以下、朝日新聞夕刊より転載。
ペットトラブル、悩む被災地
避難所に専用スペースも 熊本地震
2016年5月10日16時30分
熊本県などでの一連の地震では、ペットが飼い主を癒やす一方で、
トラブルの原因になる例が相次いでいる。周囲に遠慮して、
車中で過ごす飼い主もいる。避難生活が長期化する中、
ペット同伴専用スペースを設けるといった試みも出ている。
熊本市の拠点避難所の一つ、約150人が身を寄せる市総合体育館では、
エントランス付近が段ボールで仕切られ、
「ペット同伴専用スペース」になっている。
15世帯ほどが犬や猫と一緒に過ごす。
梶川陽子さん(64)は、猫の「きなこ」を連れて避難した。
4月14日の前震以来、自宅近くの高校などに避難してきたが、
周囲に気をつかってきた。「ここはある程度、
他の避難者と距離があるので良い。きなこも表情が落ち着いてきた」
益城(ましき)町は10日、避難所の町総合体育館の敷地内に、
ペット専用のプレハブ3棟の搬入を始めた。
高齢者や仕事で出かける人のため、有志にペットの世話も任せる。
現在は町内で唯一、この体育館だけペットを同伴でき、
館内に犬や猫計約30匹、館外にも
NPOが管理するテントにペットがいるが、
避難者らからの要望もあり、ペット専用棟を置くことを決めた。
トイプードルとともに館内に避難する女性(65)は
「気軽に預けられる施設ができれば、
ようやく安心して買い物に行ける」と期待する。
地震発生後、熊本市内のある避難所では、犬を連れていた男性が
別の避難者に顔を殴られるトラブルもあり、この避難所では
居住スペースへのペット同伴が禁止されたという。
熊本市中央区の「竜之介動物病院」は、
入居するビルをペットと飼い主の避難所として提供している。
ピーク時には200人以上の飼い主とペットたちが身を寄せた。
市内で猫カフェ「かごにゃん」を運営する西嶋智史さん(31)も、
中央区の1店舗を「臨時災害シェルター」にして
50匹余りを無料で預かる。
「本来は行政が専用の避難所を設けるべきだ」と指摘する。
■マニュアル策定、他自治体で動き
大災害を想定し、ペット連れ避難マニュアルの
策定を進める自治体もある。
東京都新宿区は2004年にマニュアルを作り、
ペット同伴の避難所設営訓練を続けている。
新潟市では04年の中越地震でペット同伴の被災者が車中泊を続け、
エコノミークラス症候群で死亡した。
その教訓から、避難所で屋内外に
ペット専用スペースを設ける計画を作った。
熊本県も3月に災害時のペット避難の指針を完成させた。
「ペットの臭い、鳴き声などが避難者のストレスとなる」とし、
飼い主名簿の作成やペット専用スペースの設置、
餌やりや衛生の管理分担を明確にすることを盛り込み、
4月中に市町村へ配布予定だった。
県の担当者は「あと1~2年早くできていれば、
もっと効果的に対応できた」と話す。
(田中志乃、森本大貴、箱谷真司)
転載以上。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
全国に先駆けて殺処分ゼロを達成した熊本市では、官民協働で
ペット連れの被災者の支援を行っています。
仮設住宅に関しても、ペット可の棟を建てる予定。
市で取り組んでいた「迷子札装着運動」が、迷子のペット返還
に役立っているとのことです。
避難に関しては、「同行避難」と「同伴避難」の解釈の
混同があるようです。
ペットトラブル、悩む被災地
避難所に専用スペースも 熊本地震
2016年5月10日16時30分
熊本県などでの一連の地震では、ペットが飼い主を癒やす一方で、
トラブルの原因になる例が相次いでいる。周囲に遠慮して、
車中で過ごす飼い主もいる。避難生活が長期化する中、
ペット同伴専用スペースを設けるといった試みも出ている。
熊本市の拠点避難所の一つ、約150人が身を寄せる市総合体育館では、
エントランス付近が段ボールで仕切られ、
「ペット同伴専用スペース」になっている。
15世帯ほどが犬や猫と一緒に過ごす。
梶川陽子さん(64)は、猫の「きなこ」を連れて避難した。
4月14日の前震以来、自宅近くの高校などに避難してきたが、
周囲に気をつかってきた。「ここはある程度、
他の避難者と距離があるので良い。きなこも表情が落ち着いてきた」
益城(ましき)町は10日、避難所の町総合体育館の敷地内に、
ペット専用のプレハブ3棟の搬入を始めた。
高齢者や仕事で出かける人のため、有志にペットの世話も任せる。
現在は町内で唯一、この体育館だけペットを同伴でき、
館内に犬や猫計約30匹、館外にも
NPOが管理するテントにペットがいるが、
避難者らからの要望もあり、ペット専用棟を置くことを決めた。
トイプードルとともに館内に避難する女性(65)は
「気軽に預けられる施設ができれば、
ようやく安心して買い物に行ける」と期待する。
地震発生後、熊本市内のある避難所では、犬を連れていた男性が
別の避難者に顔を殴られるトラブルもあり、この避難所では
居住スペースへのペット同伴が禁止されたという。
熊本市中央区の「竜之介動物病院」は、
入居するビルをペットと飼い主の避難所として提供している。
ピーク時には200人以上の飼い主とペットたちが身を寄せた。
市内で猫カフェ「かごにゃん」を運営する西嶋智史さん(31)も、
中央区の1店舗を「臨時災害シェルター」にして
50匹余りを無料で預かる。
「本来は行政が専用の避難所を設けるべきだ」と指摘する。
■マニュアル策定、他自治体で動き
大災害を想定し、ペット連れ避難マニュアルの
策定を進める自治体もある。
東京都新宿区は2004年にマニュアルを作り、
ペット同伴の避難所設営訓練を続けている。
新潟市では04年の中越地震でペット同伴の被災者が車中泊を続け、
エコノミークラス症候群で死亡した。
その教訓から、避難所で屋内外に
ペット専用スペースを設ける計画を作った。
熊本県も3月に災害時のペット避難の指針を完成させた。
「ペットの臭い、鳴き声などが避難者のストレスとなる」とし、
飼い主名簿の作成やペット専用スペースの設置、
餌やりや衛生の管理分担を明確にすることを盛り込み、
4月中に市町村へ配布予定だった。
県の担当者は「あと1~2年早くできていれば、
もっと効果的に対応できた」と話す。
(田中志乃、森本大貴、箱谷真司)
転載以上。
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全国に先駆けて殺処分ゼロを達成した熊本市では、官民協働で
ペット連れの被災者の支援を行っています。
仮設住宅に関しても、ペット可の棟を建てる予定。
市で取り組んでいた「迷子札装着運動」が、迷子のペット返還
に役立っているとのことです。
避難に関しては、「同行避難」と「同伴避難」の解釈の
混同があるようです。