「宇宙船地球丸」の管理人スパイラルドラゴンです。今日は、2009年2月17日です。
小泉純一郎と竹中平蔵が、構造改革と郵政民営化の名の下に行った悪行の数々を継続して糾弾されているネット言論の筆頭は、何と言っても植草一秀の『知られざる真実』の管理人・植草一秀氏だと思いますが、保守文学者の立場から一味違った記述で小泉純一郎と竹中平蔵を糾弾している筆頭は、文藝評論家・山崎行太郎の政治ブログ『毒蛇山荘日記』の管理人・山崎行太郎氏だと思います。
山崎行太郎氏が本日ご自身のブログにアップされた記述は、今も霞ヶ関と永田町に生息しているハゲタカの手先共が、「かんぽの宿」入札ルール作成以前の、かんぽの宿事業譲渡のスキーム作成段階で仕込んだトリックの要点を、最も簡潔に指摘されていると思いますので、以下転載しておきます。
(以下転載)
2009-02-17 「かんぽの宿」は「赤字=不良債権」だった、という竹中平蔵等の政治的情報工作の裏を暴き出せ。
オリックス不動産への「かんぽの宿」入札譲渡にまつわる騒動の大きな根拠になっているのは、竹中平蔵等が強調する「かんぽの宿」は「赤字=不良債権」だったという認識だろうが、はたして本当に、「かんぽの宿」は赤字であり不良債権だったのだろうか、ということになると、「赤字=不良債権」ではなかったのではないかという疑いが消えないわけだが、というのも、「赤字=不良債権」というマスコミを総動員しての国民向けの情報宣伝工作こそ、実は竹中平蔵等「小泉構造改革」一派が乱用した常套手法の一つだったからだ。
たとえば「小泉・竹中構造改革」の名の下に、日本の銀行を次々と倒産・合併に追い込むという銀行再編の時も、会計基準の見直しや自己資本比率の変更などによって銀行の財務内容の危機を作為的に演出し、同時に貸しはがしと不良債権の拡大を加速させることによって、銀行の「倒産・合併やむなし」という世論をもりあげる情報工作があったのだが、稲村公望氏によると、「かんぽの宿」の「赤字=不良債権」説の背景にも、同じような工作が行われたらしく、つまり、「公社時代、会計基準の見直しで減価償却期間を60年から25年に短縮したため、帳簿上、年度ごとの赤字額が増大…」したというものらしい。
「かんぽの宿」の場合は、「赤字だ、赤字だ…」と騒がれたが、実際は、施設の人気は上々で、お客はいっぱいだった。では、未だに、「かんぽの宿」の「赤字=不良債権」説が根強いのか。
稲村公望氏によると、その政治的からくりとは、「『赤字だ』と世論をあおって減損会計を導入し、資産価値を低く見積もって一括譲渡するような手口…」が、つまり「かんぽの宿」を作為的に不良債権化することによって、売却価格を低く抑えるという政治的動機が背景にあったからだ、と言う。
まったく稲村公望氏の言うとおりだろう。さらに付け加えるならば、採算の合わない、つまり不良債権だった「かんぽの宿」の多くは、すでに売却ずみのはずで、今回、オリツクス不動産に一括譲渡されるはずの「かんぽの宿」関連施設は、実は、都心に近い「ラフレさいたま」や「郵政社宅」等がそうであるように、多くは不良債権どころか、「宝の山」であったらしい。
では、竹中平蔵氏らは、何故、「かんぽの宿」は「赤字=不良債権」だ、だから一刻も早く処分しなければならないという論理を、馬鹿の一つ覚えのように繰り返し、そして強調するのか。むろん、今更、分析するまでもなく、その隠された政治的意図は分かる人には分かるだろう。
ところで、竹中平蔵大臣の元秘書官で、今は竹中平蔵氏らの口利きで「慶大教授」に天下っているらしい岸博幸氏が、ネットを中心に燃え広がりつつある「かんぽの宿」スキャンダルの発覚後になって、財務省官僚として「郵政民営化」に加担したという経歴と立場から逃げるに逃げられず、形勢不利と見たか、泣き言を言うかのように、「ネットはゴミの山だ…」「日本には民主主義もまだ定着していない」と幼稚園児並みの弱音を吐いて、嘆いている。
ならば、岸博幸氏がネットに書き散らしているネット言説も「ゴミの山」ということになる。笑止である。
■岸博幸氏の「ネットはゴミの山」というネット発言
http://diamond.jp/series/kishi/10027/
■竹中平蔵氏の鳩山邦夫批判の動画。
http://diamond.jp/feature/takenaka_sp02/
(転載終わり)
施設の建設費に約2100億円を費やした「かんぽの宿」の減価償却期間を、60年から25年に短縮し、さらに減損会計で会計処理を行えば、例え公社化以前の「かんぽの宿」の決算が大幅な黒字決算であったとしても、一気に赤字決算に転落してしまい、郵政公社の経営による「かんぽの宿」事業は、第三者から事業としては不採算事業だと見なされるに決まっています。
それでも、全国に展開している「かんぽの宿」を一体として捕らえた現在のキャッシュ・フロー(資金繰り)は、公表されている客室稼働率(約70%)から類推しても、余裕でプラスになっているはずです。
そして、会計上の赤字を連続して計上しても、企業のキャッシュ・フローがプラスである限り、企業は決して倒産しません。
今後保坂展人衆院議員を初めとした野党の政治家達が、国会で郵政公社時代に行われた「かんぽの宿」の会計基準変更に切り込まれて、「かんぽの宿」事業譲渡スキーム作成に関わった悪党共を、一人残らず引きづり出されると期待しています。
PS:一部の方が、日本郵政の西川社長の罷免を求めていますが、「かんぽの宿」売却問題で責任が追及されるべき責任者は、「かんぽの宿」事業譲渡スキーム作成を指揮・監督した、郵政公社時代の生田正治総裁(2003.4 - 2007.3)であり、郵政民営化担当大臣であった竹中平蔵であり当時の首相の小泉純一郎です。
参照:減損会計とは(by ITpro Data)、 Q4 減価償却の意味
【コラム】「かんぽの宿」騒動で分かった!賛否両論なき日本のネットはゴミの山-岸 博幸(DIAMOND online)★2[09/02/13]
「かんぽの宿」建設費など2400億円 譲渡額の22倍 2009/01/28(by IZA)
スパイラルドラゴン拝