私を知る

自覚を中心に悟りのヒントを書いています。自覚とは「私」に意識を向け、一切は「私」の考えであることを自覚していくことです。

滅尽定と入滅とその関連(1)

2024年02月10日 11時11分30秒 | エッセイ
◇滅尽定と入滅とその関連(1)◇


首記のテーマについて、思い付くことを書いてみたいと思います。

死んだとき、できればもう終わりにしたい、これ以上はやりたくないという想いがありまして、入滅という現象の有無や可否について興味があります。
これ以上はもうどうすることもできないので、後はなるようになっていくだけなのはわかっているのですが、やっぱり興味があります。

ちなみに、ここで問題としているのは、死んだときに、そこで存在が終わって一切が消えるのか、それとも存在の展開が続いていくのかということです。
予め書いておきますと、結論は残念な程ハッキリしていて、いくら考えても死んだときにどうなるかは決してわからないのです。
どんなに悟っていても、またどんな能力を持っていても、死んだときにどうなるかは決して誰にもわからない。
知ったようにいろいろ言う人がいたり、それらしいことを書いた文献があったりもするようですが、そんなものは当てになりません。
ここでは、それを承知しながら、書いてみたいと思います。

私は、悟りに伴った意識の変化の様子と、滅尽定という現象が少し手掛かりになるかも知れないと考えています。
滅尽定とは、禅定の最深度であり、意識の展開が完全に停止した状態のことです。
涅槃と言ったりもします。

人が握り締めた囚われと悟りには相関があります。
囚われが減ると、自ずと悟りの行程に入り、囚われの減少に伴って悟りも進んでいきます。
また、囚われの量と意識の活動の様子にも相関があります。
囚われが多い程、それに関連した思考も多くなり、意識の活動も活発になります。

多くの方々は多数の囚われを握り締めており、しかもそれらの囚われがジャングルジムのように複雑に絡み合い、起こってきた現象に対して、絡み合った多数の囚われが複雑に反応を起こし、数えきれない程の思考を生じさせます。
意識の状態も活発で、忙しく常に思考を発生させているような状態です。
それが、二元の囚われが落ちる小悟階層に入る程度まで囚われが減ってくると、現象に反応する囚われが大きく減りますから、思考も急激に減っていき、意識の状態も落ち着いてきます。

すると、思考の発生が減ることにより、意識の活動に隙間が発生するようになります。
あるいは、意識の活動に発生する隙間に気づくようになる。
この隙間とは、本当に何もない完全な無であり、滅尽定の一種です。
この意識の活動の隙間である滅尽定は、0.1秒未満の非常に短いものから、おそらく軽く1分を超えるような長いものまであり、種々の長さで生じます。

私はこの滅尽定に着目しており、解脱者が死んだとき、滅尽定の状態になり、それがずーっと続く可能性があるのではないかと考えています。


あと、別の角度からもう少し書きたいと考えているのですが、どうもまとまりそうにないので、今回はここで一旦終わりとします。
できれば、囚われと種(業)の関連について書きたいと思っています。


◇「私」に意識を向ける自覚についてのご紹介は、例えばこの文章をお読みください(「自覚を始められる方へ」)。
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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (つよし)
2024-02-11 09:39:15
慧空さん
滅尽定は普段もわずかながら起こってるものなのですね。瞑想の末に行き着く場所かと思いあまり意識していませんでしたが、自覚をしている私を自覚した際の一瞬隙間があるような気がします。
気のせいかもしれないのでもう少し観ていこうと思います。
返信する
つよしさんへ (慧空)
2024-02-11 11:15:32
そうなんです。
滅尽定は、悟りの行程にない人も含めて、普段から起こっているものなのです。

>自覚をしている私を自覚した際の一瞬隙間があるような気がします

おそらく、それは隙間です。
返信する
Unknown (つよし)
2024-02-11 14:00:54
慧空さんへ
ありがとうございます。
隙間ということは、それは滅尽定であるということですよね。
さっき意識してみましたが、本当に0.1秒程度の僅かな隙間がありました。
今まで認識や現象ばかりに囚われていて気づいてなかったです笑
ちょっと面白くなってきました。
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