HAPPY SLEEP

SUNDAY-FRIDAY

奥様お尻をどうぞ

2011-09-04 22:41:14 | stage
観て来たすわー

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「奥様お尻をどうぞ」

■作・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ

■キャスト: 古田新太 八嶋智人 犬山イヌコ 大倉孝二 
     入江雅人 八十田勇一 平岩 紙 山西 惇 山路和弘

■会場:シアター・ドラマシティ(大阪)

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いやあ~…出鱈目喜劇だった.
そして非常にオモロかった.

かなりのナンセンス度数.
ストーリーとか皆無に近い.

誰一人として,ストーリーを進めようとする人がおらず,
あらゆる観客の予想を裏切るギミックだらけの舞台だった.

まず,開演なのに照明が落ちずに始まって,
「節電コント」の流れの中で省エネの流れで電気を消して行き,
照明も消したら真っ暗になった.

この時点でこの舞台の方向性が見えた気がする(笑)

でもってそのすぐ後には原子力保安院を皮肉った
原子力絶対安全協会の原子力コントが始まり,
終始,このネタは続いたなあ.

ストーリー,てかあらすじとしては,
主人公の夢子(平岩紙)が病院から抜け出して,映画の中に
飛び入り出演したというところから始まり,
それが彼女の夢の中で行われているため,
夢子を追って,探偵の古田新太さんと助手の犬山イヌコさんが
夢の中に入るが,実はその2人が夢子を誘拐した…とか.

でもって夢子の様々な夢の,様々なワールドがパラレルに
展開して,そのどれにも古田さんと犬山さんが絡む…という,
非常に演劇っぽい,てかKERAさんの劇団健康時代の舞台によくあった
夢の中とかイマジネーションの中の複雑なシチュエーションが
入り交じった設定だった.

でもそんな設定なんかどうでも良いくらいのナンセンスなコントの
オムニバスって感じの進行で,ただ笑うしか無かった.

特筆すべきは,コントとコントを繋ぐ秀逸なアニメーションだ.
「ほぼモンティ・パイソン」といえるクオリティの高い
紙切りアニメのCGには感動した….これはDVD買わなきゃだ.

他にもモンティ・パイソン関連では,ホーリー・グレイルの
門番コントや,空飛ぶモンティ・パイソンのデニス・ムーアなどの
オマージュも見られたが,モンティ・パイソンへオマージュを
通り越した愛が感じられたなあ.

その他にもイラストや動画を使った笑いもねじ込んであり,
さらには客いじりもあり,客席を役者が走り回ったりで,
とにかく規格外のノールールな舞台だった.

急に客席の女性にスポットライトを当てて,
「何なの!この芝居!本当にくだらない…」
と,観客の心の言葉のような放送をしたりしていたw

恐らく計算だとは思うが,本当にくだらないベタなセリフを
ある役者が放ち,それにかぶせる形でブラックな笑い,
そしてその上に,ずっと切れ味のある笑いをかぶせて,
大中小の笑いをこれでもかって感じで詰め込んでたな.

そんな手法でナンセンスコメディの黄金律の「突っ込み不在」を
際立たせていた気がする.

そしてエンディング付近での人生(電気グルーヴの前身)の名曲
「オールナイトロング」を全員で合唱するなど,不毛と不条理の嵐だった.

話の全く繋がらない会話劇,などは非常に懐かしい,
昔からのKERAさんのスタイルで良かった.

会場で予約受付してたDVDを買おうと思ったが,
前作の「犯さん哉」の際に劇場で買ったら,ログが残らず,
いつ届くか,ちゃんと予約されてるのかも不明だったため,
今回はWebで買うことにした.

てことで,久々に頭の混乱しそうなナンセンスコメディ.
まるでリンチ映画のようなカオスだが,リンチ映画のような
シリアスさは皆無だ.ただただくだらないのが良い.
もう公演は終わってしまったので,DVDでぜひ.

自分もDVDで夜中にアルコールを片手に
観たい感じのアッパー系の笑いだ.

原発のエグいネタが多いからTV放映は無いでしょう(笑)


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