good day to Die

映画、ドラマ、小説、漫画、音楽についての感想等を
日記代わりに書いておくためのブログです。
ネタバレあり。

「三体X 観想之宙」を読んだ

2022-08-28 19:59:00 | 漫画・書籍



「三体」の熱烈ファンが書き、公式に認められた二次創作「三体X 観想之宙」を読んだ。

ん〜。
あんまり面白くなかった。
三体本編をだいぶ忘れてるせいもある。

著者さん、程心に微塵も関心がなさそう。扱いがぞんざい。
対して天明のことは好きすぎるでしょ。

「三体X」の著者・宝樹の短編集「時間の王」も全部(残り2話未読だけど)男女の恋愛に
収斂してて何だかなと思ったけど、「三体X」も男女の恋愛至高という気配で、古臭いね。
恋愛脳かよ。
これも10年以上前の作品でしたか。
10年前だとしても古いような…古いというか幼稚?
男女であることが、というのではなく、恋愛至高という点が。
この世にはもっと他の価値観や人間関係はないんか。
それは三体IIIからしてそうなんだけど。あの終わりのシャッフルにはずっこけるよなぁ。

やはり余白は余白のまま、二次創作は二次創作のままがよろしいのではないでしょうか、と思う。

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「サージウスの死神」を読んだ

2022-08-22 18:07:00 | 漫画・書籍



「テスカトリポカ」「爆発物処理班の遭遇したスピン」に続き「サージウスの死神」を読んだ。
以前、別名義で出版された純文学系作品。

賭け事に取り憑かれた男たちの物語。
まともなところが少し残る人から消えていく。
ずっと酩酊してるような、現実と妄想が区別されない文章。
正直よく分からないまま終わった。
純文学は苦手。
それでも最後まで読ませる筆力はある。

佐藤究、元は純文学畑の人で、そこから良く「テスカトリポカ」方向に進んだね。

社会人になってから全然小説を読まなくなってた人間が、急にモリモリ読んでるよ。
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「爆発物処理班の遭遇したスピン」を読んだ

2022-08-19 21:19:00 | 漫画・書籍



佐藤究の短編集「爆発物処理班の遭遇したスピン」を読んだ。

1 爆発物処理班の遭遇したスピン
2 ジェリーウォーカー
3 シヴィル・ライツ
4 猿人マグラ
5 スマイルヘッズ
6 ボイルド・オクトパス
7 九三式
8 くぎ

表題作はアイデア先行な感じの話だけど、アメリカの非情な合理性に痺れる〜。
シヴィル・ライツ、暴排条例でどん詰まってカルトみたいになったヤクザの話。
最後のキャラのキマリ方がイイネ。
スマイルヘッズ、シリアルキラーの絵画のコレクターの話で面白いけど、終わり方が
気分悪い。
くぎ、これも最後が印象的。テスカトリポカの香り。

佐藤究は、暴力を描くと筆が冴えるんだね。
箱庭の崩壊を描く人なんだなぁ。なので終わり方が鮮やか。

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「テスカトリポカ」を読んだ

2022-08-15 18:01:00 | 漫画・書籍



2021年に直木賞を受賞した佐藤究の「テスカトリポカ」をAmazonオーディブルで聴き終えた。

うーーーん。
ううーーーん。
全体としては面白かったけど、話にドライブがかかるのが半分くらい過ぎたあたり。

ずーーーっと犯罪の仕込みをしていて、やっと動き出したと思ったら終盤で呆気なく
崩壊して、コシモ以外全滅で、終わり方がいまいち。
コシモも一緒に滅びるべきだったのでは?

末永が好きだったから(健康な子どもの心臓を臓器移植のために取り出す最低最悪な
元心臓血管外科医ですが)、末永の裏切りが明らかになってバルミロから切り捨てられた
ところで、私にとってのこの物語は終わった。

物語の終わりというのは難しいんだねえ。
作者はきっとコシモというキャラが好きなんだろうけど、私はフィクションにおける
無垢な存在というのが好きではないのでコシモも好きになれず、不満な終わり方。
コシモは無垢かもしれないけど善性はなくて、あのキャラを好きな人が結構いる
らしいのが不思議(末永を好きとか言ってる人間の言うことではないか。笑)。

バルミロの狂信的な祖母が全て悪い気がする。
最悪の教育をしたよね。

よく見かける、グロいというのは全部聴き終えてもまったく分かりませんでした。
グロいところなんてある?
バルミロの拷問?
心臓を取り出す描写のこと?
そんなに言うほどグロいかなぁ。
私が想像力や共感性に欠けるのか。やばい。
作中に暴力は溢れてるけど、性的暴力がまったくなかったのは良かった。

Amazonオーディブルいいよ。
読みたい(聴きたい)本がないと意味ないけど。
本作もオーディブルでないと読み終え(聴き終え)られなかったと思う。
なかなか面白くならないんだもん。
いつも1.3倍で聴くけど、本作の終盤は早く終わりを知りたくて1.5倍で聴いた。
1倍は遅すぎて、2倍は速すぎる。
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「機龍警察」シリーズを読んだ

2022-08-07 18:40:22 | 漫画・書籍



7月から8月で月村了衛の「機龍警察」シリーズを読んだ。
1作目から4作目まではAmazonオーディブルで聞いて、それ以降は小説を読んだ。
1作目から4作目までを読み直すために小説も買った。

Amazonオーディブルが半額だからと再契約して、何を聞こうかと思って何となく
聞いてみたら、すごく面白くてすっかりハマったよ〜😊
警察内部や省庁間の縄張り争い、ギスギスした対立をフィクションで見るのは好きなのよね。
現実ではそういうのにうんざりするし、邦画や邦ドラでもウザ…てなるけど、この小説ではヨシ!

このシリーズは、初めは機甲兵装と呼ばれる軍用有人兵器の出てくる近未来SFの
テイストがあったけど、4作目から完全に警察小説っぽくなってる。
初めは警視庁特捜部の機龍兵(ドラグーン)に乗る、警視庁が外部から雇った3人、
姿、ユーリ、ライザとその上司である沖津がメインかと思ったけど、今や3人はだいぶ
出番が減って、特捜部の他のメンツが結構中心になって、みんなキャラ立ちしてて面白い。
現実の警察組織は特別好きじゃないけど、フィクションの警察組織のギスギスした
空気にワクワクです。


「機龍警察」
姿メインかな。
厨二病満載な感じで楽しい。
漫画の原作を読まされてる感じ、というレビューもよく分かる。
作者は元アニメ脚本家だそう。

「機龍警察 自爆条項」
ライザの過去話がくどく、退屈でつらかった(主題の大否定)。
でも「機龍警察 白骨街道」まで読んでから読み直すと面白い。

「機龍警察 暗黒市場」
面白い!
一度、退屈して脱落したけど😅
ユーリの過去話も途中まで退屈だった(キャラの過去に興味がないんだね)。
でもユーリが嵌められたところから俄然面白くなった。
潜入捜査していた警察官が、情勢の変化で上層部に裏切られ、警官殺しの濡れ衣を
着せられて追われるって絶望的でイイヨネ(よくない)。
やっぱりこういうワクワクする小説がいいな。

「機龍警察 未亡旅団」
Amazonオーディブルで3作目までの朗読担当だった橋本秀樹から緒方恵美に変わってとても残念。
橋本秀樹の姿の声がすごく好きだったので。
緒方恵美、地の文は鼻にかかった感じ、台詞部分はシンジみたいで、好きになれない。
あとキャラの演じ分けが極端なのも好きじゃなくて、もっと淡々としてていいんだけど…。
ファンの人はうれしいんだろうし、好みの問題だろうけど。
話は面白かったよ。
ドラグーン云々より警察内部の権謀術数メイン。

「機龍警察 火宅」
短編集。
これまでの話を少し補完する話だったり、今後に続く話だったり。
ライザのリクルートに自らベネズエラまで出向く沖津、フットワーク軽い(「済度」)。
宮近メインの「勤行」が良かった。
国会答弁を作る官僚は大変だ〜。

「機龍警察 狼眼殺手」
ライザの過去話はもう片付いたと思いきや、また関係者が殺し屋として出てきた〜。
私は沖津と姿が好きで、特に沖津は底が知れないキャラのままでいてほしいから、過去や
私生活を知りたくないし、主観視点キャラにもならないでほしいと思ってるんだけど、
「狼眼殺手」ではかなり沖津の出番があって、さらに定住居なく、日々セキュリティの
しっかりした都内のホテルを移動してるという設定が出てきて、うわぁやめて〜と思った😰
スーツケース2個を持って車で移動してて、スーツケースの中身はほとんどは洋服で、
それ以外の私物は警視庁に置いてるということで、沖津ホームレスかよ、住民票は
どこにあるんだ?警視庁か?🤣とか考えて笑ってしまうから、私生活を知りたくないよ…。
終盤に唐突に沖津が死にそうな気配を醸して焦った🙄

「機龍警察 白骨街道」
面白かったけど、クワンがどこにでも出てきすぎるし、万能すぎるのと、思わぬ助っ人に
ちょっと白けた…。
クワンに設定を盛りすぎじゃない🤣
姿の過去は第1作で終わりかと思ったら、まだこれから過去話出てきそうだね。
姿がソルジャーネットワークサービスに逆らえない秘密ってなんだろう。
警視庁がシェラーと契約したことで、姿が「後任がいるんなら、俺も気兼ねなしに
辞められる」と考えたことにワクワク。
姿はユーリやライザみたく、警察官として生きることに意味を見出すことはなさそうだし、
どうなるんだろうかね。

早く続きを読みたいけど、中身の密度からして量産される感じでもないから、気長に
待つしかない。
作者さんには頑張ってほしい。


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