某縣立Ｃ高校創立１１１周年記念式典

平成元年１１月１１日。

この日、千葉で私の母校の高校の山岳部ＯＢ會があつた。
私は、當時、會社で社内誌の擔當もしてゐたので、營業所巡りといふコーナーで取り上げる營業所を船橋營業所にし、取材日をこの日にしたのであつた。
で、ひるは營業所でインタビューをしたり、營業所近くの名所案内といふことでディズニーランドの入り口で女子社員の寫眞を撮つたり。
そして、夜は千葉で山岳部ＯＢ會に參加。

そのＯＢ會の席上、面白い話を聞いた。
私の母校は、かなり傳統があるといふか、古くからある學校で、私が高校３年の時に創立１００周年を迎へた。
なんだか知らないが、１００周年記念イベントと稱して、九十九里濱を１０キロ歩かされた。
１００周年でなんで競歩大會なのか、誰にもわからない謎であつた。

平成元年は創立１１１周年だつたのだとか。
確かに計算はあつてゐる。
「その記念式典がけふあつたんですよ」
と、どなたかが報告してくれた。

「式典は午前１１時１１分から行はれました」

なにそれ？
私には意味がわからなかつた。

「創立１１１周年だから、平成１年１１月１１日１１時１１分から記念式典を始めたらしいですよ」
一同、爆笑。

あ、なあるほど！
私はじつはかういうのが好きなのである。
クルマの距離メーターが１１１１１になつたら、もう拍手喝采してしまふ。
だから、もうぢきなりさうな時は交通量の少ない廣い道を走ることにしてゐるほどだ。
しかし、記念すべき公式行事でかういふ洒落をしてみせるところなぞ、さすがは我が母校だ。
私は改めて母校が好きになつたのであつた。


いま、これを書きながら思ひついたことがある。
あの九十九里の競歩大會のことだ。
創立１００周年に９９里濱・・・
ここにも何かあると考へるのは穿ちすぎだらうか？
砂に足をとられながら１０キロ歩かされた身としては、しょうもない洒落はやめろ！と云ひたい。
でも、１００キロぢやなかつただけ、感謝すべきなのかもしれない。


あ、さういへば、來年は２０１１年。
どうせなら２０１１年１１月１１日にアップすればよかつた。



＜追記＞
この記事を讀んだ高校時代からの友人がメールをくれた。
それによると、「競歩大會」ではなく「強歩大會」であり、距離も１０キロではなくて３０キロ。
確かに、１０キロぢやあ、一所懸命に歩けば２時間あまりでいけるだらうし、走りきつた連中なら１時間もかからないだらう。
３０キロかあ・・・
いまなら最後まで歩く氣力があるかどうか。
たぶん、なんだかんだ理屈をつけて途中でやめてしまふだらうなあ。