辞書引く日々

辞書が好きなのだ。辞書を引くのだ。

日本外史

2005年10月05日 | 
「校刻日本外史」を買う。川越版というやつだそうで、木版の和本である。明治の普及版なり。六千数百円で十二冊(二十ニ巻)揃っていた。日本外史の漢文テキストがほしかったので買ったわけで、私は別段この手の本のコレクターというわけではない。

色々な版のものをとにかく十二冊ぶん集めたというものだから、古本としての価値はあまりなかろうが、とにかく読むのには差し支えあるまい。なかには僞刻もあるらしいので、そんなものが混ざっているかもしれぬが、気にせぬこととする。

ずいぶん汚れているものもあり、とくに一冊目などはだいぶくたびれていて、かすれて読めぬところを誰かが補って字を加えていたりする。これもまあ、前の持ち主、前々の持ち主をしのんでみれば、そう悪いとも決めつけられぬ。

面白いのは、版に刻する字を書いた人がいろいろいるために、各冊さまざまな字があるということである。なかなか上手い字もあれば、活字じみたチマチマした字もある。太いくて太細の少ない字もあれば、細くてアクセントに富んだ、いわばマッチョな字もある。

本棚の大きさを考えれば、洋装版がいいのかも知れぬが、字の大きさといい、なにより一度彫ったものとはいえ、人間の書いた字を読めるというのは、なかなか愉快なことである。
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