聖イトオテルミー学院グループ 曲梶支部 ブログ

創見者 伊藤金逸医学博士の教えをもとに、温熱刺激療法イトオテルミーの温もりと実(まこと)の健康生活の普及に努力します。

イトオテルミーの原点を学ぶ③

2022年04月28日 | イトオテルミー

イトオテルミーの歴史に学ぶ③ 学院生教材

「イトオテルミーの歴史に学ぶ」というタイトルで学院生の教材を編集しています。

イトオテルミーの「適所」ということを、伊藤元明先生、長嶋 光先生の著書で学習してきました。

今回は、創見者の伊藤金逸医学博士の原文を掲載します。

(適所―感覚所―覚所―心所) (雙菊イトオテルミン療法要義 伊藤金逸医学博士著)p92

冷温器使用のイトオテルミーには感覚生理の実験研究及び心理実験研究「適所―感覚所―覚所―心所」の応用所を確定したことであります。断然我れ等が今後待つ医学或いは医術と擁立して盛り上げて行きましょう。徐に静かに以て守り前途三百年位に理解されなば充分であります。五官器皮膚には全皮(肌)或は粘膜に適所が致る所に存在す、故に必要に応じ必要性に応じ必要性の適所に冷温器を当て説明の点擦をなし、イトオテルミー効果を充分に発起せしむることである。かんたんに使用が出来ます、無害効果百パーセントに見るべし、感覚所といふは皮膚又は粘膜の知覚神経の感覚装置の所在するに当たるところであります、自由に適所の内に求められてある、適所―感覚所は外部より自由撰定が認められます、冷温器の点擦に一致する外管底帽頭の面幅直径は原則として感覚生理実験に由りて皮膚の感覚領域と略ぼ平均一致すべく算出されたことで凡そ充分に効力が認められてあります。此の冷温器は帽頭の面幅より点擦する触、温(冷)、痛その他感覚に要する自然力活動が皮膚又は粘膜上の適所に送られることであります、要するに古実の灸所などいふ数々を知ることの七面倒から脱却しかんたんに適所といふ科学性を充分に含蓄の発見文字にて処理が出来ますようになったのであります。人体に必要なる適正刺激は冷温器内の雙菊イトオテルミン炷火より発起放出して行きます。一と度適所―感覚所皮膚又は粘膜感覚装置に適正刺激が受け入れられまするとその以後は脊髄、脳髄の覚所へ神経機転―伝導といふことにより認知(識)前程が内に悟られるのであります。そのことを司る所が覚所といふのであります。覚所を経由し充分に認知の上心念を作るところ即ち心所であるといふてもおきます、適正刺激に対し答えが良、不良あるに対しそれを適、不適応刺激といふことになります、冷温器イトオテルミーは、心理学上いふ七情(喜、怒、哀、懼、愛、悪、慾)-宗教上には哀が憂―悪が憎―感情識、心の内のそれを衝動せしむるところのものであります。その内大の喜び七情が現出され来るものとす、心とは知、情、意の三識一念(点)存在でもありませう、故に冷温器イトオテルミーは心所を突き又は動かすところのものであることが判明して来ませう、即ち覚所―心所の名は内部意中識裡に館考へられ第六感所在を指しています。

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イトオテルミーとツボ

2022年04月25日 | イトオテルミー

イトオテルミーの歴史に学ぶ② 学院生教材                    令和4年4月

学院生(イトテルミーの療術資格を取ることを学んでいる学生)と共にイトテルミーの成り立ちを学んでいきます。

☆「なでくりゃなおる」の理解のために

ツボ、灸処「イトテルミーの原著紹介」(長嶋 光 著)p31

 お灸では灸処と云いますか、ツボを知ることは必須の要件でありましょう。それではイトかオテルミーには、お灸のこのツボに相当するもものがあるのでしょうか。若しありととすれば、吾々素人にはその修業が大変なことになります。

 結論から先に申しましょう。ツボは知っていても良し知らなくても良しと云うことになると思います。要義本31頁「灸処、灸のツボ、ヘット氏帯、知覚過敏帯」の項に「一般の灸処に由る。採用するも良く、せざるも各人の自由とし、便宜取捨すべし。」とあり、又同72頁には、五官器、皮膚には全皮(肌)或いは粘膜に適所が到る所に存在する。故に必要に応じ必要性の適所に冷温器を当て、説明の点薩摩擦をなし効果を十分に発起せしむることである。―・・・―要するに故実の灸所などという数数を知ることの七面倒から脱却し、簡単に適所という科学性を十分に含蓄した発明の文字で、処理が出来ますようになったのでありますとされ、更に原著「点灸様式の圧を擦する時、其の目的に適合するものなり」と明記されいるからであります。

 灸処の中には、現代の医学上から見て、間違っているものもあると云われています。灸処も研究されたい篤志家は別として、テルミー一筋に進まんとする方は、安んじて「人体到る処にある孔穴」を対象としていいのではないでしょうか。それに生理、解剖学の基礎的な心得があれば、あれこれ迷わずとも、効果は十分期待できましょう。

 大先生(金逸博士)は原著の中で、「なでくりゃなおる」ということを云っておられます。之迄の研究により、万病が栄養熱の低下したものであり、イトオテルミーの等火熱が直ちにこの失われた熱の補給するものとすれば知れば、病気の消退は当然のことであり、又病名の区別の必要もなくどの病気にもあてはまることとなるのは、自明の理でありましょう。なでくりゃなおることになります。

 

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イトオテルミーの原点を学ぶ

2022年04月14日 | イトオテルミー

イトオテルミーの歴史に学ぶ①学院生教材                    令和4年4月

最近、イトオテルミーの学院生(イトオテルミーの指導師資格を取るため学んでいる人たち)の講習で痛感したのは、もっとイトオテルミーの効果・歴史的背景を知っておくべきだということでした。最近の学院生の方が、私より体験的にしっかりとテルミーの良さ、効果を確信しています。テルミーをかけてもらったり、かけたりすることでその気持ちの良さ、心身の具合が良くなることを体験的に知っています。

20年ほど前から、イトオテルミーの創見者の伊藤金逸博士の不朽の名著「イトオテルミー原著 全5冊」(絶版)をネット等で探していますが、残念ながらありません。「原著全5冊」が手に入らないため、「健康療法 イトオテルミー要義(平成18年度版)」及び「雙菊 イトテルミン療法要義(昭和33年度版)」で「原著」を垣間見ています。また、「イトテルミーの原著紹介」(長嶋 光 著)が手引書になりました。

 

Ⅲ、東 洋医学的物理療法(「イトテルミー概論」 三代目会長 伊藤 元明 医学博士著)

⑴針灸医学との接点

昭和9年、イトオテルミー点擦様式、ネオ・イトオテルミー点針様式の応用術式に供するために「ポイント、点擦の図譜イトテルミー」が一時期発行され、その一部は教材「イトオテルミー要義」に掲載されたことがあります。1から72までのテルミーポイント図は、金逸博士の基礎的、臨床的実験から補足修正された経緯があり、本療法の二大施術法(全身テルミーと局所テルミー)が確立してからテルミーポイント図譜の応用はひとまず否定したのです。

 金逸博士は、教材「イトオテルミー要義」に記載されている灸所(灸処)、炷火(しゅか)、鍼(針)、点灸、全点灸などの文字は、針灸医学の治療精神を畏敬しての使用であり、施灸、施針をなすものではないと用語の説明で述懐しています。なお、経穴・経絡の応用は術者の随意とすると明記しています。

 

⑵適所・覚所・感覚所・心所をたずねて

 原典の1章に、「テルミーの操作に当たりて術者の巧手が皮膚の上に下りたる個所、即ちあてどもなく便宜に手を下せし所、その個所を皮膚上の適所といふ」とあり、この意は冷温器による皮膚の一点擦、一摩擦の個所が“適所”であり、この“適所”の表現は、術者の立場からのものです。“覚所”とは、人体の活機の立場、すなわち冷温器の刺激をうけとめる生体側の表現です。刺激を受けた覚所は、神経機転を発揚して全機作用を発起する引き金となる場所であることから同一個所である覚所は“感覚所”であると記述しています。“心所”とは、覚所・感覚所の刺激興奮が神経機転を通じて心理作用を発起することから“心所”と呼びました。心所は、知情意の三識に影響し仁心、義心、礼心、智心、信心などの動静に関与し、また喜怒哀楽憎悪などの消長をも反映するのであると論じ、以上のことから“適所、感覚所、心所”を含む“覚所”は、外界の刺激を受け入れる所の“刺激接触門”であると論述しました。

 これらの新術語は、一見すると宗教文学表現に思われますが、むしろ西洋医学でいう感覚生理学の日本語的表現と理解します。金逸博士のいう“健生の保全”、その“健生”は生理学書では単に生理学てき官能の文字によって表現されるのみで、冷温器による皮膚の一点擦・一摩擦が等化性刺激となって人体の生活機能を一斉に喚起することを強調するために造語をもって表現したものと理解します。

 ドイツ医学を学習した金逸博士は西洋医学の科学性を軸に宗教・哲学の思想を包含する表現法を随所に展開しています。それらの象徴的言語は東洋文化的な表現様式に委ねられていますが、その根底に西洋文化的な科学性が流れているのです。

 東西の哲学思想を畏敬し、針灸医学を学習するなかから、創意工夫のモチーフとヒントを得た金逸博士は、本療法の臨床的治験から全身テルミーと局所テルミーの二大術式を確立しました。皮膚の一点刺激が有機体に及ぼす効果を局所と全身性に求めて確立した不即不離のテルミー術式は、日本人の手による新しい治術―独自性=へとすすめられたのです。P67

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