フレペの滝がある、断崖絶壁の海からは、猛烈な季節風が吹きぬける。
その風の通り道には、きれいに木が生えていない。
そんな中、ぽつぽつと生えているのが、カシワの木だ。
木が密集した森の中では、日光の恵みを受けるのに、
分け前が減ってしまう。
風が強いという厳しい条件を我慢してでも、
日光をひとりじめしたいと考える。それがカシワの生き方。
よーく見ると、枯れ葉が木に残っている。
となりには、暴風で根こそぎ倒れた木もあるにもかかわらず。
それほどに、カシワは粘り強い。
男の子の節句の柏餅。
「強い」という象徴のカシワの葉でくるむのは、
強い男の子になってほしいという願いからか。