京都が好き 写真が大好き by たにんこ

長く写真をやってると 
聞こえないものまで 
聞こえてくるんだな

光と影~東寺で生きていた猫たち カリカリのおじちゃんと缶詰のおばちゃん

2022年08月16日 19時19分25秒 | Weblog

おれは普通にスナップを撮り続けた。
朝一番に開門と同時に来たり 日がな一日居たりと。
同居していたおんちゃんも 写真を撮りに来ていた。
門をくぐって御影堂に一礼し 食堂の前を通り過ぎ 講堂と金堂に居る
大ボスに「おはよっ!」と挨拶し 鎮守八幡宮を斜めに見 東寺八島殿(八島社)に入る。
おれの拠点は 此処になった。
此処だと人目にもつかず 人もあまり来ないし ニャンコ達が集まるのが分かったからだ。
それは撮影開始から 一年後だった。
2006'のある日…
八島社に胡坐をかいて座って居ると 二人の年配の夫婦らしき人が来た。
おじさんはニャンコのカリカリを出し 器に入れてる。
おばさんは缶詰を切り 器に入れて与えだしてる。
驚いた事に 何処から集まって来たのか 大勢のニャンコ達が来てる。
おじさんは後ろを向いたまま「あんた 毎日来てるね」と言う。
人が少ないから…誰もおれなんか見る人は居ないだろう…そう思ってた。
「うん ほぼ毎日来てるね」と言った。
「こっちに来て見てみな」 と言うので見た。
チビッ子達が必死に食べてる。
周りを囲むように 大人のニャンコ達は それを見ているんだ。
おじさんは言う「子供が先に食べ 大人達は残り物を食べるんだ」
見ていると チビッ子達が食べ終わるや否や 大人達がわっと集まり食べる。
おれは理解出来た。
涙が出てきた。
おじさんは そんなおれを見ながらこう言った。
「約束しないか?あんたは写真を撮る。私達はご飯をあげている。
あんたは猫達に 何が有っても絶対ご飯をあげるな。
その代わりおれ達が猫達の情報を教えるから」
おれはニャンコ達がご飯を食べている姿を見ながら 
泣きながら「ありがとうございます」と言い 一礼した。
おじさんは「猫達のこういう姿を見て おれの話を聞いて泣く…
あんたは人間だ」と言われた。
だから決心したんだ。
東寺で懸命に生きてる ニャンコ達の生き様を撮ろうって。
猫達にご飯をあげている人達が 6人居ると言う。
此処に居るおじさんとおばさんは 夫婦じゃなかったんだ

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