工房日誌

マジック関連のお話等が中心のつもりです。更新は週1回程度の予定です。

変わったこと

2007-02-18 16:10:32 | マジック、手品
なんとなく、ここ二ヶ月ほどマジックを少しやる機会があったのです。

忘年会新年会だから、飲み会の席です。

それなりにこなしてきたと思います。

そこでやってみてひとつ思ったのは、シチュエーションが変わり、やり方も変わってきたなあ、ということ。

以前までのマジックは、大学のサークルなどかなりショーとして決まったシチュエーション。相手も身構えていますし、退場までずっとマジシャンに集中しています。

次に多かった機会は大道芸ですが、こちらは一瞬で相手をひきつけなくてはならない、飽きさせてはならない、というのを除けば、まあまあ上と同じ感じです。見に来てくれているのですから。

今回は、飲み会の席。

みんな、余興程度にしか思ってません。いろんな意味で注意力が散漫です。

そして特徴的だと思ったのが、マジックの終わりがわかりにくいこと。
サッカートリックとか、そういうのじゃないのです。
ちょっといい言葉が思いつかないのですが。ひとつマジックして、次のマジックはやってもいいし、やらなくてもいい。だから次は何をやるのか、と身構えてみることをしない。オフビートがかかりやすいのです。

最近、不完全ながら客の気配のようなものを読めるようになった身としては、このシチュエーションはかなりやりたい放題でした。

なんと言うか、マジシャンズクラブから離れて、「マジシャン」と呼ばれる自分に抵抗感がなくなり、それをネタにできる心の余裕ができてきて、違う技術が見に付いている気がします。

昔、ある人に言われました。

「お前は変わったなー、初めて会ったときはそんな演技する奴じゃなかったぞ。」と

大学一年。マジック初めて半年、目の前の人は雲の上の存在。そんなシチュエーションとくらべらられるのもどうかとは思いますが。
確かに後輩の人の演技とかを見ていると、そしてマジックのビデオで自分の過去の演技の黒歴史とか見てると、わかるものがあるのです。自分は変わった、と。
堅苦しかったり、テレがあって弾けきらなかったり、教科書を読むような説明チックな台詞しかいえなかったり……。
そんな状態から、かなり変わってきたと思います。

残念ながら、マジックをやっている自分もまた、素の自分ではなく、マジシャンを演じる自分、に近いのですが。
最近、その境界があいまいになってきている気がします。……たぶん、悪いことでは無いでしょう。


最近、マジックやって、といわれて、じゃあ、と言ってトランプ出すことに抵抗感がなくなりました。
「何で持ってるんだよ」という当たり前の突っ込みが前は恥ずかしかったものですが、今なら笑いながら答えられます。

「だってマジシャンだし。」

私がマジシャンを名乗るおこがましさはおいておくとして、これ以上の理由があるでしょうか。
本好きの人が文庫本をカバンに持ち歩くことがあるように、野球好きの人がグローブ持ってたりするように、サッカーのサポーターがレプリカユニフォームを持っているように、マジシャンがカードくらい持ってなくてなんだというのですか。

いや、そこまでは言いませんが、トランプを持っていることを恥ずかしがる必要もなければ後ろめたく思う必要も無い。マジックをやるために必要で持っているのだから、現に今使っているでしょ。それくらいの開き直りができるようになって、少し私の幅は広がったと思います。

おお、つらつら書いたら長くなった。

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