生きる、ということ。

この世界に「絶対」というモノは、とてもとても少しだけしか存在しません。
その数少ない内の一つが、生き物は「絶対に」死ぬという事です。

生きる、という事は……死に向かって歩く事に他なりません。
人間の一生を本に喩えるならば、どの本も最後のページは決まっていて、どのような人生を送ろうとも、その結末を変更する事は誰にも出来ないのです。
死は強大で逃れ難く、持つ者も持たざる者も幸福な者も不幸な者も区別する事無く捉え、呑み込みます。あまりに凄まじい恐怖であるが故に、多くの人は日常において死を隔離し、可能な限り目を背け続けようとします。

しかし如何に目を背けようとも、考えまいとしても、やはり死の手から逃れきる事等は不可能です。そして、背を向け逃げ続ける姿勢を、私は好みません。
私にとって生きる、という事は……死を直視して歩く事です。
勝てない相手であるならば、勝てない相手であるからこそ。
堂々と胸を張って、正面から向き合い、そして殺されたいと願います。

悲壮ぶるつもりはありません。
死は、命を持つ者全てに平等に待ちかまえるモノですから。
死を見据えた上での、「幸せ、ということ。」は……また、次の機会に。

生徒会、ということ。

生徒会選挙も公示されましたので、現職の身として一言申し上げます。

戦国学園生徒会とは、何でしょうか。
本来の意味で言うならば戦国学園生徒による自治組織であり、生徒一人一人が生徒会の一員です。この「全校生徒は生徒会会員である」という事は基本的な事なのですが、基本であるが故に忘れられているようです。
生徒会の責任者である生徒会会長が、「全校生徒の投票を以て」選任される事と規定されている事からもこれは明らかな事で、生徒会と生徒と生徒会役員という物は、国と国民と政府の関係であるとも言えましょう。

生徒会が他の組織と根本的に異なる点は、此処です。
一個人が立ち上げ限定した支持を受ける組織では無く、全校生徒による信任を得ている組織であるという事です。
ですから、生徒会会長は他の組織の長とは異なり私情を極力廃し、公僕として学園の各種環境充実の為に務めなければなりません。しかし、具体的に環境の充実とはどのような事でしょうか。
私は、民衆にパンとサーカスを与え統治を行った挙げ句に市民の自律性を奪い滅びたローマ帝国の歴史に学び、イベントの企画立案などは極力生徒の皆様にお任せして来ました。
与えられたパンに群がり与えられたサーカスに興じる姿は退廃を象徴するものでしかありません。自ら糧を得て自ら楽しみを見つける事が出来る環境を維持する事こそが、生徒会の役割であると任じて来ました。
幾度も申し上げている「異なる価値観が並立並存し互いに切磋琢磨する事の出来る環境」とは、自らが動かなければ退屈極まるものなのかも知れません。しかし、誰かに与えられた玩具で指定されたように遊ぶ事だけが幸せでは無いと、私は思うのです。

この信条に基づき私は生徒会会長を務めました。新たな生徒会が発足する迄あと少しだけ、務める予定でもあります。
任期中に色々な事がありましたが、現時点で反省はあっても悔いはありません。
新たな制度に基づき施行される選挙は間近に迫っていますけれど、立候補なさる方、一票を投じる方、全ての学友の皆様に……天と地の祝福がありますように。

時流に便乗・時雨の場合

●概要
禍津時雨は優れた基本性能と「通常ガード不可」という制約により初心者もしくは超上級者向けという、かなり癖のあるキャラとなっている。
まずは基本性能を見てみよう。

通常移動速度は非常に遅い。ぺたぺたと無造作に歩く為だが、身長が小さい為一部の上段系飛び道具は地上にいる限り当たらない。
ダッシュ速度は前方後方共に異常なスピードを誇り、また前方ダッシュは地を這うように走る為、下段攻撃以外で迎撃する事が困難となっている。なお、攻撃を行わない場合は相手を擦り抜けて背後に回る事も可能。
バックダッシュはステップでは無く走る形態となっており、無敵時間こそ無いものの、バックダッシュを行いながら各種通常技と特殊技が使用出来る。

また、時雨は非常にのけぞり時間が短く、低い身長と合わせて通常は確定で入る相手の連続技が途切れる事も多い。しかし防御力そのものは低い部類であり、油断するとあっという間にライフゲージが赤くなるので注意しよう。
更に、前述したように時雨には致命的とも言える欠点がある。それはズバリ「通常ガードが存在しない」という事だ。必然的に後述する特殊技「逝夜凪」に頼る事になるのだが、相手のラッシュに非常に弱い。常に一方的に攻めまくる事を考えなければならない。

通常技はどれも出が早く威力も大きく隙は小さいと三拍子揃っている。これらをフル活用して攻め続ける事が勝利への必須条件となるだろう。
互いに初心者同士なら適当にダッシュ強Ｐや中Ｐ、ダッシュ弱Ｋやジャンプ強Ｐを連発しているだけで相手は何も出来ない事が多い。レバガチャ＆ボタン連打でも、運が良ければ中級者を翻弄する事が出来るかも知れない。
しかし、上級者になると的確に攻撃をガードし反撃を叩き込んできたり、通常ガードを持たない時雨の弱みを確実に攻めてくる。過信は禁物だ。

特殊技は非常に高威力なものが揃っていて、職業暗殺者の面目躍如といった所だ。
が、暗殺者の技らしくどれも一度限りの必殺技揃い。見切られてしまうと容易に反撃を受ける事になる為、豊富な種類を活かして変幻自在に翻弄しよう。

●技表
逝夜凪　（相手の攻撃に合わせて２１４Ｐ）
ゆきやなぎ。通常ガードを持たない時雨の命綱とも言える技で、相手の攻撃を擦り抜けて背後に回り手刀を突き立てる。
性質上ガード不可で高威力だがタイミングは非常にシビアで、使いこなす事は難しい。これを使えるか否かで戦力が段違いになってくる。

死厄投　（２３６Ｐ）
しゃくなげ。手近な物を投げつける技で、投擲する物はステージによって異なる。ただし強で出した場合は全ステージ共通で棒手裏剣を投擲する。また、ＰＰＰ同時押しにより必殺ゲージ１本を消費して棒手裏剣２４本同時投擲となる。
発射前の隙も小さく飛来速度にも優れ威力も大きいが、先読みで回避されれば反撃が確定するので使用する間合いには注意が必要。

墓嘆　（４１２３６Ｐ）
ぼたん。踏み込みと同時に目眩ましを行い、その瞬間に手刀を繰り出す。
目眩ましは中段扱いの為に下段ガードは出来ず、これが当たれば手刀はガード不可になる。また、目眩ましをガードされた場合も手刀は弱・中・強のそれぞれに応じて上段・中段・下段攻撃となる為相手のガードを揺さぶる事が可能。

禍棲葬　（２２２Ｐ）
かすみそう。煙管を取り出し吸ってから、吐き出す煙幕で画面全体を１０カウントの間包む。
発動に時間がかかる為に使用出来る局面は限定されるが、ここから各種強力な派生技に繋げる事が可能。画面端と端でダウンを奪った場合なら、間に合う事も多い。
ちなみに煙幕に包まれても相手の位置はぼんやりと表示される為、奇襲も可能。

忌響　（「禍棲葬」の効果時間内に２２２Ｋ）
ききょう。煙幕の中で轟音を発し、聴覚に頼っていた相手をスタンさせる。
轟音は時雨を中心に放たれ、地上に限りガードする事は可能だが、ダッシュで背後に回る等により揺さぶる事が可能。

城詰紅砂　（「禍棲葬」の効果時間内に２２２Ｐ）
しろつめくさ。煙幕に紛れて毒性の強い吸血蚤を全画面に散布する。
地面一面に広がり、一秒以上触れるとガード不可となりライフゲージが１０カウントの間減り続ける。ジャンプを繰り返す事で回避可能だが、そんな事をすれば今度は「忌響」がヒットする。
むしろ「忌響」を当てる為の技とも言える。

禁法解　（魔法攻撃に対して２１４１Ｐ）
きんぽうげ。魔法攻撃を手刀で一閃して無効化しながら自動的に踏み込み術者を貫く。
時雨の持つ魔法攻撃に対しての唯一にして最大の反撃技だが、暴発すると洒落にならない隙を生む。

死螺癒裏　（４１２３６３２３Ｐ）
しらゆり。手刀攻撃が命中すると、相手のライフを吸収して自分のライフを回復する。
発動の際の隙は小さいが、ガードされると余裕で反撃を受ける。

夜魔癒裏　（４１２３６３２３Ｋ）
やまゆり。足刀攻撃が命中すると相手の必殺ゲージを奪い自分の必殺ゲージへと転化する。
発動の隙やその他は死螺癒裏と同等。

蛇咬　（組み技を受けた時に２１４７８９６３２Ｐ）
じゃこう。袖から毒蛇を出して組み技をかけて来た相手にダメージを与え技を解かせる。
タイミングがシビアだが、使いこなせば相手はダメージソースを一つ失う事になり非常に有利。この技のダメージ自体は雀の涙。

彗閃　（２１４１２３６ＰｏｒＫ）
すいせん。裾から大きな布を取り出して広げ目隠しにして、その影から攻撃を仕掛ける。
ボタンにより様々な攻撃となる為、判っていても対応が難しいが、上級者には冷静に出かかりを潰される事が多い。
また、ＰＰＰもしくはＫＫＫ同時押しで発動する事により布を燃やし、派生技「炎尾突」（ほおづき）へと繋げる事が可能となる。こちらは出かかりに無敵時間が存在するため、潰されにくい。

★無手死呼　（４５６５４５６５４５６Ｐ）
なでしこ。必殺ゲージを一本使用する。
急速に息を吸い込む事により鎌鼬を発生させ、相手の頸動脈を切断する。
有効範囲は狭いが非常に威力が高く、隙も小さい。ガードは可能だが、見てからのガードは人間ではほぼ間に合わない。
ヒットした瞬間に追加で２３６Ｐを入力して必殺ゲージを更に二本消費すると、追撃で口から血液を高圧で吹き出し相手を切り裂く演出に派生してダメージアップ。

★裂惨禍　（１６３２１４３Ｐ）
さざんか。必殺ゲージを一本使用する。
解いた髪で全方位に攻撃を行い、ヒットすると切り刻む演出に移行するガード不能技。
発動までに少し隙があるが、優秀な対空技としても機能する。
演出中にレバガチャ＆ボタン連打でダメージが増加するが、相手も同様にダメージの減少が可能。気合いで連打だ。

★花弔封月　（Ｐボタン１０カウント以上押し続け→離す）
かちょうふうげつ。必殺ゲージを三本使用する。
氣属性の不可視の針を射出する。ガードは可能だが発動時にエフェクトが一切なく、画面端から端まで一瞬で到達する弾速を持ち、しかも見えない為に実質的には不可能とも言える。
威力は絶大で、１０カウントで解放した場合でもカウンターヒットするとライフゲージの８割を奪う。
最大まで溜めて放つとライフゲージが丸ごと消える場合も。

★殺　（４１２３６５４５６３２１４３２１６３２１４３２１４５２２２Ｐ）
あやめ。５本以上の必殺ゲージを全て消費する一撃必殺技。
姿を消して相手に接近し、ガード不能の手刀を突き立て背骨を抜き取る。
ゲージの消費本数に応じて消えている時間や移動速度等が飛躍的に向上するが、効果時間内に仕留められない場合は必殺ゲージが消滅し、更に画面外から狙撃される演出が入り時雨自身が大ダメージを受ける。
また、こんなコマンドは普通入力に失敗する。

組織抗争、ということ。

本日付けで、『新生』魔愚弐誅弩が現生徒会に対し正式な宣戦布告を行いました。
拒否する事は学則により認められていませんから、受けざるを得ません。

とても、悲しい事です。
学友と御稽古では無く闘争を行い、これを殲滅しなければならない。
こんなに悲しい事はありません。

しかし。
仮にも選挙により信任を得た身である以上、個人的な感傷は別として責務を遂行する心積もりです。
私は生徒会役員の皆様や、今回生徒会の側として参戦して頂く方々を、盟友として心から信頼しています。
信頼しているが故に、「望まぬ争いに巻き込んでしまったのではないだろうか」等という気遣いはしません。我が盟友は、誰かに強制されて動くような方々では無いと信じていますから。
御自身の意志でお力を貸して下さると仰るのであるならば、今は有り難くその手を握らせて頂き、いずれ自らの行動により恩義に報いたいと願います。

誰かに、何かに責任を被せて処断するという思考は判りやすく心地よいものではあるのでしょう。けれど、その思考の是非以前に、個人の矜持では無く集団の武威を以て恫喝を行うような行為を、私は好みません。
戦国学園は「強者が弱者を支配する」と定められてはいますけれど、強いとはどのような事か、強者とはどのような者か……この機会に学園の皆様に今一度お考え頂く事が出来ましたなら、とても嬉しく思います。


全ての学友の皆様にとって、今日も素敵な一日となりますように。

時流に便乗・静流の場合。

●概要
水鏡静流は「待ち」に特化したキャラだ。相手のキー入力がダイレクトに画面上に表示されると同時に、当たり判定を始めとした各種判定が常に明確に示されるので、これを有効活用する事が勝利への鍵となる。
と、言うよりも有効活用しなくては木偶以下の性能でしか無い。

まず通常技の性能は極端に低く、長いモーション・極めて低い威力・甚大な隙と三拍子揃っている。特に強Ｐと強Ｋは最悪で、命中してもガードされても空振りしても自分に大ダメージが入るという自滅技になっている為、絶対に使ってはならない。

防御力も絶望的で、殆どのキャラの強Ｐ一発でゲージの２／３を持っていかれてしまう程。機動性も悪夢としか思えない低さで、ダッシュ入力を行ってようやく他キャラの通常歩行速度というレベル。バックステップにも無敵時間は一切存在しない。
ノーマルガードの性能も非常に悪く、通常技でもガードの上からガリガリ削られてしまう。

その反面、特殊技は非常に高性能な技が揃っているが、どれもレバーニュートラルの状態からしか入力を受け付けない。入力ミスは通常技の暴発を招き、それは即、死へと繋がると覚悟しよう。
しかし使いこなさなければ、静流使いに明日は無い。

●技表
受け流し　（直接攻撃に合わせて５２３６Ｐ）
最も基本的かつ重要な技で、これが無いと話にならない。上中下段全ての通常技をノーダメージで受け流す。静流はノーマルガードの性能が低い為、これを使いこなさないとあっという間にライフゲージが無くなってしまう。

投げ　（「受け流し」中に５６３２１４Ｐ）
受け流しつつ、相手を投げる。相手の攻撃の種類によって真上に放り投げる・半円を描いて後方に投げる・真横に投げる等演出が異なるが、ダメージは均一で１ドット分しか与える事は出来ない。必殺ゲージは大量に溜まる。

★本気投げ　（「受け流し」中に５６３２１４ＰＫ同時押し）
必殺ゲージを一本使用する本気投げは、受け流した相手キャラの技の威力の１．５倍のダメージを与える事が出来る。演出もスピーディで隙も無く優秀な技だが、弱Ｐを返した場合等は雀の涙程度の威力にしかならない。

跳ね返し　（単発系飛び道具に合わせて５２１４５６Ｐ）
単発系の飛び道具を反射する。ボタンにより軌道の変更が可能。

連鎖消失　（多段系飛び道具に合わせて５２３６２３Ｐ）
多段系の飛び道具を跳ね返し、連鎖的に相殺する。

受け止め　（攻撃判定と接触する前後１フレーム以内に５２１４１２３６Ｐ）
どのような種類の攻撃であってもノーダメージで吸収し、本来のダメージ値に等しい分量だけ必殺ゲージに加算する。
使いこなせば強力だが狙って実行する事は非常に難しい。

★輝水幻廻嘯　（「受け流し」か「受け止め」中に５２３６３２１４１２３６Ｐ）
必殺ゲージを２本消費する。
試合中に「受け流し」と「受け止め」で防御した技のダメージ値の総合計を威力とするエネルギー波を放射する。その性質上基本的にガード不可なので強力だが、与えるダメージの１５パーセントを静流も受ける。

★輝水寂静輪　（「受け流し」か「受け止め」中に５８９６３２１４７８５２Ｐ）
必殺ゲージを２本使用する。
相手の必殺ゲージをゼロにするだけの技だが、演出が非常に長く、ゲーム中のカウントで４０にもなる。タイムオーバーを狙う際は優秀。

★物真似　（相手のコマンド入力開始から１５フレーム以内に同一コマンドを鏡写しに入力）
必殺ゲージを１本消費する。
相手の技を模倣するだけの技だが、その性質上大抵の場合はカウンターヒットとなる。

キャラ選択画面で特定のコマンドを入力すると、魔法の道具でドーピングした決闘ヴァージョンとミスティックアクアが使用可能になるとの噂があるとか無いとか。

決闘の結果、ということ。

勝負には、勝ちました。
流石に無傷で、とは行きませんでしたけれど、完膚無きまでに打ちのめしたつもりです。

しかし、御相手の心が折れる事はありませんでした。
御自分の魔導を御自身に返され、御自分の武芸を御自身に返され、意地と誇りを籠めた一撃を御自身に返されて尚、折れぬ心。その不屈の闘志を拝見して、私は決しました。
決闘とは、決する闘い。
勝敗等はどうでも良い事で、その過程において御相手を見定め己を秤にかけ、決する事こそが肝要です。

双龍杯に、勇希さんと参加する事に致します。
……属性は、「友」ですけれど。

決闘、ということ。

決闘。
決する闘いと書くこの行為は、数ある闘争の中で私があまり嫌いでは無い物の一つです。
相手を討ち滅ぼす事や、相手から奪う事を目的とするのでは無く、闘いの過程から何かを感じ取り、己の意志を決定する為の物であるから、でしょうか。

選択し、決定するという事は勇気を必要とする行為です。
何も選ばず、何も決めず、ただ曖昧に角を立てず周囲に合わせ無難に取り繕って生きる事の方が、遙かに容易く心地良く……安穏な日々を得る事が出来るのかも知れません。
勇気とは、自己保存を最優先とする生命としての本質からは逸脱する概念ですから、これを持たぬ方を私は決して責めたりは致しません。生命体としては、正しいのでしょうから。
しかし、私は勇気を持って生きたいと、持ったままに死にたいと願います。
状況に妥協せず、己を誇り胸を張って生きる為には、痛くても苦しくても辛くても、選択し決定する必要がある時も存在します。そのような時に、状況に対して背を向ける事は格好悪い生き方だと思うのです。無論あくまでも、私の美意識ですけれど。

……そんな事を考えながら、今日は決闘に備えて数種類の品々を、懇意にさせて頂いているシンジケートに発注致しました。
お陰で相場よりもかなり安く手に入れる事が出来そうなのですが、それでも預金の三分の一が消えてしまいます。学業を疎かにせずにお仕事を頑張りつつ、節約もしなくてはいけないのですけれど……これもまた、難しい闘争かも知れません。

力、ということ。

周知の通り戦国学園は「次世代の日本を担う人材を育成すべく設立された」学校であり、「文武両道の精神を掲げ」、「学園の自治は学生に任せられており、強者が弱者を支配する」と定められています。
「学園の自治は学生に任せられており」という条項と「強者が弱者を支配する」という条項が連結されている事により、戦国学園の統治原則は「強者」による支配なのでしょう。

さて、「強者」とは何でしょう。
強いとは、どのような事でしょう。
力とは無数に種類が存在しますが、どれを指すのでしょう。速度と質量を比較しても意味が無いように、定義の異なる事象に優劣を付ける事は……私には、出来ません。
学則の定める決闘において最高の勝率を誇る方でしょうか。
数こそは力と、より多くの人員を統べる組織の長でしょうか。
或いは最も多くの友を持ち、その方の為ならばと立ち上がりたくなる人の事でしょうか。

そのどれもが、私には素敵な事に思えます。
天と地と炎と水と、どれが一番美しいか価値があるかを決める事は必要なのでしょうか。どれも異なる美しさであり、どれも等しく大切。私は、そう思うのです。
他の方にとってそうでは無い事は承知していますし、意見が異なるという事こそが可能性であり明日への希望であると考えているのですけれど……自治とは読んで字の如く、自ら治める事。他を治めるには自らを律する事がまず肝要な事ではないでしょうか。

人間は自力で餌を確保する為に数年を要する脆弱な肉体と、様々な誘惑に極めて容易に陥落する惰弱な精神を持つ生命体です。故に群を為し社会を構成し、様々な制度を構築して種としての存続を計ってきたのでしょうけれど、このような事は他の種族も程度の差こそありますが行っている事。
他のどのような獣も成し得ない、人間という種族ならではの特質とは……己を知りたいと願い実行し、己自身を己自身で律する事が出来る、ということ。
それこそが、人の人たる強さだと私は考えます。

無論これは、私の定義。どなたに強要するつもりもありませんけれど……強くあれ、と定められた場であるならば、己の信じる強さを求めたいと、願うのです。

お祝い。

先日、時雨さんがバトル部門と人外部門の二部門を制覇なさりましたので、ちょっぴり遅れましたけれど記念会見でも、とお誘い申し上げたのですけれど……きっぱりと、拒絶されてしまいました。

「相も変わらず下らぬ御為ごかしの数々、巧言令色少なし仁とは良く言った物よな水鏡静流。斯様につまらぬ事を考える程に暇を持て余すとは生徒会会長とやらは余程の閑職と見えるが、己の暇を他人の暇と取り違えぬ事じゃ。儂がそなたの野次馬根性を満たしてやる義理も無し、脆弱極まる身体を何時までも晒すで無いわ、言葉の意味を理解したならば消えよ。」

あの方の人見知りこそ相変わらずだと思うのですけれど、誰に対してであっても無理強いするという事を、私は望みません。
そのような訳で、他の受賞者の皆様にお祝いを申し上げたいと思います。

まず、ナイト部門に輝かれた我が盟友、万里さん。
ナイトというよりはパラディン、という気がしないでもありませんけれど、その気高さと誇り高さ、威風堂々とした立ち居振る舞いは、本当にこの部門に相応しいものだと感じます。
どうか、これからも貴女が貴女であり続ける事が叶いますように。

次に、切り札部門を制した優也さん。
桜花の時代より諜報活動に勤しまれ、今回の武会におかれましては破竹の快進撃、文武両道を極めて高い次元で成し遂げられていらっしゃる事は、感嘆を禁じ得ません。
そして、それだけの実力をお持ちでありながら気さくで人当たりの良い御人柄こそが、優也さんを真の意味での切り札としているのだと思います。

そして堂々のサムライ部門、新次郎さん。
武辺と自称なさってはいますけれど、その御人徳の深さは学園の多くの方々が御存知な事と思われます。仁知勇を兼ね備え、理想の父親と憧憬を抱かれる方の多い事も納得です。
今後とも、御武運をお祈り申し上げます、ね。

ミステリー部門を獲得なさった鈴々さんは、確かにあれほどに魅力的である事はミステリーだと頷きました。
魅力的な女性に謎はつきもの、とは良く言いますけれど、文字通りに体現なさるとは同性として羨望の極み。イベントを独自にを企画立案実行される行動力と合わせ、心より尊敬致します。

クィーン部門を御掴みになった梨紗さん、これ程納得の結果も珍しいと感じます。
部門名からは高圧的なイメージを受けてしまいますけれど、そのイメージさえも梨紗さんの暖かく柔らかな雰囲気により和み馴染んでしまう程。
異性のみならず同性さえも惹きつけるその優しさは、戦国学園にとってかけがえのないものであると思います。

界王様部門の武流さんですが、お笑いのベースに確固たる自我を確立なさっていらっしゃる事が、とても素晴らしく思います。
言葉遊びに終始するのでは無く、その根底に優しさと厳しさを秘め、道化の仮面を操るという事はとても難しい行為。それを極々自然に成し遂げられる気概は、とても大きな畏敬の対象です。

ＭＡＤ部門の耕介さんは……とても多くの方に愛されている証拠だと思います。部門名は若干ネガティヴですが、私は純粋に祝福致します。
仕合というものは、一人では出来ない事。
その相手として最も多く望まれるという事は、戦国学園に身を置く者として最大級の栄誉ではないでしょうか。


人の想いは数の多寡で優劣が定まる物でも無いとは思うのですけれど、集計された数もまた、想いの存在の証明である事は間違いありません。
大好きな学友の皆様が、どうか今日も素敵な一日をお過ごしになられますように。

愛国心。

衆議院選挙で自民党が大勝利。
また愛国教育とやらが強まるのかなぁ、なんて考えました。

私は既に随分前から学生ではありませんし、子供を産む予定も無いので直接の関係は無いと言えば無いのですけれど、アレってどうも納得がいかないのです。
教師の処分を盾にして生徒に日の丸や君が代を強制し、日本の国を愛する心を植え付け教育する。コレって完全に悪者のする事だと思うのですよね。
どこかの南斗孤鷲拳伝承者は、自分を愛して欲しいと願い人質を取って言いました。
「ユリア、俺を愛していると言ってみろ」
こんなの、逆効果に決まっています。口では言うかも知れませんが、私なら相手に軽蔑と憎悪しか感じません。
色恋沙汰には精通していると言えませんが、自分を愛して欲しいなら、まず相手に愛されるに足る自分になる事ではないでしょうか。
それを怠って、形式を強制した所で愛なんて生まれようが無いですし、仮に生まれたとしたならば、それは愛とは呼ばないと思うのです。

ちなみに生まれ故郷を愛する心や国を愛する心というモノを、私は微塵も持ち合わせてはいませんし、サッカーの国際試合で応援するのはいつもブラジルや南米のチームです。せせこましい欧州系のチームプレイよりも、南米系の各個の実力に裏打ちされた自由奔放で強引な個人技が大好きだから、というだけの理由ですけれど、これにより非国民扱いは日常茶飯事です。いいじゃないですか、普段は宇宙船地球号の仲間とか言っているのにそんな時だけナショナリズムに傾倒しなくても。

ちょっぴり話が逸れました。まぁ、私が非国民である事は兎も角と致しまして。
国を愛して欲しいなら、形式の強要よりもまず国民が胸を張って誇りとする事が出来る国を作る事が肝要だと思うのです。
例えば……無資源国なのですから開戦すれば補給もままならなくなり無駄に決まってる軍隊とか、税金の無駄遣いでしか無い天皇とか薄っぺらい飾りよりもむしろ、平和憲法護持の方が凄く有意義で困難な闘争ですから、きちんと実行出来ていたら少しは尊敬もできるのになぁ、と。
言いたい事はコレなのですけれどね。