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アメノチハレ

都志見隆の果てしない日々の日常

その先へ

2025-02-10 | 音楽♪

2月8日の夜はまるで同窓会のように
昔懐かしい顔ぶれが集まった

ボーカリストの中西保志が
「都志見隆を歌う夕べ」と題して
これまで僕が中西に書いた作品をまとめて
ひとつのライブにしてくれた夜

アルバムの中の曲や 
中西がライブで唄うのは初めてという楽曲もあり

自分自身もとても客観的に
そして楽しみながら2時間のライブを堪能した

当時の担当ディレクター マネージャー
メーカーの宣伝
そして作詞の夏目純さん ら
おおよそ30年ぶりの全員集合


開場前のLa donna 原宿 2025.2.8

他に類を見ない独自のトーンは
その夜も天上へ突き抜ける

万人が加齢とともに衰えてゆくであろう声帯も
ますます昔より太く高く
そして艶っぽく会場に響きわたる

その声質は未だ錆びない
強力な武器だ

中西の歌声を聴きながら
つくづくヒット曲というのは
誰が唄ってもいい作品だったからではなく 
その人が唄ったから なのだと
再確認した

そんなボーカリストに出会えた作家は
幸運である

ライブでは
ラメ入りのタキシードがよく似合っていた

70歳になってもタキシードを着て
あのギリギリの感じで唄っていてくれたら
どんなに格好がいいだろう

ヒット曲のその先に何が待っているか
行ってみたくなったと彼が言った

それを体現するかのように
その先の可能性を大いに秘めた
力強い歌声に

こちとら
燻りかけていた作家魂が
今にも発火しそうだぜ





編曲家 新川博さんを偲ぶ

2025-02-03 | 音楽♪

2025年

年が明けての
友人たちとの定例の飲み会で
編曲家の新川博さんが
1月8日に他界されていた事を知る

69歳 虚血性心不全

朝起きて30分後に倒れてという事だった

1988年
岸本加世子さん主演のドラマ
「27才.OL気分」の主題歌として発売された
川島みきさんの作品

「シンデレラたちの憂鬱」

作詞は麻生圭子さん 
そして編曲が新川博さん

この曲で初めて新川さんと出会った


シンデレラたちの憂鬱 by 川島みき 1988

当時僕は30歳

時期的にはちょうど
ロスへの武者修行計画の前あたり

当時はレコーディングのため
海外へも頻繁に出かけられてたので
L .Aのスタジオのことやレコーディングのこと
色んな情報を教えてもらった

新川さん自身もそしてそのサウンドも
西海岸の香りがする

僕のような歌謡メロも
こうすれば洋楽的は聴こえ方になるんだなんて
当時は彼のオケから色々と学んだ

ギターの使い方が斬新でセンスが良く
このシンデレラたちの憂鬱という作品も
おかげでとても都会的に仕上がった

今思えば
新川さんに出会って
僕は本格的にLAでの計画を
具体化できたと思う

その後

中森明菜や中嶋美智代ら
かつての女性アイドル系から
少年隊 田原俊彦 中村雅俊 
などでご一緒した

改めて振り返ってみれば
8ビート系でご一緒している作品が
多い事に気づく


セピアン.ローゼス 君がいたHoly Night
1993 EMI Music Japan Inc



そしておそらく近年最後にご一緒したのが
中西保志の 「another rain」と記憶している



2011年
中西のカバーアルバム「メロディーズ」の中に
オリジナルの新曲として収録された作品で
彼のヒット曲「最後の雨」のアンサーソング

この編曲もそしてギターの音もすごく好き

イントロとキメだけ抑えて
あとの歌のバックは
少し物足りないくらいのほうがいい

歌のスペースを開け
配置された楽器それぞれが
出しゃばらず弾きすぎず

編曲で難しいのは
そんな引き算だ

だから飽きずに長く聴ける

作品を振り返りながら
なんだかあっという間の出来事で
訃報を聞いてもまだピンと来ない

そんなものですよね

またひとり

僕の人生の何度目かの起点において
道標になっていただいた方が
この世を去った

ポルシェが似合ってた人だった

新川さん

安らかに



「Another Rain」 by Yasushi Nakanishi 2011






enjoy!

2025-02-02 | 音楽♪

何だか仕事として定義づけてる
「音楽」ですが

最近 自分の気持ちというのか
感覚というのか
そんなことが昔とは違う風に変化してるなあ
と思う

例えばラジオから流れてくる
耳に引っかかった作品を聴きながら
これどうやってんだろとか

そんな作業を好きでやっているというよりも
ほとんどそれが職業意識としての行動なゆえ
心底音楽を楽しめてたかと言えば
そうでは無かったと思う

誰かのコンサートへ行っても
他の作家はどんな曲書いてんだろとか
歌詞がつまんないとか
まあそんな論評紛いな耳で
ずっと聴いてたりしてた時もあった

ゴルフや釣りや飲み会や
バイクや旅行や車の掃除や植木の剪定や
色んなことはとても楽しんでやっているのに
音楽だけ特別な職業意識からか
一番楽しめてなかったかも知れないなあ
なんて思うわけさ

そりゃまあ昔から
好きなことを職業にするということは
ある意味そういう事なんだけどね


at Manhattan Newyork City 1979

最近だが ライブに行けば
一曲一曲を噛み締めながら聴き
リズムに身体が揺れ その歌詞に
目頭が熱くなるような瞬間がとても増えた

そんな自分に自分が驚く時がある

いいなあ 凄いなあなんて思いながら
音楽が聴けるようになったとでも言えば
わかりやすいのか

ジジイになったなと言われれば
きっとそうかも知れないし 
むしろ願ったりだ

音楽は
それを聴き奏で歌うことの喜びの名称なんだと
改めて感じてる

流行りもの そうではないもの
そこに隔たりを作っているのは
作り手の我々かも知れないし

そんなジャンルの壁など
もう必要のない時代になったせいもある

職業作家の時代も終わり
自分にできる事 できない事
やりたいけどできない事などが
明確になってきたからこそ

自分に正直に 潔く諦めて
楽になる

それならいっそ楽しもうぜと
気づかぬどこかでそんな縛りから
知らず知らずに解放されたのかも知れんですな

enjoy!

今は

そんな 感じです




春よこい

2025-01-22 | 音楽♪
先日の1月20日から2月2日は大寒

この季節の最も寒い時期とされる期間だが
今年はダウンコートにもほとんど袖を通さず
手首 足首 含めた首まわり を
温めればそんなに厚着をせずとも
過ごせるくらいに暖かい

そういえば その後LAの山火事はどうなったんだろう

日本を騒がせているのは
右を向いても左を見ても
芸能スキャンダルばかりで
いささか食傷気味

昨年のスペインの水害や 先日の台湾での地震や
詳しく報道されないだけで
世界各国 多くの災害に見舞われている

日本でも南海トラフに関する話題や番組も
多く目にするようになったが

人間がどんなに頑張ったって
AIがすごい計算をしたって

自然界の喜怒哀楽を
こちらから予知したり
操作することなんてできないのだから
もうその時はなるようにしかならないのだろう

色んな事を想定し 
それに備え準備することは大切なことだと思うが
日々元気に有意義に過ごせる時間を
増やす方に尽力を注ぎたい



というわけで

今年の初ライブ

中西が
僕の歌をたくさん唄っていただけるそうで
とても嬉しいです

新しい時代に 新しい歌も
書きたいと思います




酒のつまみに

2025-01-20 | 音楽♪

最近はまた音楽をよく聴くようになった

そんな周期がある

聴き心地のいい歌は世の中に溢れているけど
その中でも秀逸な楽曲に出会ったりすると
なんとか自分の身体の中にインプットしたくなる

最近は音楽に限らず
時代感のない流行とでも言うのか
大きな流行りの傾向みたいなのもを
感じない

時代感と言えば
ちょっと話は逸れて

それにしても昨今
サイズ感を無視した
太すぎるズボンと布団のようなコートを着てる
そんな女性も割と目につく

色の無いと言えば語弊があるかも知れないが
グレーや茶色の地味な色合いで
地味なキャップを被って
おっさんの普段着のような格好をした
若い女の子 多くないか

いくら流行と言ったって
お世辞にも似合ってないし
なんて話していたら

今どき スリムなジーパンを履いてるのは
昭和のおじさんだけだとちょっぴりディスられる

着たい洋服は自由に選べる時代でも
やっぱり細いジーンズに
先のとんがったブーツは
時代感丸出しの昭和なのか..


九つ井 二子玉川

さて 

時代感と言えば
音楽も大きな流行りのうねりというよりも
何を聴いたって不思議に古さは感じなくなった

昔の作品も同じプレイリストの中に
違和感なく肩を並べる

昭和を知っている世代は
そんな時代に流行った音楽を懐かしむが
今の若い世代にとっては
そういったフィルターを通さずに音楽を聴いてくれる

作家としての立ち位置やキャリア的にも
僕がロックを書けば歌謡ロックと言われ
極上のポップバラードも歌謡バラードなんて
今でも言われる事が多いが

むしろあの良き時代の香りやテイストを
うまくブレンドして書いていることを
一つの特徴として発注を頂く

ところで

最近提出した作品を聴いて
そのプロデューサーが
都志見さん なんだか声も出てるし
曲もイッてますねー なんて
褒めてくれた

幾つになっても 何曲書いても
そんなリアクションは
曲を書き終わった後の一番の
酒のつまみになる



新春大歌舞伎 大富豪同心

2025-01-14 | 音楽♪

歌舞伎といえば
なんだか退屈で
たぶん自分のこれからにも縁のないものだと
そう思っていたが

それはとことん大間違いだったと気づく

かねてからご招待をいただいていた
新春大歌舞伎 夜の部を観劇してきた

全三幕からなる構成で
その最終幕「大富豪同心」

大富豪同心といえば
2019年にNHK BSで放送された
BS時代劇 大富豪同心と同作の劇場版

歌手の竹島宏君が唄う「夢の振り子」という作品が
当時のドラマの主題歌として採用されたが
今回の新作歌舞伎では
劇場用に和楽器でリアレンジされ
主人公の登場 そしてフィナーレでの
キャスト全員で踊る様は
新春に相応しく
とても華やかで躍動感あるものだった


幸四郎、隼人が語る、歌舞伎座『大富豪同心』

曲の依頼を受けてまずはメロ先で書いた

デモができあがれば
松井五郎氏にメールで送って数日後
ラインで歌詞が届く

それをプリントし池尻大橋の仕事場のスタジオで
仮歌を入れ コーラスを入れ 編曲など整えてから
クライアント側に詞曲として提出する

作品作りの間にディレクターを挟まず
詞と曲とでやり取りを終える

ここ近年は99パーセントがそのやり方だ

詞が先か 曲を先にするかは
僕ら作家同士で決める

ドラマのタイアップなどはほぼ曲が先だが
その時点で詞曲が揃っていれば
作品の景色も見えやすい

そんなやり取りをしながら
この作品を作っていた時のことを
昨日のことのように思い出しながら
舞台を観終えた

26日が千秋楽

歌舞伎には一幕見席もあり
特定の幕だけ低価格で見れるらしい

映画を見に行く感覚で
歌舞伎だって楽しめる

「運命は夢の振り子
右も左も人生だって」🎵


是非!



2024  YAZAWA

2024-12-30 | 音楽♪

もしも自分がそう望んでも
長きに渡り唄っていける事など
誰もに与えられた権利ではない

老いとの戦いも
時代との戦いも
そして情熱さえも
時として衰える

一瞬輝けることはあれ
その種火を消さずに
ひたすら継続できる事
それはとてつもない偉業だ

中学時代 
もしもあのキャロルというバンドに出会わなかったら

それからベースギターを下ろし
スタンドマイク一本でソロになった
YAZAWAが2024の今年も
ステージ狭しとケツ振りながら
1万人の前で唄い収めた

去年の武道館よりも
明らかに声が出ている


E.YAZAWA 2024 "FiIGHT ON" at NIHON BUDOKAN 2024.12.12

途中のMCでは
YAZAWAの数々の作品を支えてきた
作詞家達について感謝の意を表しながらのトーク

山川啓介さん 西岡恭蔵さん ちあき哲也さん
大津あきらさん など
もう亡くなってしまったけど
自分にかけがえのない宝物を残してくれたと
感慨深く話していた



地下鉄の九段下駅から地上に上がると
今年も真っ白なスーツで粧し込んだ
おっさんヤザワが沢山いる

会社役員のようなスーツ姿のおっさん
チャイナドレスのおばはんもいる

みんな昔は若かったんだ

それぞれの胸にあるYAZAWAの歌と一緒に
長い時を経て歳をとってきたんだ

素敵だよな

そんなファン達に支えられて
ありがとー!来年も唄うよーっ!て
2時間のステージを終えた

終演後

昨年と同じ市ヶ谷近くの居酒屋へGO!

去年訪れた際に来年も絶対来るから顔覚えておいてと
お店の人達と写真を撮ったのだが
約束通り今年も店の引き戸をガラっと開けた途端
開口一番 覚えてますよー!と大将

嬉しいねえ〜


2023.12.15 武道館終演後 生産者直売食堂 九段南店

てな訳で 今年も無事にYAZAWAの生存確認

どころか 9つ先を走ってる75歳に
逆にまだまだパワーをもらったよ

いくら頑丈なYAZAWAだって
マイクを置く時はきっと来る

いつかその日が来る日まで

感謝の気持ちと共に
しっかり見届けたいと思う


Thank you Rockn Roll!


元気でやってます

2024-12-16 | 音楽♪

あっと言うまにもう師走 

12月になるとこんな書き出しで
始めることが恒例ですが

今年はちょっとブログもだいぶ間が空きました

そしてお陰様で元気でやってます

昨年の年末から今年にかけ
自宅リフォームのための2回の引っ越し
なんだかドタバタではじまり8月末にやっと完成
その後も細ごまとした手直し作業も含め
やっと新しい空間での生活に慣れ
気持ちにも余裕が出てきたところです

外部に借りている倉庫の整理などまだ残しつつも
ほぼ一年 今年は本当によく身体を動かしました


新歌舞伎座にて 2024.10.19

それにしてもプロの技術というのはどの世界でも
凄いものでいつも驚かされます

今回のリフォーム
内部解体から骨組みをやり直し
設備機材を搬入し内装
そして合わせて買っていたベッドやダイニングテーブルなどの
家具設置作業など
始まりから終わりまで見てきた僕にとっては
驚きの連続でした

知識のないがゆえの僕自身の取り越し苦労などは
どこえやら 
完成したリフォームは期待以上

改めて今回の住友林業チームには心より感謝です


話は変わって
今年は初めて歌舞伎座にて本格歌舞伎を堪能

ご招待を受け昼の部を

イヤフォンで説明を聞きながら観ると
ストーリーや台詞の意味などとても理解しやすく 
実は思っていた堅苦しさもなく
予想以上に楽しめたことに
自分でも驚く始末

はじめて釣船に乗って釣りをした時も
はじめて苗場に連れていてもらいスキーを覚えた時も

こんな面白いことをなんでもっと早く経験しなかったのかと
このはじめての歌舞伎も終演後 同じような思いを抱きました

そんな折

先日NHK音楽出版よりご連絡いただき
来年一月の初春大歌舞伎の夜の部最後の演目『大富豪童心』の中で
竹島宏に書いた「夢の振り子」という楽曲が
演奏されるということで
どんな形での生演奏になるのか
今から楽しみにしています

あれこれ そんなわけで やっと心も落ち着いてきたので
またできる限りのマメな更新を心がけたいと思います

今年もあと二週間ちょっと

時間を大事に 有意義に
そして 元気に来年に繋げたいと思います

皆さんもくれぐれもご自愛を


​歌舞伎辞典







愛だけがあればいい

2024-06-10 | 音楽♪

昨年9月の田原俊彦のコンサート
東京ドームシティーホールの楽屋にて

まさにキレッキレのキラッキラ!だった2時間半の後
まだまだあのステージの熱気をそのままに
全身から湯気が出ているかのようなトシちゃんが
いつもの白いバスローブで立っていた

来年 45周年なので 曲お願いします 

振り返れば 彼の10周年の時の「ごめんよ涙」から
20 30 そして40周年とそれらの作品に携わっている

そんな周年作品はもう決め事になっているのですか?
とよく聞かれもするが
もちろんそんなものは一切なく
いつも彼の方から 次よろしくという一言で
物事が動き始めると言っていい


愛だけがあればいい 2024.6.19 発売

今回初めてメーカーの担当ディレクターとの顔合わせ
そして 彼の今までのこと そしてこれからのこと

トシの曲は基本的にメロディーを先に作るので
ミディアムな感じにするか ダンスにするか
ロックにするか そしてバラードにするか

まずはそんな音楽の形と枠組みをどうするか
どんなタイプでいきましょうかということを
先に決めて書き始める

重ねて今回は船山基紀さん編曲ということで
作詞の松井五郎氏と共に
10周年の時の作品「ごめんよ涙」の制作クルーで
仕上げたいというのだから
僕はもう打ち合わせの時から
必ず素敵な作品になるという予感に満ちていた

言うまでもなく 出来上がってきた歌詞
そしてギターから始まるイントロアレンジなど
このお二人の仕事は秀逸で
いつも僕の想像をはるかに超えてくる

作曲はもちろんその歌手の声のレンジに合わせて
いい響きを探りながら作業するのだが
キー合わせの際に今回は彼のトップノートの設定が
従来よりも半音上がっていてとても驚いた

そうなることで全体的に唄に張りが出て
例えばAメロの響きや高音部の迫力も増す

言葉の発音も従来のニュアンスとは違い
発声トレーニングを積んでいるに違いない

昨今 加齢による声の衰えと共に
現場ではオリジナルキーから少しレンジを下げて
歌う歌手も稀ではない中
声の伸びや太さも増したトシが唄う新曲は
先日の生唄を初披露した歌番組(人生 歌がある.BS朝日)でも
聴いていて胸に迫り来るものがあった



節目としてのこの新曲

彼は単なる通過点と言うだろうが
これまでの流れを一度堰き止めて
そして新しく一気に吐き出すような
彼の唄う形相やその姿に
とっても強いエネルギーを感じたよ

そうやって一年一年
積み重ねてはリセットし
更新を繰り返してきた
45回目のアニバーサリー

松井氏曰く
今だからこそ唄ってほしい歌

まさに そんな作品になった


愛だけがあればいい


久々 ジーンときたぜ!




キレッキレのキラッキラ!

デビュー曲

2024-05-25 | 音楽♪

この世界に入って間もない頃
お世話になっているディレクターから

都志見くん 作家はね
売れてる歌手に書くことも大事だが
昔売れた人をもう一回ヒットさせるか
デビュー曲がヒットする

この二つだよ
と言われたことがある

ヒットにはもちろん色んな要素がそこに絡む

昭和から令和に時代は移り
SNSのなかった時代と現在とは音楽の存在価値も
様変わりした

かつては
タイアップを含む露出の多さなど
メディアへの働きかけの大ききさで
その新人への期待度が測れた

しかしどんなに力づくで宣伝したって
売れないものは売れないといつしかわかる

作家として操作できない事ばかりで
その新人が大きく出ていったものの
いつの間にか消えていった

当たり前だが 我々は書き下ろす作品だけが
そこに色んな想いと幾許かのノウハウを注入できる

もう一度返り咲ける歌
新人が世に出れる歌

そんな理由からか
デビュー曲を頼まれるというのは
その責任感と緊張感と
そしてワクワク感とが入り混じる

何年やろうが どれだけ書こうが
いつも最初から

経験値も時には邪魔になる


で 彼らのデビュー曲を書きました


華MEN組(かめんぐみ)

”華やかに抱きしめて”
詞:松井五郎 曲:都志見隆
発売日:2024年5月22日

昨年 発注があり
昨今では長めの時間の打ち合わせ

キーワードや具体的な事も色々と出てくる中
天井を眺めながら曲の方向性を決めた

例えばタイトルは 華やかに抱きしめて とか

同席してた作詞の松井五郎氏がふと言った

サビ頭をその言葉にして
そのままタイトルにして
demoを作った

完成した歌詞を唄って聴いてもらったら
それはとても気に入ってもらった

初めての音合わせ パート分けの練習スタジオで
本人達に会った

10代とは違う少し大人の雰囲気を持つアイドルグループだが
初々しく そして清々しい素直ないい奴たち

それぞれがオーディションを勝ち抜いて
熱い想い 秘めた想い 
色んなことを胸に抱きしめた6人が
そこに立ってた

こっちが照れてしまうほど
素敵な笑顔

彼らの活動を広げるきっかけになれれば
このデビュー曲の意味もある

がんばれ!











時代変われど

2024-05-12 | 音楽♪

花粉症の時期は終わったかもしれないが
いまだに鼻声で驚かれる

重度の花粉症の中
大風邪を引いて 副鼻腔炎になってから約ひと月

鼻うがいと投薬と耳鼻科とで少しずつだが
回復の途上にある

そんな中 不覚にも 銀座線車中でスリにあう

電車中ではリュックを胸の前に抱くのだが
その日はたまたま背中に背負ったまま 
満員の銀座線に

背負ったリュックが邪魔だったのか
後ろから体の向きを変えているような気配は感じたが
そのまま目的地の銀座に到着
ドアが開いたので押し出されるように
ホームに降りた

その時点ではまだ気づく事もなく
その日の夕方耳鼻科の前まで行って
財布から健康保険証を出そうとしたが
肝心の財布がない

自宅に電話して確認してもらったが
どこにもない

結果的には現金5万円と
銭洗弁天で清めた500円玉も取られて
それ以外のカード類は財布と一緒に全部戻ってきた

全てのカード類などは失くした夜にストップしたので
返却された財布の中身は全部破棄

電車の中は防犯カメラがないので
なかなか犯人を見つけ出すのは
難しいということで
被害届ではなく遺失物届けの手続きをした

1週間後に警視庁から連絡があり
飯田橋の駅で見つかったという事だった

色んな手続きもほぼ終わり
やっと平穏な日々に戻った今日この頃である


小栗会の面々  2024.5.8

さて そんな中 先日
年に2回のペースで集まっていた
有志たちが約5年ぶりに集合した

皆さん もちろんこの音楽業界で
名を馳せた方々ばかり

唯一の60代は僕ひとり
残りの方々は人生の先輩であることは
言うまでもない

コロナ前の2019年に集まった以来

そんなに月日が経ったのかと疑うほどに
時の流れはスピードを増す

僕自身の事で言えば
ここにいる方々と
編曲家として プロデューサーとして
アーティストとしての関わりのなか
色んな力をお借りした

自分の好きな世界で生きて来た人達だからだろうか

時代変われど あん時のまんまで
お元気に マイペースをキープされていて
なかなか面白い

ちょうど携帯電話のはしりのショルダーフォンが
誕生した1980年代頃からの長いお付き合い

今ではスマホ一台 キャッシュレスで
ほぼ生活には困らない

実は財布を持っていても
ほとんどチャックを開けて
現金を出す事もないような日常になった

そんな事も含め 昔と意識を変えないといけない

そして時代は変われど スリはいるのだ

よくもまあ堂々と人のリュックから財布を盗めたもんだ

おそらく複数犯でホームにいる時から
狙われていたかも知れませんね とは
警察の見解

油断大敵

皆さん くれぐれも気をつけて


帰ってきたあぶない刑事

2024-03-21 | 音楽♪


東映映画「あぶない刑事」劇場版シリーズの
第3作目 1989年「もっともあぶない刑事」では
そのサウンドトラックのプロデュースを任されて
L.Aでレコーディングを行なった

その様子については
昨年のブログ「一枚の写真」の中で綴ったが

この令和の時代に あぶない刑事が
またまた帰ってくるらしい

前作「さらばあぶない刑事」の音楽担当した
作編曲家の安部潤氏から連絡をいただいて

当時の挿入曲 「Where do you go from here」が
今作の中でもリメイクされ演奏されるというので
その音源をいち早く聴くことができた



今作は小編成のJAZZをベースにした
とてもシンプルなアレンジメントだが
原曲のメロディーやテイストは残したまま
その息づかいが聞き取れそうなほどの
生演奏と女性ボーカル(ロザリーナ)には聴き惚れた

今現在 僕の立ち位置で 英詞の作品を
外部からオファーを受けて書くことはほぼないわけだが
80~90年代はそんな作品の仕事もよく受けていた

特に映画のサウンドトラックとなると
映像も共有しながら観る人の印象に残る

作曲という仕事をやっていて一番嬉しく思うのは
オリジナルとは違う歌声や演奏で 
作品がまた次の時代へと引き継がれてゆくことだ

音楽は歳をとらない

前期高齢者の僕のように
ヨレヨレにならずに
何年経っても若返る

出来ればオリジナル作品が
その歌の持ち主だけにとどまらず
色んな場所に散らばって光を放ってほしい

さて 35年後にまた映画と共に帰ってきた
「Where do you go from here」

5月の映画公開が待ちどうしい











イントロクイズ

2024-02-15 | 音楽♪


例えば塗装屋なら
一般的には建設業の許可も要らず
(塗装技能士などの資格もあるが)
経験なしでも
明日から看板をあげて仕事ができる

作曲家と言えば聞こえは良いが
考えてみれば そこに資格を表す免許や
作曲家になるための試験もない

好きに名刺を刷って人に渡しても
本人がそう言えば それは作曲家だ

音楽的な理論の知識など置いておいても
曲なら鼻歌でも作れる

ボイスメモした鼻歌が
大ヒットする可能性だってある

そもそも それが鼻歌であろうが
寝ずにガッツリとやりましたであろうが
そんなものは全く関係ない

クラシック音楽の場合
鼻歌でメロディー書いて
あとは誰かにお任せなんて
そうはいかない

一口に作曲家と言っても
色々いるし 色々ある


2024.2.15  arranged by MOTOKI FUNAYAMA

歌モノのヒットは
歌詞とメロディーはもちろん
VOCALがまずは主軸になるが
しかし忘れてはならないのが 編曲だ

もちろん詞曲のクオリティーを確保した上での話で
その先にある売れ行きやヒットを左右するのは
この編曲の役割が一番大きい

今の時代 無垢のメロディーで伝える事の
重要性はかつてほど感じない
かと言って少し作り込んだデモテープの方が
結果的に良かったと言われるほど
辛いことはない

どちらにしても
才能ある編曲家は 
どんな壁も軽々と超えてくる

テレビなどでよくやる
イントロクイズ

ヒット曲はイントロど頭の何秒かで
どんな歌かわかる

本編のメロディーに入るまでに
人々の心を掴み耳に植え付けるのは
やはり印象的なイントロなのだ

編曲家がまず命をかける場所かもしれない

だからこそ
ワクワクするようなイントロを作って頂けるよう
しっかりとメロディーをぶつけていかなくてはと
奮い立つわけである

編曲の手柄だと知っているからこそ
そこに身を委ねるだけでなく
なんとか曲として戦いながら 
ヒットに関わりたい

関連Blog
「ヒット曲の料理人」



初打ちと 引越しと そしてCPAP

2024-02-04 | 音楽♪
どうにかコロナ感染から抜け出し
通常の つまり
このブログのサブタイトル通りの
「果てしない日々の日常」に戻ったかと思いきや

次に待ち受けるミッションは お引越し

まずは 真冬の御殿場での初打ち


2024.1.24 太平洋クラブ御殿場コースにて 有志たちと


昔ならこの時期 グリーンも凍って
ナイスショットがカキーンと跳ねて
とんでもないスコアになったもんだが

昨年より寒い冬のこの時期も
普通にゴルフが出来るほど
温暖になったのは間違いない

さて そこからは広島への帰省も挟みつつ
仮住まいへの引越しの荷造りに追われる毎日

僕は性格的に取り越し苦労の塊な男だ

こんなに重たいスピーカーやオーディオアンプ
それからこんなに大きな家具など
どうやって運び出すんだろうなんて考え出したら
正直眠れない

一日で終わるのかと思いきや
なんと搬出 移動 そして搬入と
午前9時スタートで14時には完了

僕の背丈の半分以上もある高さの
JBLのスピーカーが
30年鎮座したフローリングのその場所から
あっという間に仮住まいのマンションに移動したのだ


空っぽになった我が家のリビング

どこの世界にもプロはいるなあ
改めてその領域のレベルに感謝した

その所作は感動レベルで
そのマンパワーと引越しテクに感服だ

ここ仮住まいの場所で
こうしてブログを更新できているのも
そんなプロの引越し屋の若い衆のおかげ

誰にでもできない仕事 それこそがプロワザの領域なのだ

さて もうひとつ

自身のイビキ それから無呼吸症候群の検査を
今回は入院してプロの医師たちの力を借りた

病院に一泊して自分の睡眠状態をデータ化する作業

おそらく昨年上映されたゴジラ-1.0の雄叫びよりも
強烈だろうと思われるイビキと無呼吸の改善が目的


無呼吸のお泊り検査 2024.1.19 東急病院 大岡山

その結果は来週に出るが
出来るなら大イビキと無呼吸が検査結果に反映されて
ぜひCPAPという器具の装着必至という結果になってほしい

ゴジラが雄叫び上げているのを聴きながら
同じ部屋でぐっすり寝ろなんて
それはもうパワハラに等しいだろ

自分の健康の為にも家族の快眠の為にも

俺の真夜中の雄叫びは 

2024 絶対に封印しなければならない


タカシ-1.0 ガオーーーーーッ!!



人生の贈りもの

2024-01-09 | 音楽♪

1976年 

18歳で広島から上京した僕が
最初に住んだのが四谷三丁目

そこから新宿は目と鼻の先で
服を買うにも飲みに行くにも
まずは新宿だった

新宿といえば 八代亜紀さんの「なみだ恋」

♪ 夜の新宿裏通り 肩を寄せ合う通り雨〜 ♪

良いことよりきっと
思い出したくない事の方が多いかも知れない
僕にとっての昭和の新宿が
なみだ恋と共に蘇る

時代を代表する演歌の王道だ


作曲の世界に入れば 思わぬ人と知り合う

広島時代 テレビをつければ歌番組で熱唱してた
歌手の方々たち

八代亜紀さんとも 上京してから34年後の
まさに一期一会

発注をいただいた経緯は覚えてないが
吉元由美さんの歌詞が用意されていて
それに曲をつけたと思う



いい歌だね とレコーディングの時に仰った

まさに僕にとっては
あの新宿の苦い思いでいっぱいの「なみだ恋」以来の
八代さんがそこにいた

人生の贈りもの

八代さんの王道演歌というよりは
ポップスよりの歌謡バラード


本日 夕方 八代さんが亡くなったことを知った

一度だけ 
それもお会いしたのはレコーディングの時だけだが

ニュースを見ながら涙が出た

頂いた一期一会

たった一曲 されど一曲

いい歌を残せた

泣きたいくらい ありがとう


八代さん 安らかに