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米国のハイパーインフレーション

2009年04月08日 09時42分14秒 | 世界恐慌
いくらドル札刷っても足りない米金融危機 

2008/10/5 「田村秀男の経済がわかれば、世界が分かる」より



米国はこの9月一ヶ月だけで、もう一年分以上のドル札を増刷したことをご存知だろうか。

いくら供給しても「まだ足りない、助けて、振り込んで」という電話が米連邦準備制度理事会(FRB)にはひっきりなしにかかってくる。振り込め詐欺のことではない。

米国ばかりではない。英国、アイルランド、フランス、ドイツ、ルクセンブルグなど欧州からもかかってくる。日本でもその恐れが強い。そこで、米欧日の中央銀行が協調して、ドル資金を流す取り決めもした。
なぜ国際的に市場ではドル資金不足が続くのか。金融商品バブルが崩壊したためで、歴史的には前代未聞である。

それは金融のグローバル化によりドル建ての金融商品が世界に出回っている。それらの金融商品の多くがサブプライム関連の証券化商品で、その値打ちが下がっている。金融機関の資産は大きく目減りする一方、清算してドルの現金に替えなければならないが、手元にドルがない。金融商品を叩き売れば、同種の金融商品を中心に投げ売りが連鎖してしまう。欧州では特にそれがひどい。とりあえずは、資金が金融機関の手元にふんだんにあり、融通し合えるという通常の姿に近づけるしかない。
いくら国際協調してもドル札はFRBでなければ刷れないから、FRBへのドル資金需要は高まるばかりだ。皮肉なことに

ドル資金は不足しているのだから、ドルが今のところ暴落するはずはない。ドルは見かけ上、まだ強い。FRBは金融機関から米国債を買い上げては刷ったドルを供給するのだから、米国債相場は堅調なのだが、それは台風の目の中にいるようなものだ。サブプライム危機がおきた昨年8月以降ことし6月までのドル資金供給で生み出された余剰ドルは原油・穀物先物市場になだれ込んだ。輸入国は高騰したドル建ての原油、穀物をドルで払わなければならないので、ドル需要が高まり、ドル相場は強含んだ。

垂れ流され続ける通貨の価値をだれが信じようか。

それもまた、歴史的には超インフレ、通貨暴落というあまたの事例がある。

FRBのデータをみると、ドル資金追加供給量はすさまじい。10月1日時点でのFRBの融資などによる資金供給残高は1兆5331億2800万ドルで、住宅公社、リーマン危機の始まる前の8月28日時点の9437億2500万ドルに比べて、 5894億ドル、64%増。前年同期比で5271億ドル増だから、この一ヶ月余りで一年分をはるかに上回るドル資金を刷っては市場に流したことになる。
では、この資金はきちんと市場で回り、金融不安を和らげているか、というと疑問符が付く。
ここにもう一つのFRBデータがある。9月24日時点で、FRBが市中銀行に貸した資金のうち4分の1強は市場で使われず、FRBでの市中銀行の口座に戻っているのだ。資金は消えたわけではないのだが、ドル資金不足に悩む金融機関に回らない。理由ははっきりしている。
金融機関がすっかり疑心暗鬼になってしまい、いくらFRBからドル資金が提供されても、焦げ付きを恐れておいそれと他の金融機関に融通しないからだ。
結局、根本問題は腐った資産を抱えた金融機関の財務にあるわけだ。そこで、ブッシュ政権は7000億ドルに上る財政資金を使って不良金融資産を買い上げることにしたが、大統領選挙と同時の議会(下院は全員、上院は3分の1)総選挙を控え、「ウォール街の強欲どもを救済するなんて」という有権者の声に押されて議員たちが浮き足立っている。
この救済法案(「金融安定化法案」)が成立しても、さらに難題が待ちかまえている。というのは米政府自体巨額の財政赤字を抱えている。赤字国債を発行して資金を調達するしかないが、一体だれがその国債を引き受けるのか。
ここでもFRBが最終的に買い上げればよいと簡単に言っても、FRBはいい加減、経営不安にある証券会社など金融機関に救済融資している。さらに市場経由とは言え国債を引き受けたら、中央銀行としての信頼が揺らぐのは必至だ。
最後の貸し手を助ける究極の「最後の貸し手」が必要になる。それはだれか。黒字国の日本か、というと、かつてと違い郵貯も民営化が進み、政府の意向でおしそれと米国債投資というわけにいかない。民間の銀行や生保も下落するドルの資産に投資するわけにいかない。

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FRBは異常なほどドルを刷っているらしく、ここ数か月で過去200年刷った量を越えてしまったとのことである。今の世の中は大海原に浮かんだ遭難ゴムボートの中で飲料水が尽きたため、自分のオシッコに海水を多少混ぜて量をふくらませて飲んでいるみたいなものである。

いつか、必ず米国は破綻する。破たんしたときに、属国日本に住む経営者は、どういう生き残り対応ができるのか、ということを日頃から考える必要がある。

相談者も、ただ、単に現況の経営難が苦しくて相談を受けるのであろうが、とりあえずの解決だけを考えていては、たとえ経営が一時的に良くなったとしても、さらに起こりえるであろう外的ショック・ディープインパクトに耐えられないであろう。

では来る経済大津波に具体的にどうすればよいのか、と言われても、我々自身の考え方は持っているが、それが正しいのか、誤っているのか、実際にその時にならなければ分からない。だから、それは人には勧められないが、経営者たるもの、己の直感と論理的思考力を信じ、常に10年先、20年先を見通しての準備は個人個人で考えるべきである。事業再生の中にもノアの方舟ではないが、各自の創意工夫の舟を考えていくべきである。

その場限りの資金繰りだけを考えていては、籠の中の回転車で駆けるハツカネズミと同じだ。

とにかく、大津波は必ずやってくるし、今はその恐れを隠すために世の中は必死に踏ん張っているのである。

                    




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