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空をみるひと

そらをみながら あるいていこう なんでもない ひとであろう …日々や旅、街や自然、季節や未来をみつめるBLOGです

よーくみてごらん。 3 さくらのはな…

2006-04-03 | LearnTheFlowers 自然・農
  

よーくみてごらん。

さくらのはなを。

さくらのはな、は、何色だい?

桜色?

さくらいろ、って、何色だい?


よーくみてごらん。

さくらのはなを。

「満開」って、いつのことだい?

ニュースで言ってたもん。

そう。

で、君のさくらの「満開」はいつ?


よーくみてごらん。

さくらのはなを。

春風に舞う花。

芽吹く若葉。

盛りを過ぎて、忘れられる、さくらのはなを。


よーくみてごらん。




---

3月の27日ごろ。
ニュースで、「満開の桜に…」という声を聞く。
気象庁や報道機関は九段・靖国神社の標本木を基準にしていると聞くけれど、
もう本当に満開を迎えているのかな?と思った。

目白・学習院の杜の桜は、その頃はまだ8部咲き。
花はだいぶ咲いたけれども、枝には、まだ濃いピンク色の蕾たちが、開花のための暖かな日差しを待っていた。

30日の夜には、いよいよほとんどの花が開いた。
これまでに咲いていた花も一層開いて、枝の先にいくつもの、まん丸な花房。
木全体も、咲き誇る花々でふっくらと装っているようだ。
それでいて、枝にはまだ、緑の新芽はない。
こうなってこそ、「満開」というもの。

なので、“僕の今年の桜”は、3月30日を「満開の日」ということにした。

翌31日の夜には、同じ木に、小さな若葉の芽。
さくらのはなのとき、というのは、本当に早くて。
だからこそ、ひとは、これほどまでに、さくらを愛でるのかも知れない。

日曜には雨、との予報だから、「お花見」のピークは土曜だな、なんて思いながら、
近所の神社へ。
そこには、いつも誰もいなくて、静かに花見が出来る。
僕の毎年の場所なのだ。

都内と郊外とでは、たぶん3日ほど、花の時期がずれている。
少し遅い夜桜を見上げながら、巡る時を想ってみる。

週末には少しの雨。
週明けには強い風。

そうして、「さくらのはな」は往く。

春の日に、色褪せて、
春の雨に、散ってゆく。

次の週末には葉桜で、花見をする人もいないだろう。

けれども、僕は。

そんなさくらのはなを、じっくり眺めていたいと思うのだ…。




---

シリーズ「よーくみてごらん。」

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よーくみてごらん。 3 さくらのはな…





桜をみるひと ~西行、植木屋、そして僕らも…

2006-03-28 | LearnTheFlowers 自然・農
   

桜が咲いている。

---

ソメイヨシノの、“限りなく純白に近いピンク”。

いよいよ暖かになる春の日を待って、枝いっぱいに、一斉に咲き誇り。

吹く風に、ひらひらと、はかなげに散ってゆく。

桜の花たち。

---

いわゆるニッポンの春の代名詞でもある、桜。

ある人たちは、桜が咲いて、春を感じ。

また、ある人たちは、お花見に興じる。

あるひとつの、ニッポンの風景。

---

電車の窓から、飛鳥山公園の桜が見えた。

江戸時代よりの、桜の名所。

江戸時代に旅して、花見をしてみたいなあ…。

(*このBLOGでも何度か書いているように、“どこにでも旅が出来る”としたら、広い世界のどこでもなく、昔の日本を旅したい、と、僕は思っています…余談。)

---

古人もまた、桜を愛でた。

古くは、桜といえば、山桜だった。
昨今もてはやされている染井吉野は、江戸期に染井村(現在の駒込)の植木職人が見つけたヒガンザクラとオオシマザクラの交配種だそうだ。
それを一斉に広めたのは、桜を愛する多くの人たち。

ちなみに。
裏高尾の山腹には、日本の桜の保存林があって。
いろんな種類の桜が、それぞれの盛りの時期に、花を咲かせている。

---

桜の歌も沢山。

今どきのポップミュージックでも、桜を歌うヒット曲は多い。

歌人も多く桜を詠んだ。

***
春霞たなびく山の桜花見れども飽かぬ君にもあるかな
ひさかたの光のどけき春の日にしずこころなく花の散るらん 紀友則
***
花の色は移りにけりないたずらにわがみよにふるながめせしまに 小野小町
***

---

中でも。

「桜の歌人」といえば、やっぱり、この人だろう。

西行

***
よしの山花のちりにしこのもとにとめし心はわれをまつらむ
吉野山たかねの桜さきそめばかゝらんものかはなのうすぐも
人はみなよしのゝ山へ入ぬめり都の花にわれはとまらん
たづね入人にはみせじ山桜われとを花にあはんと思へば
山桜さきぬときゝてみにゆかん人をあらそふこゝろとゞめて
やま桜ほどなくみゆるにほひかなさかりを人にまたれまたれて
花のゆきのにはにつもるにあとつけじかどなきやどゝいひちらさせて
ながめつるあしたの雨の庭のおもに花のゆきしく春の夕ぐれ
よしの山ふもとのたきにながす花や峯につもりし雪のした水
ねにかへる花をゝくりてよしの山夏のさかゐに入て出ぬる

「花十首」

***
願わくは花の下にて春死なんその望月の如月のころ
***

***

吉野山こずゑの花を見し日より心は身にも添はずなりけり
あくがるる心はさてもやまざくら散りなんのちや身にかへるべき
花見ればそのいはれとはなけれども心のうちぞ苦しかりける

春風の花を散らすと見る夢の さめても胸のさわぐなりけり

吉野山去年のしをりの道かへてまだ見ぬかたの花を尋ねむ
風越の峯のつづきに咲く花は いつ盛りともなくや散るらん
ならひありて風さそふとも山桜 尋ぬるわれを待ちつけて散れ
吉野山谷へたなびく白雲は峯の 桜の散るにやあるらん
雪と見てかげに桜の乱るれば花の笠着る春の夜の月
もろともにわれをも具して散りぬ花 憂き世をいとふ心ある身ぞ
眺むとて花にもいたく馴れぬれば 散る別れこ悲しかりけれ
いざ今年散れと桜を語らはん なかなかさらば風や惜しむと

***

枚挙に暇はなけれども。

(参考:西行・山家集の「桜」の歌

多くの歌に、桜を詠んでいる西行は、また、こんなことも言っていて、興味深いところ。

***
この世の花は虚妄の花でございます。
この世の月も虚妄の月でございます。
それを知らずに月花を歌に詠んでみても、虚妄な文字をそこに加えるにすぎません。
歌詠みはこの世の花が虚妄に咲き、この世の月が虚妄に輝くことを知りぬかなければなりません。
すべては虚空の中に、はかなく漂うにすぎないのでございます。
それを思い窮(きわ)め、虚空を生き切るのでございます。
すると、そこに、漂うものとして、この世が見えて参ります。
花があり、月があり、雪があるのが見えて参ります。
これはただの雪月花ではございません。
懐かしく、やさしく、この世を慰めるものとして現出(あらわ)れてきた真如不壊(ふえ)の実在(もの)でございます。
歌詠みが花と言い、月と言うとき、それは真如の花であり、真如の月なのでございます。
***

…ウーン、ソラ・カラ・クウ…

---

さてさて。

西行も。
染井の植木さんも。
僕らも。

それぞれに、桜が咲くのをみる。

そんな、春の日々だことだ…。






---

参考:

digital西行庵
私たちの「西行の研究」



ツリーハウスの屋根を葺く…

2006-02-10 | LearnTheFlowers 自然・農
  
ツリーハウスの屋根を葺く

冬枯れの山道を登り
尾根に上がる
中腹の大きな木に渡された
釣り橋を渡る
小さな樹上の小屋が揺れる
ハーネスとロープを確かめて
小さな屋根の上に出る

桧皮を担ぎ上げると
ささくれが軍手に刺さる
大きさ 形 材を選びつつ
屋根の軒先の方から
一枚一枚
水の入らぬように重ねていく
桟木で抑えて
釘で止める

マフラーを脱ぎ
身をせり出すと
落ち葉散り敷く山肌
樅の幹からまわしたロープが
ピンと張り詰めている

地上16メートル
高尾の森に囲まれて
樹上の家の屋根を葺く

暖かな木漏れ日
冷たい風
桧皮の匂い

金槌の音
鋸の音
斧の音
に混じって
笑い声

遠く谷の向こうに高速道路が見える

この山のどこかで天狗が見ている



***

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立春2006 ~新しい春のはじまりは…

2006-02-04 | LearnTheFlowers 自然・農
   

みなさん、こんにちは。

今日は、「立春」。
新しい春が、また巡ってきましたね。

新暦の、旧暦の新年を過ぎましたけれど。

「二十四節気七十二候」とともに暮らすようになった僕には、
今日こそが一年のはじまりのように感じています。

---

さて、今日は。

お粥でも食べて。
(旧暦では、睦月七日。七草の節句。)

高尾でツリーハウス

楽しい一日になりそうです…。

また書きますね。

皆さんも、よい一日を…。




画像1:「たにま」 東山魁夷
画像2:「たにま」 kuu 呑水冷暖自知



高尾山にツリーハウス ~「都会の山で起こっていること」

2006-01-31 | LearnTheFlowers 自然・農
 

***

『Earth Guardian』
地球環境を守る人のエコマガジン月刊アース・ガーディアン


***

雨の日には、図書館に行きます。
今日は、棚に、面白そうな雑誌を発見…。

---

特集は、「知っトク! バイオ燃料」。

気になるなあ。
ちょうど最近、暖房と熱、燃料について勉強していたところだったから。

---

もうひとつ、猛烈にソソられたのは…。

***

自然と暮らしにみる環境―(13)
東京都・高尾山
「都会の山で起こっていること」

***

…思うところあって、雑誌を手に取る。

ページを繰っていくと…やっぱり。

いらっしゃった!
坂田昌子さん。
エコアクション虔十の会代表。


あった!
高尾の森のツリーハウス!

---

今度の週末には高尾山でイヴェント。

TREEDOMワークショップ

屋根葺きと、デッキの基礎作り、だそうだ。
面白そう!!!

---

僕は、高尾の森が、大好きです。

高尾という豊かな自然を、1000万都市の郊外すぐに持っている、僕らTokyoiteは、本当にラッキーだと思う。

そこに、今、トンネルが掘られようとしています。

そしたら、かけがえのない、草木も、動物達も、天狗も、いなくなってしまう…

…AWESOME!!!
…How STUPID???
…マジ、ヤバクナイ???

大切なものを大切にするには、ただじっとしてる訳には行かないなあ…。

なので、このBLOGにも、高尾山について、書いていくことにしました。


---

因みに。

郊外の高尾山に対する、都心の憩いの場、代々木公園。

石原都知事の“東京オリンピック誘致計画”によって、壊されるかも知れません。

“東京オリンピック”???

…ああ、せこい。

---

2010年にヴァンクーヴァー冬季オリンピックがあるけれど。
地元ヴァンクーヴァー市民からは反対の声が高かったそうだ。
静かな住宅地、ウェストヴァンクーヴァーに住む僕の友人は、
決まってしまって、本当に悲しんでいる。
「低俗なコマーシャリズムがかけがえない自然を破壊するだろう」と。

イギリスでは、「駅」が出来ると、周辺地価は急落する。
「駅」は便利だけれど、それよりずっと大切なのは“閑静な住環境”だからだ。
Country gentleman 郷紳のいる、そういう精神文化のある国っていいな。
*日本にも、少なからずいたし、いる(…そのひとりは何を隠そう、この僕なんだけどね)。

---

トゥーマッチな経済・文明は下品だ

不便は上品である

自然とはどういうことか

人間は自然の動物である

…ということを、僕らは、いよいよ、よくよく知っていかなければならないなあ…。

---

とにかく。

『Earth Gardian』をご一読あれ。

虔十の会・TREEDOMワークショップをウォッチ&タッチ。

高尾の森を歩きましょう。

そして。

“地球の衛兵”に、“郷紳”に、なっていこうじゃありませんか!




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【シリーズ】レッツ・ゴー、 高尾さん!

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LIVE!大寒の東京に雪 ~冬雪さえてソラ、カラ、クウ…

2006-01-21 | LearnTheFlowers 自然・農



大寒に入って。

目覚めると、静か。

ベッドの足元の冷たさも、いつもと違うぞ。

冷え切った床にはだしの足を下ろし、

カーテンを引き、

窓を拭いてみる…。

---

東京にも雪!

姪っ子たちからの電話が鳴る!

雪合戦に出陣!

長靴も予備の靴下も、手袋も防寒着もカッパもバッチリ!

外へ飛び出す!

まずは素手で雪に触れる!

冷たい!

---

 冬雪さえて冷しかりけり

  (道元) 

 冬雪さえて、ソラ、カラ、クウ・・・ 
  
  (…タイトル画像)



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ソラ カラ クウ ~新年のごあいさつ2006
美しい日本の私




白雪冬至為誰積

2006-01-21 | LearnTheFlowers 自然・農

***

百花春至為誰開

(『碧巌録』第五則「雪峰尽大地(せっぽうじんだいち)」)

***

白雪冬至為誰積

(『空をみるひと』「LearnTheFlowers 自然・農」)

***


春になれば、花が、ただ、開く。

冬には、雪が、ただ、降り積もるのですね。




( 画像:「白い朝」<部分> 東山魁夷 )

大寒2006 ~雪国・飛騨清見からのたより

2006-01-20 | LearnTheFlowers 自然・農
   
新暦1月20日は、「大寒」の入り。


***

大寒。1/20~2/3。

「冷ゆることの至りて甚だしきときなれば也」(暦便覧) 。
一年で一番寒さの厳しい頃 。

初候 1/20~ 款冬華  ふきのはなさく
次候 1/25~ 水沢腹堅 さわみずこおりつめる
末候 1/30~ 鶏始乳  にわとりはじめてとやにつく

***


東京では、冷たい風がビュウビュウ吹いている。

---

でも、この風。

極寒の大陸(ロシアは今、大変みたいね!)から来る。
日本海を越えて、水分をたっぷり含む。
本州中央部の山にぶつかって。
日本海側に冷たい豪雪を降らせる。
東京に吹く風の冷たさは、そのほんの名残りか。

---

ことに、今年の「記録的大雪」。

多くのヒトや生き物たちの命をいとも簡単に奪う、自然の猛威を見聞きして。

「冬には冬を」

「冬は寒いのが自然」

「ヒトは自然に寄り添って」


だなんて、

冬の穏やかな関東平野の、
ヒーターの効いた部屋から、
のんびりと呼びかけるのが、
はばかられる時もある。

---

でも、そんな僕を勇気付けてくれたのは、雪国・飛騨清見からのたよりだ…。

  
***

オークヴィレッジ倉庫の屋根も… --- 飛騨・清見町より
-----------------------------------------------------------------
雪害を受けた皆さま、清見町の私たちも頑張って雪に耐えています。
-----------------------------------------------------------------

今さら言うまでもなく今年は全国的に記録的大雪。
報道でうかがい知る大雪の事故・被害は、同じ雪国で過ごす立場、我が身のように心が痛みます。

オークヴィレッジでも、2階建ての材料倉庫の平面屋根が雪の重みに耐え切れず、部分崩落してしまいました。
人身事故に繋がらなかったのが不幸中の幸いですが、長い間、風雪から大事な一枚板を守ってくれた屋根の崩落もあって、今年は特に雪を恨めしく思います。

一方で「白い悪魔」「邪魔者以外の何者でもない」、そんな言葉で括られてしまう雪もどこか不憫に感じます。
はらはらと舞う雪、その造形、その景色はどうしても嫌いになれないほどの美しさです。
雪害に遭われた方も少なくない現状下、不謹慎なことを申し上げるかも知れませんが、大雪の年は豊作になる」という言い伝えもあります。
温暖化による「人災」の声も聞かれますが、大雪が天水へと変わる春を今はじっと待ち、豊かに違いない本年の実りを想い描こうではありませんか。

(清見本部・服部修氏 筆)

***

これは、ぬくぬく暮らすネットハンサムのたわごとではなく。
春夏秋冬の“森と生きる”声。

---

今すぐにでも、飛騨の国、清見の森に、飛んでいきたいくらい。

…7月に訪ねた、あの美しい国は、森は、木々は、川は、山は、ひとびとは今頃…?

---

一緒に森の下草刈りをした笑顔の最高に素敵なおじさんの、
Tシャツの胸にあった言葉が、ふと思い出された。


LET'S DON QUIXOTE!


---

やっぱり、僕は。

大きな自然の中で生きる、ちいさな動物でありたいな。

そして、その中の、希望や涙を、生きていきたいな。

時代錯誤の滑稽なロマンティストで、いいじゃないか…。

---

部屋のストーブなどとっとと消して、早く寝よう。




関連記事:

小寒 ~寒中見舞い2006 マイ歳時記
森と生きる 1 ~行ってきました、飛騨の国
森と生きる 2 ~「山国」とは…
ちいさな自分、という喜び ~ Patagonia社の広告
大寒2005 ~マイ歳時記 月 薄氷 寒稽古 梅の花

オークヴィレッジ メールマガジン
Oak Village オークヴィレッジ




ピースガーデン日記 4 ~初冬2005 落葉の季節は畑へ

2005-11-14 | LearnTheFlowers 自然・農
立冬の頃。

落葉があんまりキレイだから、

畑へ行ってみる。


---

夏の緑も、豆類も、すっかり消えて。
積み重ねた枯草も乾いている。

その中にも、少しの緑。
伸びきったルッコラ。
ニンジンもまだ獲れた。
ハーブは元気。
ナスタチウムの花の朱と明るい緑がキレイ
今夜のサラダは決まった。

---

種を採る。
夕顔。
ニラ。
オクラ

---

担いできた枯葉を敷き詰める。
不耕起の土のベッドに、カラフルなブランケット

巡り来る季節のために。
再び萌え出る命のために。

---

バッタが1匹。
小さな姪っ子たちと、しばらく追っかけまわす。

---

巡る季節の、あるいち日。

美しい畑で過ごす。

ピースな心を、育ててみる…。





---

「ピースガーデン日記」シリーズ:

ピースガーデン日記 序 ① 僕と農と、「ピースガーデン」までの経緯
ピースガーデン日記 序 ② ピースな畑のデザイン概説

ピースガーデン日記2005 1 9をまくひと
ピースガーデン日記2005 2 空梅雨と、畑の水やりと、キッチンガーデン・エコハウス構想
大暑2005 ~ピースガーデン日記2005 3 暑中見舞い
ピースガーデン日記2005 4 初冬2005 落葉の季節は畑へ

ピースガーデン日記2006 1 春の訪れに寄せて…
ピースガーデン日記2006 2 春、畑の準備と種まき
ピースガーデン日記2006 3 立夏2006、または、月の満ちる頃
ピースガーデン日記2006 4 雨の卯月…
ピースガーデン日記2006 5 新月だから…




枯葉散る夕暮れは… ある日の「もったいない」と、無常という事

2005-11-14 | LearnTheFlowers 自然・農

枯葉散る夕暮れは
来る日の寒さを物語り


---

よく晴れた日曜の午後にも、風は冷たい。

いよいよ、北の空から寒気がやってきた。

通りの並木も色を変え。
その足元も赤や黄に染まる。

---

それを眺めながら歩いていた。

彼女が言う…

「キレイね。」

僕は言う…

「もったいない!」

---

家に帰って、箒と塵取りを出してきた。

---

通りに散り敷いた落ち葉を集める。
10mほどで、袋にいっぱい


---

通りの向かいには、家の前を掃くおばさま。
集めた落ち葉を袋詰して、ゴミ集積場に出していた。

ラッキー。
それも頂戴しよう。

---

それを畑に担いでいく。

僕の「ピースガーデン」が、カラフルになる。


---

思えば。
アスファルトが敷き詰められた街では、枯葉には“還る”場所がない。
雨もその土地に沁み込まない。
花粉も、降っては舞い上がる。

ヒトも。
現行法は、ヒトが、そのまま土に還るのを禁じている。

“これは自然だろうか?”

---


恋人よ
さようなら
季節は巡ってくるけど
あの日のふたり
宵の流れ星
浮かんでは消える
無常の夢よ


---

恋人よ。

大丈夫。

季節も、僕らも、移ろい、巡ってく。

それでいい。

それが、いいんだから。

---

日暮れも早くなった。

手をつないで。

おうちに帰ろう。





***

NOW&FOREVER~ベスト
五輪真弓
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***

関連記事:
5Rs of Mottainai ~もったいない五箇条と五戒文など
Say "Mottainai"「もったいない」 ~続:ワンガリ・マータイさんがくれたもの
11月はじめ~マイ歳時記~無常という事
ピースガーデン日記 4 ~初冬2005 落葉の季節は畑へ
『自然のレッスン』 北山耕平





目白の丘 ~ 地図 等高線

2005-07-22 | LearnTheFlowers 自然・農
よく晴れた日の夕暮れ時

気づけば すこし雨が降ったようだ

学習院の森から

今年はじめての

ヒグラシの声がきこえる


---

知れば
このあたり
江戸時代からお屋敷町

山県有朋邸は椿山荘に
角さんち
中曽根さんち
学習院

いわゆる「山の手」
南向きの傾斜地は今も昔も一等地
「都内で2番目の急坂」もある

下れば神田川
戦後すぐには 投網を打つ漁師がいたそう
100mプールを備えた 国立船舶研究所なんてのが ついこないだまであった

面白いもので
坂の下には下町風情が
歌舞伎町・大久保からはみ出してくる外国人も多い

---

とにかく

学習院のおかげか
山の手神話のおかげか

この東京で まとまった緑の残る貴重な場所

---

おかげさまで

ヒグラシの夕べ

「東京の地図にも等高線を」

なんて

ぼんやりと考えながら

少し湿った

風に吹かれる

木々の梢を眺めている




よーくみてごらん。 2 東京の谷間に…

2005-07-22 | LearnTheFlowers 自然・農
昼休み
本を返しに図書館へ

アルミガラスとタイルの中庭

意外にも風が渡って
鉢植えの木々の木漏れ日

きもちがいいからベンチに座る

ふと、みれば

「シラカシ ブナ科」

根元には芽ぶきいくつか
地面の苔もしっかりしたもの

野生の木々とは言わないけれど
なかなかたいした森のよう

東京のビルの林のその中で
自然は静かに息をしている

…もし、東京から、ヒトが消えたら?
…1年もすれば、そこここに、緑が息吹くだろうな
…数年もすれば、道やビルを、緑が覆うだろうな
…数十年もすれば、東京は、森になってるだろうな

真昼の夢からわれに返れば

明治通りの音が聞こえる
おじいさんがタバコを吹かす
こどもたちが駆けてでてゆく

---

「地球にやさしく」なんて、よく聞くけれど。
「ヒトがなんとかなるように」が、その本意でしょ?

地球は、自然は、大きく逞しく、かつ、デリケート。
ヒトは、文明は、いまだ幼くて、そのくせ、欲望はパワフル。

---

夏が過ぎたら。
ビルの脇に見つけた、ミントの種を採って。
この東京の、道みちに、こっそり蒔いて歩こうか。


---

シリーズ「よーくみてごらん。」

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---

関連記事:

2005年5月15日の「空」 2 ワークショップ 森と種
ピースガーデン日記1 ~9をまくひと





森と生きる 2 ~「山国」とは…

2005-07-13 | LearnTheFlowers 自然・農
行ってきました、飛騨の国

東京に戻って数日経つけれど…。

---

いやあ、参った!

僕は、富士の麓の生まれで、街暮らしが長くなった今でも“山育ち”を自負していたんだけれど、今後、飛騨のひとの前では、決してそんなことは言えません。

---

飛騨。
「山国」とは、ああいうところ。

深ーい森と、冷たーい水の国…。

---

以前訪ねた山国:和歌山・紀伊山地の峰みねとは、また、樹相が違って。
もちろん、富士山麓とも、だいぶ違う。

飛騨の森は、静か、だった。

---

冬にも訪ねたいな。

度々、訪ねたくなった。

---

植林?

そう、「植林」に行ったんだ。

面白かった。

---

…いやあ、まだ、気持ちが落ち着かないのだ…

改めます。



*画像:山へ入る、の図。