olatissimo

この島で生まれた息子はなんと中学生。ほぼ育児日記です。

発達障害と愛着障害が混同されるカラクリ

2016-07-20 | ADHD
つづきです

「発達障害と呼ばないで」
の内容について。


この本によると、やはり近年(この本の出版は2012年)
発達障害と診断される子どもが
急増しているとのこと。


けど実は、軽度発達障害と診断される子どもの中には
本当は愛着障害と診断すべきものが
かなりの割合で紛れ込んでいる、と。


本来の発達障害と愛着障害とでは
原因も違えば治療や対処の方法も根本的に違う

発達障害は遺伝的要因の強い脳の機能障害だけど、
愛着障害は養育環境が主な原因となる。

軽度発達障害の場合、
その両方が要因としてあるケースが
かなりの割合、紛れ込んでいるという。




ではなぜ愛着障害が見逃されるのか。


それは第一に、症状が非常に似ているから。


加えて、発達障害が脳の機能障害だと分かる以前、
障害は育て方のせいだとして
親を責める風潮があった歴史的経緯から
親に責任を問うような診断を下すことに対して
強い忌避感があるから。

また、「あなたのせいではありませんよ」という
メッセージを親に届けることで、
育児に大変な思いをしている親の
心理的負担を少しでも軽くして
子どもに良い育児環境を与えたいからでもある。



では、それほど症状が似ているのはなぜなのか。

それは遺伝子レベルの問題である発達障害と
環境要因によって発症する愛着障害とは、
要因は違うけれど、
症状を発生させるメカニズムは共通する部分が大きいから。

自閉症と愛着障害は、どちらも
対人関係や社会性、安心感、
ストレスへの抵抗を左右する
オキシトシン・システム
不安定であるところが共通している。

ADHDの場合は、ドーパミン・システムが問題で
それが間接的にオキシトシン・システムを阻害する。



とまあ、こうした理由で
発達障害を疑われた子どもの中の
愛着障害を見逃すことで、
改善できる症状も改善されないまま
放置することになってしまう。

それが一番の問題。


誰が悪い、という犯人捜しをしたいのではなく、
どうすれば問題を改善できるか、という
適切な方法を探るために、
遺伝要因に加えて環境要因が影響しているということを
きちんと把握する必要がある、
という話です。




諸々、スッと納得できました。

ということで、タイトルからは分かりませんが、
この本、愛着障害に関して
詳しく説明されている本
です。



次に問題の愛着障害と
水ぶくれしたADHDの診断について。

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