
■新潮文庫 400円

題からすると、まるでホラーサスペンス調だけど、純粋に少女の心の葛藤を描いたものだった。まいはいじめにあった。学校に行けなくなった。だから、おばあちゃんの家で、しばらく暮らすことになった。おばあちゃんは、英国人。でも、片田舎で自然ととともに、日本の風土とともに暮らしていた。おばあちゃんは魔女修行を積んでいて、まいも不思議な能力を持ちたいと修行をすることになった。その修行とは、決まった時間に起きて決まった時間に寝る。そして、自分の意思の力を高め、自分でものごとを決めること。悪魔に妄想に惑わされないこと。おばあちゃんは、前向きな心を持たせようとしているようだ。まいが自分の心から逃げてしまい、小さくなってしまった。だれかに肩をたたかれても、背中をこずかれても、きっと動こうという気持ちは起きない。でも、魔女になる修行なら別だ。いじめに立ち向かうのではなく、新しい自分を作るのだから。