する小さなオアシスは
涼を呼んで夏を楽しむ、風情溢れる江戸の技。
夏の間ずっと
美しい葉を風に揺らし、
美しい風鈴の音を響かせて
爽やかに
暮らしに寄り添っていた釣りしのぶ。
秋になって
テラスにそのまま吊るされているのに
その存在を忘れかけていた。
シノブにも風鈴にも
気を留めなくなっていました。
それが昨日なぜか突然、
秋の風鈴の音色に
胸を突かれてはっと振り向いたら
きれいに紅葉したシノブが
風に揺れ、陽に透けて金色に輝いていたのです。
羽状の葉っぱが風を透かし
光を透かして
やさしい金色に、残像を残しながら揺れている。
とても美しく、
風や光との調和があまりに完璧で、
言葉を忘れて
見入ってしまいました。
山を彩る紅葉も美しいけれど、
こんなに小さな宇宙に秋が満ちている。
その「調和」はどうしたって、写真には写せない。
自然には神さまがいるけれど
写真にはいない。
そんな感じ。
そもそも、
前もそうだったけれど、
テラスだと外の風景と同化してしまって
うまく写せなかったので
室内に連れてきて撮ってみた写真だから尚更です。
うまく写せなかったので
室内に連れてきて撮ってみた写真だから尚更です。
とはいえ、
よかったら初夏の写真と比べてください。
同じ釣りしのぶ。
雰囲気の違いが日本人の心の豊かさを思わせます。
清々しい緑で
夏に涼を感じさせるだけでなく、
紅葉して
優しく美しい秋の風情を感じさせてくれる
釣りしのぶ。
なんて健気なんだろう。
シノブの葉っぱが枯れたら
父の温室の天井に引っかけて冬越しです。
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