新暦5月は、旧暦4月(卯月)。
節気もいよいよ穀雨から立夏・小満へと移ってゆく、この頃。
街では、ソメイヨシノの花はとうに去り、枝に緑が青みゆく時。
では、山では…?
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エヘン。
「レッツ・ゴー、 高尾さん!」
東京が誇る、緑の宝庫、高尾山。
しかも、新宿からわずか1時間。
子供からお年寄りまで登れる山。
ケーブルカーあり、リフトあり。
売店あり、ガイドセンターあり。
静かな山道と、涼やかな沢。
空は広くて、風も爽やか。
豊かな木々に、いろんな生き物。
オオタカが飛び、ムササビが飛び、天狗も飛ぶ山。
…ああだこうだは尽きないけれど。
とにかく。
行ってみません?
高尾さん。
GWには沢山の人で「ハイキング渋滞」かな?
その後の平日なんかは、ひっそりしているかな?
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さて、今日は。
「ゴールデンウィーク」に因んで。
自称“ウルトラライト・バックパッカー”、僕、kuuの、
“高尾山お勧めモデルコース”を、紹介してみようと思います。
主に、高尾山と聞いてもピンと来ない方、お山を歩く、ということに親しみのない方を対象に。
お天気も「絶好の行楽日和」らしいですよ!
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●アクセス/トレイルヘッドは?
都心からは、JR中央線か、京王線にて、高尾方面を目指しましょう。
神奈川からは、横浜線、埼玉・千葉からは、武蔵野線が便利かもしれません。
*JR・京王「高尾」駅ではなく、京王「高尾山口」駅で下車しましょう。登山口はがすぐなので。
●登り、のコースは?
・沢コース…6号路:びわ滝コース…途中、浅い沢の中を歩きます(飛び石ありなので安心)…kuuオススメです。
・尾根コース…5号路:稲荷山コース…急登になりますが、一部眺めよし?…下山時のコースにするのもよし
●頂上は?お昼ごはんは?
頂上は、とっても広くて。
一部、舗装箇所もあり。
ハイヒールで歩いて上がってきたヒトを見たこともあり(笑)。
そのくらい気軽な山なんだなあ、高尾さんって。
売店もあって。
食べ物もあり。お酒だってあり。
ただ、いわゆる「頂上」付近は、ヒトで混雑していることが多いんだな。
なので。
僕は、いつも、少し離れたで、お弁当を食べます。
高尾山頂上から、隣の城山方面に少し歩いた、「一丁平」までの間にも、感じのいいポイントがいくつか。
静かで、風も渡って、気持ちイイんだなあ。
●下りのコースは?
そう。
実は、この下りコースこそ、今日のこの記事のメイン・イヴェントなのです。
kuuお勧めの下りコースは・・・
4号路:吊り橋コース→「学習の歩道」→日影沢林道→日影バス停。
素晴らしいハイキング・コース!!!
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高尾山頂から、北側へと降りる道。
少しヒンヤリとした風と、木漏れ日が心地いい。
高尾の自然・動植物をガイドする案内板があって。
子どもでも親でも、街っ子でも、自然のすがたに親しめる。
少しばかりいくと分岐の看板。
まっすぐ尾根を進むと吊り橋経由で、リフトの駅。
親子連れにもフレンドリーな山、高尾さん。
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さて、僕ならば。
左折して「4号路:吊り橋コース」をそれ、「学習の歩道」に進みたい。
この道がまた、素晴らしくよいのだ。
尾根から沢筋へと下りていく道の両側に、
多種多様な木々や草花が暮らしていて、
思わず足を止めて、よーく観てしまう。
こないだ、4月頃なら、スミレの花を撮るために、カメラマンさんが沢山、道の脇、地面にかがみこんでいた。
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とてもありがたいことに。
この道沿いの木々たちは、なんと…”名札”をつけている!!!
それがどうした?
(…いよいよ、ここいらが、今回のこの記事の核心です…)
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木々に名札が付いている。
だから。
キレイだなー!、と思った木が、なんと言う名前なのか、すぐにわかるのだ。
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それで、どうした!?
いや、別に、たいしたことじゃないかも。
でも。
たとえば。
カフェで。
キレイだなー!、と思った店員さんがいたら。
胸にネームプレートをつけているのに気付けば、思わず、目が行かない?
<へえ、齋藤さんかあ…難しい方の、だぁ…>なんつって。
で。
ずいぶん経って、日常のある一瞬に、ふと、カフェのこと、店員さんのことを思い出したりして。
その時、きっと、「齋藤さん」と、その姿を、スッと思い出せるのでは…?
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で、何だって?
いやいや、別に。
何だって、訳じゃあないんだけれど。
山道を歩いていて、目を留めたくなるような木々や花、草や苔、生き物たちに出会ったら。
出来るだけ、その名前を知りたい、と僕はこの頃、改めて思うように。
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齋藤さん。
もし、名前を知らなかったら。
あの店員さん、とか。
あの黒猫ちゃん、とか。
一人勝手に、テキトーに呼んで。
曖昧に思い出しているかも。
でも、名前を知っていれば。
齋藤さん、とスッキリ。
そして、いつか、カフェで、
「こんにちは、齋藤さん。」
と、声も掛けられるじゃあないか。
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木々も。
あの幹のまだらに白い木とか。
あの針葉樹のナニカとか。
あの葉っぱのデカイ木とか。
それでもいいけれど。
ヒメシャラ。
アカマツ。
ホオノキ。
と、名前で呼べれば、スッキリ。
道々に出会う木々にだって、堂々と挨拶できる、ってもんだ。
なにしろ。
彼らは、高尾さんの住人。
ぼくは、訪れる旅人。
こんにちは、おじゃまします、は、こちらから、言わなきゃ。
その時に、名前も知らないのは、やっぱりどこか失礼だもんなあ。
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また、名前から先に入る、ってことも。
「学習の歩道」で、こないだ、僕は、「そろ」の木と出会った。
「そろ」。
なんとも、可愛い名前じゃないか!
そろ、ソロ、solo...うーん、とか言ってみたりする。
肝心の、その木の様子は…今では、うろ覚え(笑)。
でも、いいの!
また歩くから。
一本の木に会うために、トコトコと高尾さんまで出かけていく、ってのも、またおかし。
そして、僕は、「そろ」という可愛い名前の、その木を探す。
そして、また少し、仲良くなれるさ。
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…そんな訳で。
木々の名前を覚えたいと思っている僕にとって、
高尾さんの、「学習の歩道」は、うってつけの道なのだ。
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道行く中高年のおばさま方は、花や木々に、めっぽう強くて。
花よりも、花の名前の方が好きなんじゃなかいか!?ってくらい(笑)。
そんな大先輩と道の途中で出会ったら。
出来るだけ、花や木々の名前を訊いてみることにしている。
皆、喜んで、教えてくれる。
たとえば。
僕が、以前、「コブラ草」と、勝手に(!)呼んでいた花は、
「ミミガタテンナンショウ」って言うんだそうだ。
それはそれは、今まで失礼しました、ミミガタテンナンショウさん。
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もちろん、そんなこんなには関係なくとも。
高尾さん。
4号路:吊り橋コース→「学習の歩道」→日影沢林道→日影バス停。
とにかく、素晴らしいハイキング・コース。
単純に、歩くのに気持ちのいい道です。
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●下山後は?
一時間前後歩いて、沢近くに下りていくと、ゴールも近い。
日影沢キャンプ場を越して、バス通りに当たる。
その近くには、ビューティフルな
ツリーハウスtree houseもある!!!
(
別記事も参照のこと。ここについては、また書いていきます。)
バス通りを坂を下るように1分歩けば、「日影」バス停。
JR・京王「高尾」駅まで15分ほど(注:午後の便はハイキング客で込み合います!)。
もしくは。
次のバス停:「摺差(するさし)」まで、高尾駅方面に歩いてみるのもオススメ。
自家焙煎コーヒーの店あり。
高尾の美味しい水を使った、それは美味しい豆腐あり(「するさし豆腐」さん)。
季節によっては、地元で獲れたての山菜・野菜などの露店も。
で、バスの終点:JR・京王「高尾」駅駅に着いたら、おうちへの旅。
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●所要時間は?
急げば、1時間強で登って、一時間弱で下りてきます。
でも、急いだら、もったいない。
ゆっくり登って2、時間から3時間、下りも2時間以上、見ておくのがいいのかな。
高尾さんは、ひとつの小山に沢山のコースがあるのも魅力。
また、高尾山から、城山・小仏峠・影信山・陣場山・和田峠…と、尾根が続いていて、
その、それぞれに登山・下山のルートがあって、
コースの設定が自由自在なのも、とっても便利。
その日の天気や気分・体調に合わせて、いろんな風に小山の時間を過ごせる、って訳。
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さてさて。
高尾さんを歩いてみる。
朝、高尾前の私と。
午後、高尾後の私と。
ナニカ、違ったりするかな?
その気になったら、一度。
一度と言わず、たまにでも。
高尾さんを歩いてみることを。
強力に推薦するの弁、でした。
(今日はおしまい…またの記事に続きます…)
*今回の記事では、読者さんのご質問を受け付けることにします。
高尾情報について。
ハイキングや装備について。
などなど。
コメント欄か、eメール sora_wo_miru_hito@yahoo.co.jp まで、どうぞお気軽に…
追記:
さて、ここで。
名前を覚える、ということについて、改めて、書いてみましょう。
僕の師匠は言いました。
******
森に入り、森と仲良くしようというのなら。
出会う木の、草の、石の、生き物の、名前を覚えなさい。
あなたは、大切なひとの名前を覚えない、ということがありますか?
名前を、覚えなさい。
******
…ハッとさせられました。
人の名前を覚えるのが苦手、という言い方をよく聞きますが。
覚えないのは、実はそれほど興味がないから。
覚えるのではない、心に留めるのだ、ということ。
名前と言うことに限らず、その人、そのものに、どれだけ向かっているか、なんでしょうね。
大切なものを大切にすること。
そのために。
それをもっと知ろうとすることも、
その名前に気を配ってみるのも、
面白いのかもしれませんね。
(…と言いつつ、苦手なんだなあ、植物の名前を覚えるの、僕も。 )
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