2月8日の夜はまるで同窓会のように
昔懐かしい顔ぶれが集まった
ボーカリストの中西保志が
「都志見隆を歌う夕べ」と題して
これまで僕が中西に書いた作品をまとめて
ひとつのライブにしてくれた夜
アルバムの中の曲や
中西がライブで唄うのは初めてという楽曲もあり
自分自身もとても客観的に
そして楽しみながら2時間のライブを堪能した
当時の担当ディレクター マネージャー
メーカーの宣伝
そして作詞の夏目純さん ら
おおよそ30年ぶりの全員集合

開場前のLa donna 原宿 2025.2.8
他に類を見ない独自のトーンは
その夜も天上へ突き抜ける
万人が加齢とともに衰えてゆくであろう声帯も
ますます昔より太く高く
そして艶っぽく会場に響きわたる
その声質は未だ錆びない
強力な武器だ
中西の歌声を聴きながら
つくづくヒット曲というのは
誰が唄ってもいい作品だったからではなく
その人が唄ったから なのだと
再確認した
そんなボーカリストに出会えた作家は
幸運である
ライブでは
ラメ入りのタキシードがよく似合っていた
70歳になってもタキシードを着て
あのギリギリの感じで唄っていてくれたら
どんなに格好がいいだろう
ヒット曲のその先に何が待っているか
行ってみたくなったと彼が言った
それを体現するかのように
その先の可能性を大いに秘めた
力強い歌声に
こちとら
燻りかけていた作家魂が
今にも発火しそうだぜ