の続きです。
ADHDタイプの子の学齢期の様子。
まさに息子の姿!と言いたくなる描写が続きます。
★授業にて
ADHDタイプの子は、黙って座っていることが非常に苦手です。
例えば授業中、じっと座って
黒板だけを見ているなんて出来ません。
常に全方位360°に注意が向いているのです。
1年生が校庭で体育してる、
風でカーテンがパタパタしてる、
隣の子の消しゴムかわいいじゃん、
先生の鼻毛見えてる・・・。
トンボが入ってこようものなら大事件。
「トンボだ!」と叫ぶし、追いかけたくなる。
授業に集中しろと言われても無理。
我々は、そこまで鈍感にはできていないのです。
しかし、「問題児」だって、
実は集団授業の役に立っている。
他の子にとっても45分間座りっぱなしの授業は苦痛。
それでも耐えられるのは「問題児」がいるから。
トンチンカンな答えや予想外のリアクションなどに
わっと笑ってリフレッシュするからこそ、
授業がもつのだ。
ほんと、その通りですよね^^
指導力のある先生は、それが良く分かっていて、
授業の活力、リフレッシュに
このタイプの子の言動を上手に利用します。
そういう授業は、どんなタイプの子にとっても楽しい。
もちろん、ADHDタイプの子の満足度も高い。
好きな先生の言うことは素直に聞くので、
伸び伸びと行動しながらも
やり過ぎないようにするコントロールが上手になります。
★指導者について
レベルの低い指導者は、相手がどんな子であろうと
自分のやり方を押し通し、
ついてこられない相手を非難します。
それで出来るようになる子もいるが、
「問題児」は傷つくだけ。
良い先生は、「問題児」の扱いが何となくわかっています。
一緒に遊んで、少しふざけて、
面白がらせる空気を作りながら、
「お前のことはよくわかっているよ」と
暗黙のうちに子どもに伝えることができる。
その上でダメなことはダメだと伝え、
すべきことはすべきだと譲らない。
「問題児」は、そういう人の言うことしかきかない。
そして一度信頼すると、その人から多くを吸収する。
こういう良い先生、公立小学校にもいます。
こういう先生に当たれば1年間、
大船に乗った気分で、安心。
子どもの口から出るのは、楽しい報告ばかり。
親は、学校のことは全て先生に委ねて、
感謝だけしていれば良いんですから。
ああ、あの年は良かったな・・・
★中学受験
体験しましたよ、はい。
著者に、全面的に賛同します!
中学受験の競争で勝利しやすいのは発達の早い子。
「問題児」は明らかにオクテですから、
勝負は圧倒的に不利です。
にもかかわらず、塾で徹底的に解法を仕込まれ、
つぶれていく子を何人見てきたことか。
思春期以前の子どもは、とことん遊ばなくてはいけません。
友達との遊び、自然との遊び、
試行錯誤する遊び、楽しい読書、
そういうものを定期預金のように積み上げた結果、
満期金として勉強への意欲が訪れるのだと私は思います。
★公立中学で
公立中学の雑多さで、人間力をつけよう。
「あー、ようやく中学生。あとは自分で頑張ってね」
ではない。
現実的には、親のサポートがここから先の成績を左右する。
最初のテストでは真面目で要領の良い子が
高得点を取るだろうが、
親は、「あなたの方が頭いいと思うんだけどな」
という姿勢を崩さず、
「問題児」に根気よくテスト勉強の仕方を教えましょう。
トップ層が抜けた公立で、上位に入るのは十分可能。
それが自信につながる。
これ、ついこの間、痛感しました(笑)
テスト勉強の仕方って
放っておいたら本当に分からないんだな、と。
教えないといけないのね・・・。
★受験(内申)
これはもう、絶対、親の手助け必要!!!
どうすれば忘れないか、自分なりの方策を
親の目が届くうちに見つけさせないと・・・。
内申点に必要なことは、「問題児」たちの超苦手分野。
「アナタの賢さに対して、
これは評価が低すぎると思う。
悔しい。
でも、世の中には上司の評価が低くて
正当な給与がもらえない人も沢山いるのが現実。
社会勉強だと思って、
評価が上がるような行動をしてみなさい」
と言ってみる。
宿題、忘れ物、プリント、教科書の管理、
提出物の〆切が記入できるカレンダー、
持ち物チェック表を玄関に用意するなど
親が手伝ってもよい。
「問題児」が得意なのは当日点。
追い詰められた方が実力を発揮できる。
そうそう。本番には強いんですよね(笑)
私も、どちらかと言えばそっちです。
(私はADHD的ではないのだけれど)
良いことなんですが、
「自分は本番に強いから大丈夫」と過信して、
準備を怠りすぎる可能性があってね・・・
そこは警戒すべきだな、と
自分の過去の失敗から思います。
★就職
自分の好きなことが分かっている人間は強い。
企業選びはスムーズ。
国語力があると、エントリーシートはサクサク書ける。
志望動機が明確だから、
思いを込めて自分のしたいことを語れる。
突然の質問にも、
持ち前のひらめき力と論理性で切り返せる。
そして何より、「問題児」は元気。
ここで働きたい気持ちで目が輝いている。
もちろんサラリーマンだけが道では無い。
できればフリーランスでも生きられるよう、
子どもには特技を与えて欲しい。
従来の枠に囚われず仕事を探すチャレンジ精神も
「問題児」ならでは。
ここまで上手くいくかどうかはさておき(笑)、
まあ、「自分を売り込む」のは
こういう子たちの得意分野でしょうね。
まず興味の幅が広いし、
面白がって何にでも首を突っ込むから
経験の幅も広いだろうし、
自分のことが大好きなポジティブ君だし、
人とのコミュニケーションも得意ですからね。
大学のAO入試も、
このタイプの子に良さそうな感じ。
昔より選択肢が増えているようで、
良いことだな、と思います。
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次は、こういうADHDタイプの子を
育てるにあたっての具体的な注意点を。