good day to Die

映画、ドラマ、小説、漫画、音楽についての感想等を
日記代わりに書いておくためのブログです。
ネタバレあり。

「ファースト・マン」(字幕版)

2019-02-09 23:44:27 | 映画「ファースト・マン」
評価:★★★★★

デミアン・チャゼル監督
ライアン・ゴズリング、クレア・フォイ、ジェイソン・クラーク、カイル・チャンドラー他出演

「ファースト・マン」を見た。
予告編を見てなくて、ニール・アームストロングの話ということくらいしか知らずに見て、
宇宙開発競争の、良くある伝記サスセスストーリーかなぁくらいの認識だったんだけど、
全然違った
完全にホラーかスリラーの空気。
ニールは序盤の娘の死による喪失に、ずっと囚われてた。
喪失と死の気配に満ちた作品だった。

ニールは生きるのに倦んでいるようだし、宇宙飛行士がバンバン死んで、最後に月面に
向かうときは宇宙飛行士みんな目が死んでいて、死地に向かうような顔をしているし、
ニールの妻子は夫・父を非難するような目で見てるし、サクセスストーリーなんかでは全然ない。

死んでいった他の宇宙飛行士たちは死にたくなかったはずだけど、ニールはむしろ
死にたがってるようだった。
死にたがっているというか、生き急ぐ、死に急ぐ?
死にたがっているニールが、娘に会うために宇宙船という「棺桶」に乗り、「あの世」のような
月面に行った。でも死なずに、ミッションを成功させて、さらには生還してしまう。
ここにすごい虚無を感じた。
月面でアレをアレしたことで、解放された、喪失を受容した、という風に感じられれば、
少し救いがあるのかもしれない。
でもニールが帰って来てからの妻とのシーンで、そんな風には感じられなかったので、虚無だなぁと。
妻子は気の毒。
妻はうざいけど(ひどい)、息子たちはちょっと気の毒。
実際のところがどうなのかは分からないけど、この作品を見た限りの感想として。

アポロ11号の発射時の爆発と煙り、登っていくアポロ11号の姿が、核兵器みたいに見えて、
この世の終わり感が半端なかった。
まあ、飛んでいくのは核弾頭じゃないんだけど。
この映画、そういう暗さと緊迫感を常に示すんだよね。

ニールの原動力は何なのかね。
あれだけ過酷な状況で、それでも突き進むというのは、よほどのガッツや目的がないと難しいよね。
娘を亡くした喪失感をどうにかして埋めたい、あるいは突き進んだ先で娘に会えるかも、
という一念なのかなぁ。
その一念でやって行くうちに仲間がバンバン死んでいき、払った犠牲を思うと、
もう引くに引けない的な??

あの虚無感を味わうために、もう1回くらい見たくなってる。

感動の人間ドラマとして宣伝してるみたいで、いやいや、それはまたミスマッチを
生むだけでしょ…。
「喪失を知るすべての人に捧げる」みたいな宣伝(センスなくてサーセン)にした方が良いと思う

フィクションであれこれ言うのもナンだけど、宇宙飛行士の鋼の意志と冷静さがゴイスー。
もう少しで気絶する(気絶したら制御できないのは確実で、いずれ死ぬ)という状況になっても、
冷静に為すべきことを為す、その精神力。
もともとの資質もあるんだろうし、訓練の賜物でもあるんだろう。
こういうのを見ると、宇宙怖すぎ…と心底ビビる。
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「奇想の系譜展」@東京都美術館(2019.2.9)

2019-02-09 16:18:28 | 美術鑑賞




東京都美術館の「奇想の系譜展 江戸絵画ミラクルワールド」を見た。

伊藤若冲、海棠目白図


鈴木基一、貝図


伊藤若冲、紫陽花双鶏図のチケットホルダー

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「フィリップス・コレクション展」@三菱一号館美術館(2019.2.9)

2019-02-09 12:05:44 | 美術鑑賞


三菱一号館美術館の「フィッリップス・コレクション展」を見たよ。
会期末だったけど、雪が降るような寒い日だったせいか、わりと空いてた。



ジャン・シメオン・シャルダン、プラムを盛った鉢と桃、水差し


ポール・セザンヌ、ザクロと洋梨のあるショウガ壺


ハインリヒ・カンペンドンク、村の大通り


ゴッホ、道路工夫のノート

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