olatissimo

この島で生まれた息子はなんと中学生。ほぼ育児日記です。

『成功する子 失敗する子』(3)高校卒業、大学受験に向けてのサポート

2019-02-06 | 読書メモ
『成功する子 失敗する子』

の続きです。

次は思春期以降の子どものことです。


個人的に、息子を鑑みて
とても気になったのがこの部分です。


**


オプティミストは空想を好む。
到達したい未来を想像し、
それに伴う良いこと(賞賛や成功)を思い描く。
ドーパミン分泌の引き金になり、本当に気分がよいが、
 実際の達成にはつながらない。

(↑まさに息子っ!!!!)


ペシミストはゴールに至るまでのあらゆる障害を「思案」する。
それに気を取られて、気が散る。
思案もまた実際の達成にはつながらない

(↑ああ、私だ・・・)


その二つを組み合わせることで、
望ましい未来に到達するために乗り超えるべき障害が浮かび上がる。

次のステップは、実行意図を作り出すこと。
「もしTVに気をとられそうになっても、
先に宿題を済ませてからTVを見る」など、
自分のためのルールを作る

ルールを作ると前頭前皮質を味方につけることができる。
つまり、本能に対抗できる。
ルールは意思力と同じでは無い。
メタ認知を利用した意思力の代用品である。

習慣と性格は本質的に同じ。
良い子どもと悪い子どもがいるのではなく、
良い習慣を持った子どもと悪い習慣を持った子どもがいるのだ。
習慣を変えるのは大変だが、不可能では無い。



**


・・・ルール作りね。(心の中に太字でメモ)
よし。やらせよう。
息子にやらせよう!

意思の力が弱いなら、
もうこの際、代用品でけっこう!!!





----- 以下、重要事項の覚え書き -----



【KIPPアカデミー】1999年
ブロンクスで成功、GAPの寄付のおかげで全国組織へと拡大。

最初の生徒は、クラスのほぼ全員が
高校を卒業し、大学に進学。
しかし、6年後、大学を修了した者は21%(8名)。

KIPPは、一つの家族のような密な集団。
密着した指導のおかげで学業はできたけど、
そこを出ても1人でモチベーションを保ち続けるための
 感情面、心理面が育っていなかった

大学で粘れるのは、必ずしもKIPPで成績が良かった者ではない。
楽観的で、悪い成績をとってもすぐに立ち直り、
次は頑張ろうと思える子。
柔軟で、人付き合いが出来る子。
ケンカから立ち直ったり、
先生を説得して教えてもらったり、
遊びに行く衝動を抑えて勉強が出来る子。
そういう子が最後に成功する。



【ダックワースの研究】

知能検査よりも自制心評価の結果の方が、
評定平均をより正確に予測する指標となった。
「やり抜く力」(グリット)・・・ダックワースが命名
グリットや自制心は、失敗を通して手に入れるしかない



【裕福な家庭の問題】
「成果を上げる事への過大なプレッシャーと、精神、感情の両面における孤立」
レヴァイン『特権の代償』

裕福な両親の子ども達が、
中学辺りから精神面の問題を抱え始める率は高い。
親は、子どもと精神的に距離を置きたがり、
同時に高いレベルの成果を要求する。

アルコールやタバコ、マリファナや違法ドラッグを
常用している十代は、
貧しい地区より裕福な地区に多かった。
鬱にかかる割合も高い。

社会経済の両端どちらでも、
子どもの不適応を予測できる家庭の特質は共通していた。
母親のアタッチメントレベルが低い
親が過度に批判的放課後に大人の目が行き届かない

親子の感情面のつながりが無い場合、
親は子どもの悪い行いにひどく甘い。




【性格を変える】

悲観主義の子どもを楽観主義に変えるのに最適な時期は
「思春期より前、
しかしメタ認知ができる(思考についての思考ができる)程度には
成長した頃」。

しかし、性格について考えたり話したりするだけでは十分ではない
観念の上で理解するのは大事だが、
実際に気質を育むのは別の問題
意思の力とモチベーションは別。




【ドゥエックの発見:ステレオタイプの影響】

自分が○○である、というステレオタイプを
かすかにほのめかされるだけでも、
その後のテスト結果に影響する。
(女性は数学に弱い、白人は運動能力が低い、黒人は知的ではない、など)

「知能は影響を受けやすい」と信じている生徒(しなやかな心)は、
「知能や能力は生まれつき変わらない」
と思っている生徒(凝り固まった心)よりも成績が良い。
知能は伸びると信じていると、実際に伸びる。





【アンダーマッチング】

低所得層であったり親が大卒でないなど
不利な状況にある学生は、
大学を選ぶとき、自分の評定よりも
 ずっと低いスコアで入れる大学を選んでいた
富裕層では見られない事象。
しかも、難易度の低い大学を選んだからといって、
大学を卒業する確率が上がる訳では無く、むしろ逆

大学をきちんと卒業できるかどうかは、
共通テスト(SAT、ACT)のスコアではなく、
高校時代の評定平均(モチベーション、粘り強さ、
 学習習慣、時間管理能力などが反映される)
で予測できた。
たとえ高校が困難校であろうと。




【ワンゴールのカリキュラム】

・三年生に行う、ACTへの集中準備講座
  知識と受験戦略を教え、生徒のスコアを「ひどい」から「悪くない」まで高める。

・大学へのロードマップ
  出願から入学まで、全般にわたってサポート。
  アンダーマッチではなく、自分に合った大学を選ぶ。
  出願時のエッセイの書き方、奨学金を探すことも手伝う。

・非認知スキルを伸ばす
  学習能力、学習習慣、時間管理、助力を求める行動、
  社交および学業における問題解決能力

 
「ACTはこれまで受けてきた教育が
 どれだけ効率的だったかを測るものさし。
 知能そのものを測るものさしではない。」
(ワンゴール指導者)

普通の学生にとって、大学1年生は酒を飲む年。
その期間がワンゴールの学生にとって「魔法の時間」。
高校で、普通より3,4年分遅れていた子が、
大学2年生ではしっかり追いついている。

ACTのスコアが低かった学生は
大学の新入生サポートプログラムに登録される。

「どんなに無理に思えても、うんざりするほど大変でも、
 私は諦めない」(ワンゴール卒業生)

今のところ、ワンゴール出身者の大学在学率は84%。


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