銀座平野屋には普段お客様の目にはふれないけれど、
素敵なものが数々ございます。
それは江戸からの粋を伝えるものであったり、
先人の技や美を伝えるものであったり様々です。
その中で銀座平野屋には、先人の技が光る逸品もございます。
今回は先のブログでご紹介しました「煙草ケース」の続きです。
『煙草ケース「網代」①』縦8.8×横6.5×幅2.8
こちらは3つある煙草ケースの中でも一番大きく、
ちょうどキャラメルが入るサイズです。
『煙草ケース「網代」②』縦7.5×横6.5×幅2.8
こちらは3つのうち中サイズ。
他2つに比べて蓋が少し深くなっています。
↑右が蓋です。
『煙草ケース「網代」③』縦7.5×横5.1×幅2.3
3つのうち一番小さいこちらは、
ちょうどタバコのショートピースと同じくらいです。
✳︎この煙草ケースに特に銘があるわけではないですが
(その1)のものと区別するため、網代編みで編まれたこちらを
「網代(あじろ)」としております。
3つとも、材質は籐です。
(とう。ラタンともいいます。カゴの素材といえば分かりやすいでしょうか)
籐を網代編みでタバコケース状に形作ったのち、
内側は漆塗りをほどこし、
表面を艶出しして仕上げたものです。
↑内側。少し分かりにくいですが、漆塗りです。
ただ煙草を入れるだけなのに、なんて手のこんだ逸品なのでしょうか!
↑こうすると大きさが分かりやすいですね。
煙草ケースは紙巻き煙草が主流になった1920年代頃からあったようです。
(その1)でご紹介した煙草ケースも、こちらの網代編みのケースも
内側に漆を塗ることで、煙草を湿気から守る働きがあったのです。
そしてきっちり隙間無く編まれた網代も、
湿気を入れないために丹念に編まれたものでしょう。
湿気から煙草を守る目的で作られ、
そこに職人の技を加わったこの煙草ケース。
実用品であると共に、使い手の煙草への愛着(?)と
実用品以上の美を感じさせる作り手の技と粋が
ひしひしと伝わってくるように思います。
こちらのケースも、研出の煙草ケース同様に既に職人はおらず、
作られなくなった逸品です。
実用的なものにも職人が丹念に手を加えていた、
そんなおおらかでよき時代は遥かに遠くなっていくのでしょうか。
こんなに素敵な煙草ケースに入れて、タバコを持ち歩きたいですね。
…と言いたいところですが、タバコの吸いすぎは毒ですよ!
(こんなところにも煙草ケースが衰退していった理由があるのかもしれませんね)
◇◆◇◆◇◆
本日1/12(土)〜13(日)は、銀座平野屋本店は定休日です!
⚠️1/14(月 祝)は祝日のため休業です。
連休明け1/15(火)より「冬のバーゲン」が始まります!
この間、通常価格の2割引での販売となります(一部商品を除く)
なお、同じく15(火)AM10時よりインターネットでご注文された方も
2割引とさせて頂きます(一部商品を除く)
皆さまのご来店をお待ちしております!✨
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