今年の彼岸

先日ひさしぶりに弟と会って食事をした

昨年　病気をしてからは
食事療法なども取り入れながらの生活

久々に焼肉でも食べて精をつけるかと
二子玉川で待ち合わせる

日々　その時々の苦労もあろうが
今では元気になり顔色も良く　
そして良く食べていた


Seiji Tsushimi 　TSU.SHI.MI

ところで
都志見セイジという料理人は
フレンチのシェフとして知る人は多いらしい

残念ながら僕はその世界には疎く
特に美食家でもないので
弟の店にも何十年前に数度訪れたきり

行けば行ったで
他のお客さんの居心地はどうだろうかとか
あそこのテーブルに水がないだとか
壁にかざった絵画の額縁の埃が気になったりだとか

自分のせっかちで神経質な性格も相まって
やはり身内の店はどうも落ち着かなく
自分の食事どころではなくなる

さて　弟

フランスに5年ほど
修行に行っていただろうか

彼の武者修行中に僕も2度ほどパリを訪れた


1989　弟のフランス修行時代

帰国して自分の店を持ち
ミシュランの星も取ったが
それ以降は星も辞退し
現在の新しい店にスタイルを変えた

あの広島の時代から
僕はとうに還暦を過ぎ　
彼はもうすぐ還暦を迎える

そんな歳になっての病気は
本人にとって
相当なダメージだった

しかしその出来事が彼をひと周りもふた周りも
大きくそして柔らかく
眼つきまで優しく変えた

皮肉なもので　
長い間疎遠だった僕ら兄弟の距離も
そしてその長い時間も
彼の病気が埋めてくれた

元気であれ！

これからの道のりは
いままでのスピードを少し落として
好きな料理の世界をスローライフと共に
歩んでいただきたい

今年の彼岸はそれこそ何十年ぶりに
そんな家族たち全員で
広島に集まる運びになった

こんな集いはおそらくもう
最後になるかもしれない

お互いがそれぞれの道を目指してから
どれくらいだろう

それくらいぶりに兄弟家族揃って
両親を連れて御先祖を参る

感謝というほかに　言葉がない