史上最高の最終戰！下柳！鳥谷！

甲子園での横濱戰。
2005年リーグ戰の最終戰である。

先發投手は阪神がエース・下柳、横濱が門倉。
關西地方は朝からの雨で、順延かとも思はれたが、さすがは阪神園藝さん、見事にグラウンドを整へてくれた。
けふの試合は、なんと云つても、下柳の最多勝がかかつた大事な試合だ。

４囘表、好投の下柳であつたが、この囘は２つのフォアボールを出してしまひ、これが２失點に繋がつてしまつた。
やばい。
雨も降つてゐるし、ヘタをすると雨でコールド負けなんてことも考へられる。
なんとか、早いうちに逆轉しなければ！

４囘裏、シーツの２壘打から、今岡のタイムリーで１點返した。
この打點で、今岡は１４７打點となり、タイガースの球團新記録となつた。
おめでたう、今岡！

しかし、あとが續かない。
雨も強いし、これはやばい・・・

６囘裏、先頭打者、鳥谷の９號ホームランで同點に追付いた。
バックスクリーンへの見事なホームランだつた。
その後、關本のヒット、檜山のヒット、矢野のフォアボールで２アウト滿壘となるも、藤本が凡退し、またも追加點が入らない。

２－２で迎へた７囘裏。
打順は下柳に廻つて來た。
普通の時なら當然代打が出てくるところだが、けふは下柳で勝たないと意味がない。
打席にはそのまま下柳が入り、８囘の續投が決つた。
頑張れ、下柳！

８囘表、２アウトながら２壘１壘のピンチに村田の打球は左中間の深いところに飛んだ。
これが拔けたら、横濱に追加點となつてしまふところだつたが、赤星がフェンスぎりぎりで追付いてファインプレー。
ありがたう、赤星！
下柳が赤星に拍手を送つてゐたのが印象的だつた。

８囘裏、１アウトから今岡がフォアボールを選び、代走に赤松が登場。
盜壘を決めて、檜山のタイムリーを期待したのだが、檜山が初球をセンターフライ。
２アウトで矢野の打席で盜壘を試みるも、失敗。
なかなか勝ち越せない・・・

２－２のままでの９囘裏。
２アウトで下柳に打順が廻つて來た。
ネクストバッターズ・サークルでは淺井が準備してゐたので、さすがに代打だらうと思つてゐた。
ところが！
球場全體に歡聲が響きわたつたと思つたら、打席には下柳。
それでこそ、男だ、下柳！

１０囘表、１アウト２壘で種田の打球は下柳の横を拔けて行つた。
これはやばい！と思つたら、あらかじめ守備位置をセカンド寄りに移してゐた鳥谷が輕やかに捌いてアウト。
これは地味なプレーながらも、ナイスプレーだつた。

そして、迎へた１０囘裏。
先頭の赤星が倒れて、打席には鳥谷。
カウント２－３からの加藤の６球目を見事に左中間へ１０號サヨナラ・ホームラン！
今シーズンの最終戰は、なんとも劇的な幕切れとなった。
鳥谷、最高だぜ！

ベンチからは、下柳がベルトを締めながら出て來て鳥谷を迎へた。
ユニフォームもはだけてゐて、アンダーシャツも着てゐない。
どうやら、次の囘の投球に備へて、アンダーシャツを交換してゐたところだつたやうだ。

下柳は１０囘を投げきり、１５勝目。
最多勝が確定した。
３７歳での最多勝、これは凄いことだと思ふ。
下柳、今年はほんたうに良くやつてくれた。
１５勝３敗で１２の勝ち越し。
ありがたう、下柳！
明日はゆつくりと休んでくれたまへ。

今シーズンのタイガースの成績は８７勝５４敗戰５分。

最後に、選手會長・今岡が挨拶で云つた。
「今年は日本一になります。應援よろしくお願ひします！」
頼むぞ！タイガース！
２０年振りの日本一目指して、頑張つてくれ！