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少し辛い大人の世界。

別れと再会。

2007年05月21日 | 独り言。
祖母の葬儀に行ってきた。


19日、夕方6時頃にあちらに向かった。

行きのバスの中で
「お父さんと何話したらいいんかねぇ…」
と、妹達と話した。


丸々12年、父とは
顔も合わせていなければ
電話で声すらも聞いていない。

祖母が亡くなった悲しみよりも
父との再会を目前に控えた動揺が上回っていた。



葬儀場に着いたのは夜9時半。


祖母の通夜には
親戚やら近所の人やら
やたら沢山の人がいて、オッサン達はネクタイを緩めて既に出来上がっていた。


父は一目で分かった。
受付の前で立って待っていた。
酒を飲まずに待ってくれていた。


元々、自分が小さい頃から
「ウチの父ちゃん小さいなー」と思っていたが

…遠近法?

と一瞬 目を疑うほど小さかった。

受付に向かい
私たち姉妹と父は12年振りに対面した。


父は私よりもだいぶ小さくなっていた。
と言うか、私が12年の間に大きくなったんだ。


感動で、と言うより
お互い「何ば話したらよかとや…」と
言葉も出ない再会だった。


その何かよくわからない雰囲気から逃れようと、
本来の目的である祖母にお線香をあげに行った。

祖母はとても綺麗になっていた。
もうずっと意識が無かったそうだから
苦しさは味わわなかったのか
とても安らかな顔をしていた。



親族の控え室に入ると、父がビールとジュースを持ってきた。

妹二人は幼い頃に別れたきりで
目の前にいる、父と名乗るちっさいオッサンに戸惑いが隠せてないようで

父もそれにどう接しようか模索しながらの対応で
私はそれを気付かない振りで
4人が4人ともギクシャクしながら杯を交わした。


父の事をハッキリ覚えているのは私だけだったので

私が幼い頃の父とのエピソードを話していると


父は
笑いながら涙ぐんで

「ごめんなぁ…」

と 呟いた。




謝らないといけないのは私の方なのに。

12年前に父に決別を伝えたのは紛れもなく私なのに。



お父さんが謝る事じゃない。
あの時、あんな事を言った私が謝らないといけない。

あんな事を言ったけど、
大人になったらお父さんとこうやってお酒を飲みたいって思ってた。

もう成人して3年経つけど
こうやって会えてお酒飲めて嬉しいよ。


って
ずっと思ってた事を言った。

必死に泣くまいとしてたけど
やっぱり泣いてしまって
ちゃんと全部言えたのかもよく分からないけれど

父は声を出さずに下を向いて泣いていた。


「ありがとう」
と 小さい声で言ってくれた。





父がいない12年間
「父さんは嫌いだから居なくても良い」んだと

自分に言い聞かせて暮らしてきたんじゃないかと思う。


小さい頃はあんなに大好きだったのに。




父が
「祖母ちゃんがこうやってまた会わせてくれたんやなぁ」
と 泣きながら言った。

全く、よく泣く親父だ。



家に帰って
母に葬儀の話や親戚の話、
父との話を報告したら

母も
「祖母ちゃんがまた会わせてくれたんやねぇ」
と 言った。


変な元夫婦。



しかし本当に
こういう自然な機会でも無ければ
父に会う事は無かった。


祖母ちゃんに
こうやって父と会えたところを見せてやれなくて
本当に申し訳ない。


私たちは
もう大丈夫。

今度、父の日に何か送ろうと思う。