1-1でドロー。
上位クラブとの直接対決、勝って差を縮める絶好の機会でしたが。
予想外の超ロングシュートで首尾よく先制。その後も粘りの守備で持ちこたえていましたが。
その奮闘も実らずゴールを許してしまい、ドロー決着。
後半は特に守勢一辺倒になってしまったことから、逆転負けの可能性も多々あったなかで、そうさせなかった、と見ることも出来なくはないですが。
コロナの影響でベストの布陣を敷くことが出来なかったなか、勝てなかったながらも負けなかったことで勝ち点1を得た、という見方もできますが。
それでも・・・やはり、勝ちたかったし、勝たねばならなかったと思います。
勝ち点2を失ったのか、それとも0となったかもしれなかったところ、1ながらも積み重ねられたのか。
判断の難しい結果となった試合であったかと。
選手33人中11人ものコロナ陽性者が出てしまい、あるいは開催中止も危惧された今節。
それでも保健所からの中止勧告には至らず、予定通りの開催となりました。
とはいえ・・・やはり。影響というものは、確かにありました。
わかりやすいところで言えば、通常であればスタメン11人とリザーブ7人の計18人がメンバー登録されるところ、1人少ない17人しか登録されませんでした。
アウェイ戦で経費削減などで少なくする、というケースも無くはないですが、ホーム戦で少ないなどとは、普通ではないな、と。
それでも。
同じようにコロナ陽性者の隔離措置を伴う編成を余儀なくされたJ1の川崎などは、ベンチメンバーが5人、しかもそのうち3人がGKという、普通にはあり得ない事態に陥ってしまっていたとか。それに比べたら、各ポジションにも無理のない編成が出来ていただけ、カターレにとってはマシだったのだな、と。
開催中止からの順延というリスクを負うには至らず、最低限無理のないメンバー編成が可能、そして翌週はリーグ戦がお休み、と・・・災難に見舞われながらも、不幸中の幸いとでも言うか、とにもかくにも一応の体裁は整えて試合に臨むことは出来たのでした。
いつも通りでないメンバー編成のなか、スタメンにおいていちばんいつも通りでなかったのは、今シーズンここまでずっと途中出場だった大野が起用されたことでしょう。吉平と2トップを組み、前線の起点に。
チームトップスコアラーである大野には、やはり相手も警戒を振り向けざるを得ず。
試合序盤、その大野が効くかたちで、狙い通りの攻めのかたちを作っていたカターレ。
そんななか、11分という早い段階で先制点を挙げることに成功。
ただ、それは思いもよらない意外なかたちでした。
メインスタンド側のライン際、センターラインから数メートルのカターレ陣内で得たFKの場面で、キッカーは林堂。
フィールド中央、相手ゴール方向へと大きく蹴り出したボールは、きれいな弧を描き・・・そのまま、ゴールイン。
「え・・・?」
一瞬、なにが起こったのかわかりませんでした。
同じようにロングボールを蹴って、味方選手につながることなくラインを超えてしまって「おいおい、ちゃんとコントロールして蹴ってくれよ。それじゃあボールクリアと変わらないだろうがよ」というシチュエーションならば、普通にあるけれど。
クリアじゃなくて、入って・・・えぇ??
実に60メートル近くはあろうかという超ロングシュートが決まり、思いもよらないかたちで先制したのでした。
この試合の前、県総合体育センターにておこなわれた地元のハンドボールクラブであるアランマーレの試合を観に行っていましたが。
その試合のなか、相手の2分間退場という数的優位の状況を活かすかたちで、GKがおよそ35メートルくらいはあろうかという距離をロングスロー、見事にゴールを決めてみせる、というシチュエーションがありました。
キックとスロー、ゴールそのものの大きさなど、単純に比較したものでもないでしょうが、それでも・・・いや、むしろ、だからこそというか。
一見、似たような得点に見えなくもないけれど、冷静に考えたら、実戦の最中にあの距離のキックから決まるなんてことが、実際にあり得ることなのか?と混乱してしまうような。
とにもかくにも。
リーグトップクラスの得点力のみならず、リーグトップクラスの守備力をも有するいわきに対し、いかにして先制するかが課題であったなかで。
想定外のゴールによって、先制に成功。このところ先制点を奪われる試合が続いていたなか、4試合ぶりにリードを保った状態で試合を折り返すことになったのでした。
・・・結論から言えば。
前半のうちに、あるいは後半開始早々にも追加点を挙げて突き放すことが出来ていれば、同じ結果にはならなかったでしょう。その強さを発揮できなかったことが、勝てなかった最大の要因であったかと。
前節が開催中止で1週ぶんのブランクがあったいわき。カターレが前節対戦したYS横浜も同じく1週空いたなかでの対戦となりましたが、あのときはYS横浜側のホームゲームでした。
いわきにとって、ほとんどの選手が初めてとなる富山県総合運動公園陸上競技場でのアウェイ戦。地の利というものは、確かにカターレ側にあったはず。
ただ、それを活かしきれなかった。
せっかく、相手にとって事故とも言えるようなショッキングな失点の仕方で先制したというのに、そこからさらに追い込むことができなかった。
その結果、なにが起こったか?
後半は、ほぼいわきのワンサイドゲーム。防戦一辺倒となってしまったカターレ。
攻勢を強めつつ、さらにフレッシュな選手を投入して活性化を図るいわき。
一方のカターレは、まったく動かず。リザーブメンバーも、入る気配がない。
いや待てよ、ここはいつもだったら高橋あたりを投入して、攻撃意識の引き締めを図るところだろ?
ふと、気づく。
そうだ、高橋はいないんだっけ。いつも通りのメンバー編成じゃないんだっけ。
それにしたところで・・・マテウスとルイスのふたりがいるんだし、反攻へのきっかけを作らなければならないんじゃないの?
そうこう言っているうちにも、再三にわたって攻撃を受け続けるカターレ。
ポストに救われたりとか、肝を冷やす場面も。
しかし、動かない。
下手にメンバーを変えて集中力が切れることを嫌っての続行、ということもあったのでしょうが・・・それでも、疲れている選手を起用し続けるリスクというものも、やはりあるわけで。
忘れてならないのが、いわきがリーグ屈指の攻撃力を有するチームであること。
得意の(?)ウノゼロ勝ちを狙うにしても、守備一辺倒ではキツイ。攻撃は最大の防御という言葉もあります。その意味でも、攻撃カードを切るべきでは?
攻撃カードとして、自分のやるべきことをしっかりとわきまえつつ備えていたのは、いわきの選手のほうでした。
86分に交代出場した有田 稜に、それからわずか1分後に同点ゴールを決められてしまい。ウノゼロ逃げ切り勝ちプランがフイに。
そのすぐ後にマテウスとルイスが同時投入されたものの、今更感も。
前節の終了間際の劇的逆転ゴールのこともあり、最後まであきらめることこそなかったものの・・・再現とはならず。
勝ち越しゴールを奪われなかったことは良しとせねばならなかったけれども・・・勝たねばならない試合を落とすかたちでの、ドロー。
結局、いわき戦はホームとアウェイ2戦ともに引き分けに終わったのでした。
いつも通りでない編成で、それでも頑張って最低限の勝ち点1を得た、という見方もあるでしょうが。
どちらかといえば、勝利への執念を見せられないままにドローに持ち込まれてしまった、そんな負けにも等しい後味の悪さというものを感じてしまいます。
いくらなんでも、防戦一辺倒過ぎただろう、と。追加点を挙げて試合を決してやる!という気概を、見せられなかったということ。
もちろん、難敵相手に上手くいくばかりではないのは確か。逆転負けも十分にあり得たなかで、そうはさせなかったことは、良しとせねばならないところでしょうけれど。
他会場では、コロナの影響でベストメンバーとならなかったことが響いて、ということもあってでしょう、松本が八戸に不覚をとり、0-1で敗れて連勝ストップとなりました。
そうした事例を踏まえたならば、コロナの影響を色濃く受けつつも、最低限の結果を残したことは、難敵相手に勝てなかったまでも引き離されなかったということは、成果として認めるべきなのかもしれません。
それでも・・・モヤモヤした気持ちは、残ります。
試合を優勢に進めるためにも、追加点を奪わねばならない―――これまでも幾度も感じてきたところのカターレの課題ですが、今節もまた、克服できずじまい。
厳しいことを言えば、メンバーが安定しなかったとしても、それでも勝たねばならないのが優勝を目指すクラブ。
逆転負けしなくて良かったと、両手放しでは喜べません。
不幸中の幸いか、次週は1週ぶん休みとなり、次は14日のアウェイ長野戦。それまでには離脱者も復帰することが出来るでしょうし、今節ほどの選択肢の乏しさもなくなると思います。
だからこそ。
せっかくの猶予期間を、無駄にすることなくしっかりと活かすためにも。
止まってしまった連勝を、また始めていくためにも。
そして・・・今節の勝ち点1を無駄にしないためにも。
課題克服の期間を、有効に過ごさねばなりません。
上位追撃に向けて、待ったなし。
真摯に取り組んでいかねば。