マーサの昔話

デジカメでの景色や花、動物などの写真
海外体験談、今日の一品、糖分控えめ?なおやつ等‥‥‥

女将の手・・・

2011年08月03日 | Un fenómeno sobrenatural

 休暇中にもかかわらず、毎日沢山の方々が、我がブログに訪問して頂き

有難く思っております。 今日からブログ再開しますね。


 しかし、日本の夏は暑いですね。 それで、節電まで要求されるとなると・・・

 これしかないですね。

 今年も皆様を少しは涼しくさせたいなあ。 うふふ。


 今晩は、慰安旅行での話です。

 新人社員として初めて行った慰安旅行が下呂温泉でした。

 大会社なので、各課に幹事がいて、気候の爽やかな6月のある日に

 第1営業部4課総勢120名、大型バス3台で出発しました。

 ライン下りを堪能して、5時前に温泉旅館に着き、男女別で大型浴場に入り

 その日の疲れを癒しました。 そしていよいよ6時から大広間で宴会が始まり

 新人恒例の1周まわりの挨拶へ・・・

 これは、新人が先輩社員と杯を交わすもので、必ず先輩に御酌をしてから

 返盃を受ける儀式である。 100人以上いるので、殆どが途中で倒れるとかで

 全員の返盃を受けるのは普通不可能な話なのだが、女性が半分近くいるので

 新人が無理そうで可哀相だと思われる女性社員は空の杯を返したり、ほんの

 少ししか入れない優しい人もいた。 男性社員は、結構シビアで、盃をコップに

 する人もいた。 多分、新人の頃の仕返しのつもりだろうが、堪ったものでは

 なかった。 さて、新人M君は半分回ったところで、泥酔状態になり、誰かの

 お膳の上にゲロを吐いてしまい、そのお膳に頭を埋めて寝ていた。 

 幹事は酸っぱ臭いM君を抱えて、M君の部屋へ運ぶ。 その年の新人は5人だった。

 もう1人は、どさくさに紛れて誰かと雲隠れ。 私は笑顔を振りまきながら

 何とか1周回り終わって、食事タイムでした。

 そして、S君とKさんもM君と一緒で悪酔い組で、こちらはトイレに行ったまま

 何分経っても帰ってこないので、心配した幹事が迎えに行ったんです。


 古い料理旅館で和式のトイレが5つ並んでいたのですが、トイレ待ちの人が

 何人かいたので、幹事は新人2人が遅いのがその為だと確認した。 

 5つ並んだトイレの1番端が使用禁止、いわゆる開かずのトイレ、しかしトイレは

 封印されていなかった。 張り紙は使用禁止と書いてあったけれど、待ちきれない

 人達は、何も気にせず、平気でそこに入って出てきていた。 

 悪酔いしたS君も我慢できず、何人も入っているのを見ているので

 何の躊躇もなく、使用禁止のトイレに入ったのです。


 待ち人組も、S君がトイレの中で嘔吐音を上げているのを聞いていました。

 5分位してから、S君が出てきて、迎えに来ていた幹事を見るなり、言ったそうです。

 「いや~遥さん、どうもありがとうございました。 先程は背中をさすって頂いた

 お蔭で、かなりすっきりしました。」

 「背中をさするって、それは私じゃないわ。 私はあなた達が心配で、ここで

 ずっと待っていたのよ。」 

 「また? そんな冗談を・・・確かに “大丈夫?” って声も聞こえました。」

 「何言ってるの?」と幹事がトイレの扉を開けますと、S君がしゃがんでいた

 便器の後ろは壁。 それも人なんか入れる隙間もなかった。

 S君は、もっと青い顔になって、ワ~と叫びながら、宴会場へ戻って行った。

 その件で、1度に酔いの醒めたS君は、宴会場にいた仲居さんに話していた。

 「出たんだよ。 僕の背中をさする手が・・・」

 「その手を見たんですか?」

 「見ないが、背中を触れられた感触は事実だ。 しかも “ 大丈夫? ”という

 声まで聞こえた。 誰? 何なの? 何があったの?」

 「・・・実は、先代の女将があのトイレでお亡くなりになりました。

 それから、しばらく封印していたのですが、誰かが面白がって開けた時に

 妙な現象が起こるようになったのです。 悪酔いのお客様があのトイレに入ると

 誰かが背中をさすってくれるという、怖い反面、ある意味で結構、有名に

 なってしまいましてね。 うふふ。」

 「“うふふ。”はないだろう。 怖いじゃないか。」

 「あなた、怖かったですか? 気持ちよかったでしょう。 嬉しかったでしょう。」

 「・・・確かに、有難かったけど、それとこれじゃ意味が違うだろう。」

 「悪霊ではありませんことよ。 この旅館の為に今も働いていらっしゃるのですわ。」

 「もういいよ。 とりあえず、封印するんだな。 それと御祓いをして女将を

 休ませてやれよ。 でないと、来年以降、うちの会社からの予約は取り消しだ。」

 「・・・そうですか。 では、2代目女将に伝えておきますよ。」


 そのような出来事があったんですけど、その明くる年、人事課が同じ旅館に

 宿泊した時も、張り紙はあったものの、扉は開いていたそうです。

 でも、S君が、皆に話して居た為、そのトイレに入った者は居なかったそうです。


 まあ、水の流れが悪いとかで使用禁止と書いてあるトイレをよく見かけますが

 理由はやはり、それだけではなさそうですよ。 くれぐれも入るべ・か・ら・ず。


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