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without a trace

ヤマザキ、フリーターを撃て!

LOST3シーズンまとめ

2007-11-15 01:17:42 | ドキュメンタリーとかテレビ
ネタバレ



 ロスト3シーズンついに見終わる。何なんだこの展開は。だが2シーズンで散々やっていた108分ごとにボタン押すみたいな自宅警備員の仕事に対する答えは少し出てくる。あれって労働だと思うんだ。以前に登場人物を支配されたい人々って言った記憶がある。現実世界での労働と家族を無くしたら金持ちや貧乏人はどうなるの?っていう。貧者を救うのは虚構性だと思うけど、見事にはまっていく登場人物たち。2シーズンでやってたのは地球防衛や自宅警備という、”虚構”だとわかってるからこそ従っていく人々。

 そして今までの登場人物の島以外の映像は過去だったが、今回は未来だった。ベンジャミンのジャックに対する言葉「島の外に本当に帰りたいのか?父が死んで、妻も待ってない場所に。また何かを直すのか?」。これを嫌ってほどにわかってるロックは帰りたくない。スーパー店員→ヒッピーもどき→箱会社でいじめられるという職歴を積んできたロックにとって帰りたいわけがない。いろんな意味でハンデを負ってるわけだし。未来のジャックは泣きそうに言う「島に帰るべきなんだよ!」。ジャックは葬儀に行くと柩が誰にも看取られないでいる。はたしてこれは誰か。誰もいないってのがこのドラマの登場人物たちぽくていい。普通に考えたらやはり黒人街丸出しだったのでマイケル。するとケイトの言ってた”彼”は誰なのか。
 
 やはりチビッコイギリス人のチャーリーは死ぬ。ここでも父が必要ないことがわかる。宗教的な話なんで家父長は存在しないんだ。この島では妊娠して子供を生むとどちらかが死ぬという。じゃあなぜ不思議っ子フランス人のアレックスとその娘は生きていられるのかっていう疑問が残る。ここでベンジャミンも死ぬべきじゃないかっていう疑問も生じるんだ。そもそもこの一家は本当に家族なのか。

 この間のドラマDr.houseで神VSハウスをやっていた。ハウスは医者だから科学的。すべての物事には理由があるはずだと自分に言い聞かせている。しかし説明できない事もある。親友はハウス先生に「お前はすべてを管理したいんだ。管理できない事があると怖いからな」と言い返す。しかし認めたくないハウスは悩んでいく。ロストでは島での様々な事象を管理しようとする勢力と、それに抗う勢力がある。管理され支配されたい人々は抗いながらも虚構という物語を求め始めている。説明できない何かの始まりが彼らに迫ってる。

兵士が撮ったイラク戦争

2007-08-18 03:10:23 | ドキュメンタリーとかテレビ
 ディスカバリー「兵士が撮ったイラク戦争」見る。州兵に1年間カメラを持たせて追うドキュメンタリー。もはやイラクは泥沼の状態だ。驚いたのは、小林よしのりが言ってたんだけどイラクに派遣された自衛隊員は何人も帰国してから自殺してるらしい。どんな状態なのか見てみたかった。あとyoutubeで有名な米兵が堂々とイラクで意味もなく機関銃で車を撃ったりしていた映像が衝撃だったんだ。番組の人たちは州兵なんで本当のプロってわけじゃない。兵士たちはほとんどが仕事や金がなくてやっている。移民二世だったり、仕事が見つからなかったりなんかの人たち。

 イラクの米軍基地には驚いた。バーガーキングやピザハットまである。日本の米軍基地と同じで企業は儲けるために兵士たちを外で浪費させない。基地内での食事から理容からすべて企業が関わっており、その会社にはチェイニー元副大統領が関わってるとか。こんなクソみたいなプラスチック皿にやつらは1枚28ドルも請求しやがるんだ。そんなプラスチック皿で食べてる基地では毎日のように迫撃砲が撃ち込まれている。

 どんな任務をしてるかがまた面白い。基地に物資をトラックで運んでるんだけど、その護衛をさせられる。トラックにはガラスさえない。そして撮影してる兵士は言う「世界中から出稼ぎに来るトラックの運転手たちなんて企業から見たら死んでもどうでもいいのさ。なぜならやつらは物資の企業の社員じゃないからな」。彼らはお互いに言葉は通じなくても自分たちの立場をわかってるので同情的だ。派遣州兵に派遣トラックといつ死んでもおかしくない。そして本当に兵士たちが爆弾やRPGで襲われている。さすがにその映像はないが、事件後のはある。本当にあっけなく人が死ぬ。そして兵士は一般人の女性をひき殺してしまう。罰される事はないが傷を負っていく。レバノン出身の兵士がいて彼はアラブ語が話せる。頭は良くても母子家庭で貧しいために大学へ行けない。だから学費のために兵士となっている。すると兵士たちはあいつは敵の仲間だと言う。精神的にやられてきて何かがおかしい。道路でも堂々と真ん中を走りながらどけクズどもとyoutubeそのままの映像となっていく。

 番組は任務を終えてからも彼らを追う。家族たちは帰国してから変わったと言う。イライラしやすくなって、トラウマのように少し言動がおかしい。彼らはまた州兵に登録するのもいれば、もう行かないという人もいる。彼らが苦しむのもベトナムのように敵と中立の見分けがまったくつかない。NHKでも州兵をやった記憶があるけど、かなりこっちの方が踏み込んでいる。それでも放送できないシーンが相当あったのがわかるほど。

実録 イラン映画史

2007-08-13 03:14:25 | ドキュメンタリーとかテレビ
 BS世界のドキュメンタリー「実録 イラン映画史」見る。フランス制作。実録なんとか史なんてタイトルつけるのはヤクザ系映画並の気合の入れよう。NHKがいいのはこういうのをやってくれる所。おれのイラン映画との出会いは映画に詳しい友達がいたんだ。それでハリウッド飽きてきたといったら高田馬場にある二本立ての映画館に連れてってくれた。そこで独特の展開にぶったまげたってのが出会い。

 イランといえば王家による白色革命で西洋化を進めていた。だからかつては普通にジーンズを履いてたし、女性は顔を隠してる人もいなくて西洋式の自由を謳歌してた。この頃の映画はもちろん欧米の真似。女性がケツをフリフリして踊って歌ってたりとインドかと言いたくなるような内容。そしてイラン革命が起こる。彼らは西洋の堕落の象徴として映画館や銀行などを百件以上焼き討ちにする。ここで映画関係とテレビ関係はみんな失業。しかしホメイニ師が映画にも素晴らしさがあるじゃないかと許可。しかし以前とは違う厳しい検閲の内容になっていく。内容は巨大な臼を作れば地主が農民を解放してやるといい、苦労して持ってきたら射殺される映画、デブの貧しい子が金持ちのハーモニカを吹きたくて金を集める映画などハリウッドとは違うが独特な世界が出来ていく。

 イランといえば石油なんでイラクと戦争に。すると映画はプロパガンダと化し、戦争で戦って死ねば天国にいけるという内容になっていく。アサシン(暗殺者)の語源はここら辺の国だったはず。貧しい青年達を集めて麻薬と女で天国状態にして、続きを味わいたければ殺して死ねばいいのだと教える。それで周辺国の要人を殺させて国を守ったという。それで映画の人たちはプロパガンダに対抗してドキュメンタリー調の内容になっていったらしい。戦争で狂った兵士たちの収容されてる精神病院とか。実際の戦場でドキュメンタリーとフィクションを混ぜた映画は世界で初めてイランで作られた。キューブリックやコッポラがやりたがってたやつだ。やはり彼らはハリウッドが嫌いらしい。アメリカはキアロスタミをイラン人という理由で映画祭に招待しなかったから当然っちゃ当然。映画に政治を持ち込むのが嫌なんだ。だけどああいう国なんでどうしても政治的になってしまう。かつて映画館を壊して回った人々は今では映画のオーディションに押し寄せる。その光景さえ映画化されてしまうのがイラン映画。子供の多用やドキュメンタリー調は社会批判から生まれたものだったのだ。

ビデオゲームの歴史4

2007-07-27 01:34:13 | ドキュメンタリーとかテレビ
 ビデオゲームの歴史4見る。4は神の視点ゲームの紹介。これをゴッドゲームと言うらしい。シムシティなどがまさにこのタイプ。プレイヤーが仮想の町を作っていくという奇抜なアイデアのゲーム。こんなのが売れるわけがないと言われたが大ヒット。ここでプレイヤー自身がゲームを作るという流れが出来る。そしてポピュラスが登場。まさにプレイヤーは神となり、人間を眺めるゲーム。土地を平坦にすれば人間は家を作ってどんどん繁栄する。山になれば逃げてくし、海にすれば人は溺れて死ぬ。異民族と出会えば滅びるまで殺しあう。この作者は今ではこれを発展させてる。人間に木を与えると神様ありがとうとお祈りを始めるんだ。そしてもっと下さいと願う。どんどんやると発展するが働かなくなるっていうゲームw これは人間の宗教の発端を感じることの出来る深い作品でもある。

 ジェネレーションX世代が登場。何を考えてるのかわからず、上昇志向も意欲もない世代。ベビーブーム世代で人数は多いが使えねえなって烙印を押される日本でも見たことのあるような世代。しかし彼らはパソコンを手に入れるや凄まじい発展に関与しててIT業界の担い手でもある。もはやゲームだけでは我慢できなくて自分たちでゲームを作っている。それを企業は利用し始める。プログラムが複雑になるにつれてコストは上昇する。じゃあボランティア使えばいいだろという発想。細かいディテールの例えばゲーム中の道具だとかは一般人に作ってもらう。彼らは自分の作品も名前も残せるし、売込みだって出来る。EA社はハッカーをも利用してたという。あの会社の作品の面白さはこういう所にもあるのかもしれない。これは作品をオープンで作っていくという、著作権のある種の共有でもある。それがこのシリーズの最も重要な視点だと思う。

 ゲーム愛好者が年をとるにつれ、彼らは知的な欲求をしてきた。そこでプレイヤーの予測できないような相手によって複雑な動きをする人工知能のコンピューターが求められる。FPSゲームなどがいい例だ。ここで解説の人がこんな事を言う「ゲームがテレビや映画に小説なんかと最も違うのは、プレイヤーが参加できること。プレイヤーによって違う個人の物語が出来る」。視聴者や観客に読者に対して最も自由なのがゲームだとも言える。

 そして話はゲームで物語を作る人々へ。既存のゲーム映像を使って話を作る人々。コンピューターを使って音声や字幕を入れて物語を作ったりする。youtubeに行けばこういうのはたくさんある。バイオハザードでやたらと怖がってる日本人が作った大人気の映像もなんかもこれに入ると思う。言葉が通じてないのに共有してる。この世界で有名な人が出てきて、彼は元々はインディーズ映画を作りたがってる人。問題はこの手の映像はゲーム会社の許可を得てないこと。しかしここでも逆に認めて利用してしまう。しかも我々はあなたの作品のファンですとメッセージまでご丁寧に来てしまった。そして今では彼らはなんとハリウッドにまで呼ばれている。ここでも著作権の共有というか、youtube見ればテレビ局の態度にかなり差が出ている。ここら辺は競争に対する意識かもしれない。

 ラストは911テロのゲーム。シミュレーションゲームで貿易センタービルでの出来事を追体験できる。ここで製作者は作りながらハッキリと気づいたらしい。それは人々がビルから飛び降りる光景ではなく、飛び降りてから先の光景に興味があるということに。神の視点とは人間の境界でもある事を気づかせてしまう恐ろしさ。しかしこんなことが出来るのはゲームでしかないのだ。

インド医療ビジネス

2007-07-23 03:29:35 | ドキュメンタリーとかテレビ
 BSドキュメンタリ-「インド医療ビジネス」見る。インドには欧米の大学を出た医者がゴロゴロしている。東南アジアや南アジアの医者は日本と比べて信頼できるとは聞いたことある。そこで現地の病院は医療費が安いために欧米の患者が手術をしに来るのだ。アメリカは医療費が馬鹿高いので心臓手術はこの国では50分の1の値段で受けられる。しかも世界的権威に。

 何が驚いたかってデリーのアポロ病院ておれが入院してた所。メチャクチャでかくて豪華なんだ。ここはチェーン展開をしているインド最大の病院。もう散々と書いたけどインドで政府系の病院と私立病院両方に行った。その格差はテレビじゃなくて目の前で見ないと衝撃はわからない。政府系には乞食がゴロゴロ周辺に集って彼らが病院を手伝っている。ベッドは血だらけ、牛がいるから蚊だらけ、病院にいるのにマラリアかかるんじゃないかって気になってしょうがないw 一方の保険会社に入れられた私立病院は個室の部屋にシャワーや洗面所つき、テレビもクーラーもエレベーターもある。付近には乞食なんてまったくいない。この番組では医者が警鐘を鳴らす。富裕層にはいいかもしれないが、医療格差が深刻になってる。インドは世界で上位五カ国に入るほどにGDP比で医療費がかかる、そして国の対GDP医療費支出は世界でワースト5位にも入る。この国で手術を受けられない貧困層は3億人にものぼるという。病院がビジネス優位で企業化していくという事は貧乏人に用はないという事でもある。