筑後川の日本人。

明日の日本が、より良い国家になる為に。

拉致問題解決に、むけて政治家は、今までに何をしてきたか。

2017-11-13 15:41:50 | 初心者のブログ作成
※15年前の「明日への選択」の記事である。髪の毛が逆立つほどに拉致事件を放置した者達への怒りに震える。そして、今、何が変わったのかを問わねばならない。外務省は変わったか。政治は変わったのか。学界は変わったのか。メディアは変わったのか。変わりなどしない。本性は何も変わっていない。そのままだ。これで拉致問題が解決するはずがあるまい。
万感の怒り持って皆さんにお願いする。この日本を変えて下さい。私達日本人にとって生命の根源である日本を取り返して下さい。日本を忘れた戦後の破壊なしに真日本の創造はありません。
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拉致事件を放置した政治家・外務省・言論人
投稿者:operatorC 投稿日時:2002/11/07(木) 00:00
拉致事件を放置した政治家・外務省・言論人
「八人死亡」が事実なら、彼らを見殺しにしたのは誰か
 
歴代アジア局長は何を言ったのか
 なんとも危うい予感のあった小泉訪朝だったが、終わってみれば、もたらされたのは拉致被害者八名がすでに「死亡」し、「生存」はたった五名という悲報だった。しかも、まだその安否情報自体も確認されず、金正日の言った謝罪の信憑性も責任者処罰の実行も疑わしい。
 なぜこんなことが起こったのか。第一の理由は北朝鮮が文字どおりの「テロ国家」であるからに他ならない。しかし、最初の拉致事件から二十五年、警察による最初の拉致事件認定から十四年、横田めぐみさんの事件発覚からでも五年、ここまで拉致事件を放置してきた日本の政治家、外務省などの責任も同時に追及されなければならない。その責任追及の前提として改めて彼らの発言を出来る限りなまの形で紹介したいと思う。
 まずは外務省から見てみよう。結論を先に言えば、外務省には国交交渉再開だけが目標であって、拉致問題の解決など眼中になかったことは明らかである。
 拉致被害者の家族で最も早く外務省に陳情に行ったのは、ヨーロッパから拉致された有本恵子さんの両親だった。昭和六十三年秋、外務省を訪ねたところ、対応したアジア局北東アジア課の事務官は、「日朝交渉のじゃまになるから騒がないでほしい」と話したという(佐藤勝巳『日本外交はなぜ朝鮮半島に弱いのか』)。
 当時はまだ拉致問題への関心がほとんどなかった時期ではある。しかし、横田めぐみさんの拉致事件が明るみに出た平成九年二月以降もこの姿勢は変わらなかった。この年の五月、政府は横田さんのケースも含めて「七件十人」が北朝鮮に拉致されたと認定したが、その五ヶ月後の平成九年十月、阿南惟茂アジア局長(当時・現中国大使)は新聞記者との懇談でこう話している。
 朝日新聞記者の「北朝鮮の拉致疑惑は証拠もないのにあんなに盛り上がってしまったんですね」という問いかけに対して、阿南局長は「拉致疑惑には、亡命者の証言以外に証拠がないわけなんですから慎重に考えないといけないんですね。韓国の裁判で証言があるといったって、韓国に捕まった工作員だから、彼らは何を言うかわからない」。さらに「警察白書に七件十人という書き方もされているが」という質問に「この間、議員に『拉致疑惑』と言うけれども、『疑惑』とは何ごとか、と怒られました。『疑惑』をとって『拉致事件』と言えと」と答えている。
 阿南氏は日本の警察の発表すら信じず、拉致事件そのものが疑わしいと言っているのである。北朝鮮外交の実務責任者がこれでは北朝鮮に拉致問題をただすことなど不可能である。この阿南氏の後任が槇田邦彦・現シンガポール大使である。槇田局長は平成十一年十二月の自民党外交部会でこう述べている。
 「たった十人のことで日朝正常化交渉がとまっていいのか。拉致にこだわり国交正常化がうまくいかないのは国益に反する」
 まさに、拉致問題は棚上げすべきだというのである。その後、拉致被害者救出運動が盛り上がってくると、槇田氏は拉致は棚上げではないと言い始める。しかし、それは、拉致被害者を救出しようというのでもなく、拉致問題の前進が北との国交交渉に不可欠だと考えたわけでもなかった。平成十二年八月、拉致被害者家族の陳情に対して槇田氏は「拉致を棚上げした国交正常化は世論が許さないでしょう」と言っている。つまり、拉致被害者の家族が立ち上がらず、世論も盛り上がらなければ、外務省は何もしなかったということなのである。
 この槇田氏の後任が、今度の小泉訪朝を演出し、また首脳会談の際、北朝鮮からの安否情報の一部を共同宣言調印直前まで小泉首相や安倍官房副長官に伏せていたと批判されている田中均・アジア大洋州局長である。田中局長については、今のところ阿南・槇田両氏のような露骨な発言は表面化していないが、田中氏が水面下で拉致問題解明の中止を働きかけていたことはほぼ間違いない。産経新聞は今年三月二十三日次のように報じている。
 「北朝鮮による日本人拉致容疑事件をめぐって、政府首脳が外務省の田中均アジア大洋州局長の働きかけに同調、事実解明のために設置された副大臣プロジェクトの開催中止を外務省側に通告していたことが二十二日明らかになった」
 こうした対北朝鮮外交の実務責任者の発言、行動を並べてみると、彼らには一貫して拉致事件が日本の主権問題であるとの認識も、日本国民の生命の安全に対する責任感もまったくないことは明らかである。
 
野中広務氏の責任
 さて、次は政治家である。政治家と言えば、まず最初に自民党の元幹事長・野中広務氏を挙げねばなるまい。北朝鮮との国交正常化を「ライフワーク」(文藝春秋・平成十二年六月号)だと言ってはばからない数少ない政治家であり、また平成二年の金丸・田辺訪朝団に加わったのをはじめ与党訪朝団(平成九年)や超党派訪朝団(平成十一年)の事務局長を務めた。また、何の役にも立たなかったコメ支援(合計百十七万トン。無償支援は九十万トンを超える)に最も積極的だった人物でもある。
 野中氏は、小泉訪朝後に「いくたびかあの国と交渉しながら、時、利あらずして(被害者を)救出できなかったことは申し訳ない」(日経・九月二十九日)と述べたようだが、これまでの発言を見ると「被害者救出」が野中氏の念頭にあったとはとても思えない。例えば、平成十年四月六日、自民党本部での講演で野中氏はこう述べている。
 「拉致疑惑があるから食糧は送るなとの意見は強いが、(北朝鮮とは)従軍慰安婦や植民地、強制連行があった。近くて近い国にしたい。日本はコメが余っているのに隣人を助けることができないのは恥ずかしい。壁を破ってでも食糧援助をすべきだと思って環境整備をしている」(産経・同年四月七日)
 また平成十一年十二月、「隣国が困っているのに援助せず、心を通わせないで、拉致疑惑をはじめとする問題が解決するか」(十二月五日・NHK日曜討論)とも述べていた。
 さらに野中氏は拉致被害者の救出運動を一貫して貶めてもきた。例えばコメ支援に反対して拉致被害者家族が自民党前に座り込みをしたが、それに対して、野中氏は「日本人の拉致問題を解決しないでコメ支援はけしからんと言うが、日本国内で一生懸命吠えていても横田めぐみさんは返ってこない」と言った(三月二十九日・島根県での講演)。
 野中氏の発言は他にもまだあるが、いずれも拉致事件の解決抜きに北朝鮮との関係改善をすべきであり、そのためにはコメ支援が必要だというものである。しかし、野中氏が主導したコメ支援が拉致問題解決に何の役にも立たなかったことは今度の小泉訪朝が如実に示している。野中氏は、そうした政治責任をどう考えているのか先ず明らかにすべきであろう。少なくとも、「時、利あらずして」などと責任を時代のせいにするのは卑怯というものである。
 自民党の政治家でもう一人あげるならば中山正暉氏であろう。中山氏は平成九年に結成された「拉致疑惑日本人救援議員連盟」の会長だったのだが、その年の十一月の与党訪朝団に参加して帰ってきてからは百八十度発言が変わってしまう。そしてなんと日朝友好議員連盟の会長にまでなってしまい、今年三月には有本恵子さんの実家に電話して「(政府が有本さんの拉致を認定したことで)これで帰れなくなる」と恫喝した人物である。
 「なんとか北朝鮮を軟着陸させたい。被害者の親にも『生きた顔を見たければ』と穏当な方法での解決を説得している。『消息不明者』でも結構ではないか」(平成十年八月三日・時事通信インタビュー)
 「(北朝鮮の)誰が連れて行ったのを返してくれという話ならわかるが、この問題は挙証責任が日本側にある。拉致を(交渉の)前提に置くと何も進展しなくなってしまう」(平成十二年八月八日・記者会見)
 「政治家としての勘だが、色々でている話は、幽霊のように実態のないものだったと思う」(朝鮮新報・平成十二年九月四日)
 呆れてものも言えないというのはこのことである。むろん、野中・中山両氏だけではない。河野洋平・元外務大臣は一貫して、北朝鮮との「話し合い」だけを強調し、そのためにはコメ支援が必要だと言ってきた。また、田中真紀子氏は、コメ支援に反対して拉致被害者家族が座り込みを行ったことに対して「拉致問題があるからけしからんという意見もあるが、五十万トンといわず、百万トンでも出した方がいい」と明言し、外務大臣就任の記者会見でも「(拉致問題は)これは人道問題ですから」という程度の認識だった。
 拉致事件を国家の主権に関わる問題として考えることもなく、また、北朝鮮がテロ国家だという認識もなかった政治家たちが、今後どのような政治責任をとるのか、しっかり監視していきたい。
 
過去の発言に口をぬぐう政治家
 では、野党は何を言ってきたのか。民主党の鳩山由紀夫代表は、九月十七日の首脳会談直後に、「小泉首相がこのような国家犯罪の責任をどこまで厳しく追及してきたのか、きわめて疑問だ」「北朝鮮側の説明を鵜呑みにしたままで国交正常化交渉の再開は時期尚早と言わざるを得ず、非常に残念だ」と小泉批判を展開、金正日の責任も「軍の最高責任者としての責任を厳しく追及すべきだ」とも述べた。
 実にまっとうな発言なのだが、鳩山氏がかつて拉致問題にどんな発言をしてきたのか忘れたのだろうか。平成九年、横田さんのケースが明るみに出たとき、「困っているときに、拉致問題などの問題が解決しないと援助できないというのでは、彼ら(北朝鮮)の気持ちを和らげることはできなくなってしまうのではないか」(平成九年四月十九日、前橋市での演説)と言っていたのである。鳩山氏には小泉批判をする前に反省すべきことがあるはずである。
 かつての発言に口をぬぐうという点では共産党も同罪である。平成十二年十月の衆議院の党首討論で不破委員長(当時)は拉致問題について「政府は(拉致の)確たる証拠を示していない」「疑いがある段階から出ていない」、だから「疑惑の段階」に相応しい北朝鮮外交をすべきだと主張した。翌日の「しんぶん赤旗」は「いま政府が『拉致疑惑』として持ち出している案件で、証拠や物証に基づき拉致という結論が出たケースは一件もないことがあらためてわかりました」と書いた。
 つまり、拉致問題は「疑惑」であって事件ではない、だから北朝鮮外交の場では持ち出すなというのである。それが、今では被害者家族に哀悼の意を表したり、拉致問題の真相解明を要求しているだから、その健忘症ぶりには言うべき言葉もない。
 しかし、朝鮮労働党と「友党」の関係にあった社民党となると、その罪は許すべからざるものがある。拉致事件を金正日が認めたことに対して、土井たか子党首は「これまでそういう事実はないという(朝鮮労働党の)答えだった。大変ショックだ」(東京新聞・九月十八日)と語った。しかし、「ショックだ」と言って済ませられる問題ではない。
 最初に政府が北朝鮮による拉致だと認めたのは昭和六十三年のことである。さらに平成九年五月には横田めぐみさんを加えて七件十人を認定し、今年三月には東京地裁で実行犯の一人が証言・謝罪し、有本さんのケースも北朝鮮による拉致と認定された。一体、この間社民党は何をしてきたのか。土井党首の言葉からすれば、社民党は政府の認定や裁判所での証言ではなく、金正日が日本人拉致を認めるまでひたすら北朝鮮の発表を信じていたということになるが、そんなバカなことはない。
 社民党は北朝鮮の言うままに拉致問題は存在しないとだけ考えていたわけではない。むしろ、積極的に拉致問題つぶしに奔走してきたというべきであろう。例えば、横田めぐみさんの拉致事件が明るみに出た平成九年には、社民党の機関誌『月刊社会民主』にはこういう論文が掲載されている(同誌七月号・北川広和「食糧支援拒否する日本政府」)。
 「拉致疑惑の根拠とされているのは、つい最近、韓国の国家安全企画部(安企部)によってもたらされた情報だけである」「産経新聞に掲載された元工作員の証言内容に不自然な点がある」。従って「拉致疑惑事件が安企部の脚本、産経の脚色によるデッチあげ事件との疑惑が浮かび上がる」。「二〇年前に少女が行方不明になったのは、紛れもない事実である。しかし、それが北朝鮮の犯行とする少女拉致疑惑事件は新しく創作された事件というほかない。……拉致疑惑事件は、日本政府に北朝鮮への食糧支援をさせないことを狙いとして、最近になって考え出された事件なのである」
 この主張は拉致事件を「デッチ上げ」「捏造」としてきた北朝鮮の主張となんら変わるところはない。にもかかわらず、今は金正日が拉致を認めると、「声明」を出して「拉致問題の真相解明」を北朝鮮に求めるという。社民党が先ず為すべきは謝罪ではないのか。真相解明というなら、社民党と北朝鮮との関係についてこそ真相解明をすべきである。
 
北朝鮮を擁護し続けた社民党
 とは言え、田辺誠・元委員長のように、いまだに「私は知らなかった」という政治家もいるくらいだから、社民党が反省したり謝罪したりすることはまず不可能だろう。田辺氏は、金丸氏とともに平成二年に訪朝したが(当時・社会党副委員長)、「当時、拉致に関しては全く知らなかった。家族からの陳情も私には届いていなかった。行方不明者がいるという話を小耳にはさみ、訪朝前に外務省や警察庁に聞いたが確認できなかった」(読売・九月二十二日)と述べている。
 何とも不思議な話である。金丸・田辺訪朝団の二年前には拉致容疑を警察庁が認定し、同じ年には大韓航空機爆破事件の金賢姫が教育係の日本人が拉致されてきたと語って大問題にもなっている。また、訪朝前年の秋の国会では、いわゆるパチンコ疑惑審議のなかで北朝鮮による拉致問題は何度も追及されている。当時、社会党書記長だった田辺氏が知らないはずはない。とぼけるのもいい加減にしてもらいたい。
 そもそも、拉致問題に限らず一貫して北朝鮮問題で北側に加担してきたのは社民党だったことは周知の事実である。手元にある資料からいくつかを例示すれば、二年前に金正日生誕祝賀会というものが行われたが、その主催者の一人は清水澄子・社民党政審会長代理であり、そこで挨拶したのが槇枝元文・元日教組委員長(元総評議長)、乾杯の音頭をとったのは村山富市元首相(元社民党委員長)だった。今でも社民党国会議員のホームページを見ると、北朝鮮を「共和国」と北朝鮮と同じ呼び方をする議員さえいる。拉致問題との関連で言えば、平成元年に社会党議員が中心になって韓国大統領に提出した在日韓国人政治犯釈放要望書のなかには、原勅晁さんを拉致した犯人・辛光洙も含まれていた。
 また、昨年、朝銀問題で警察が朝鮮総連に家宅捜査に入った際、不当捜査だと抗議に行ったのも二人の社民党国会議員だった。拉致議連事務局長の平沢勝栄議員は「私が警察にいた時も、北朝鮮関連団体の事件をやったら、すぐに社民党の議員が抗議に来た。こんなばかな党はない。辻元さんも土井さんも、北朝鮮とズブズブの関係ですよ」と言っている。
 昭和六十二年に訪朝した際、土井氏は故・金日成から「スケジュールはきつくありませんか」と尋ねられて、「いいえ、自分の家に帰ったようです」と答えたという(週刊文春・同年十一月十三日号)。この際、北朝鮮と「ズブズブの関係」にある社民党など解党して「自分の家」に帰ることをお勧めする。
 
北朝鮮御用学者の面々
 拉致事件を報じてこなかったマスコミの責任も追及すべきであろう。特に、拉致問題を日朝交渉の「障害」(平成十一年八月三十一日・社説)と書いた朝日新聞、最後の最後まで拉致問題を取り上げなかったNHKの罪は大きい。しかし、マスコミの責任追及は紙数の関係があるので別の機会にゆずることとして、ここでは何人かの学者の発言に触れておきたい。
 吉田康彦・大阪経済法科大学教授(元埼玉大学教授)は、「北朝鮮人道支援の会」という団体を主宰し、北朝鮮問題では一部マスコミに必ず登場する人物である。この吉田氏がこれまで何と言ってきたのか。
 「ら致疑惑は二十年前の『事件』であり、必要とあれば二国間で解決すべき問題である。……わけても、横田めぐみさんという新潟の十三歳の少女の失そう事件は、韓国に亡命した北の工作員がピョンヤンで聞いたという伝聞に基づくものであり、しかもその亡命工作員は特定されておらず、韓国安企部の情報操作に踊らされたというのが実態である」(民族時報・平成九年七月一日)
 「問題は拉致『日本人拉致疑惑』で、これを棚上げし、国交正常化のあかつきに、多少とも解決の手がかりが得られればいいとしなければ、交渉は前進しないであろう」(北朝鮮人道支援の会ニューズレターNo.9)
 これ以外にも、吉田氏には多くの北朝鮮擁護の発言があるが、今でも「拉致問題を否定したことはない」と居直っているらしいので、これ以上の紹介は誌面の無駄というものである。ただ、こんな人物がかつてNHK国際局報道部次長の職にあり、今も朝日新聞は拉致問題に関して吉田氏のコメントを掲載していることは付け加えておきたい。
 また、いわゆる「従軍慰安婦」問題で日本政府に国家補償を要求している和田春樹・東大名誉教授もこう書いていた。
 「横田めぐみさんが拉致された断定するだけの根拠は存在しないことが明らかである。そういう情報が韓国情報機関から流れているのなら、拉致されたかもしれないという疑惑が生じうるという以上の主張は導き出せないと思われる」(世界・平成十三年二月号)
 同じ東大名誉教授だが、反核・反戦運動のスポークスマン的存在である坂本義和氏もこう述べていた。
 「先日、横田めぐみさんの両親が外務省に行って、まず、この事件の解決が先決で、それまでは食糧援助をするべきではないと申し入れた。これに私は怒りを憶えた。自分の子どものことが気になるなら、食糧が不足している北朝鮮の子どもたちの苦境に心を痛め、援助を送るのが当然だ」(朝鮮時報・平成十二年)
 坂本氏は、日本のコメ援助を初めとする国際援助が北朝鮮の子どもに渡っていると本心から信じ、それでいて北の食糧不足はミサイル開発の予算を一部削るだけで一挙に解決できることは知らないらしい。こういう人物は、金日成総合大学で教鞭をとる方が似合っていると思う。(『明日への選択』編集長 岡田邦宏)
〈『明日への選択』平成14年10月号

ゴルフとか鉄板焼きステーキとかの厚遇は枝葉の問題ではないのか

2017-11-06 11:36:35 | 初心者のブログ作成

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成29年(2017)11月6日(月曜日)
        通巻第5499号  
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 トランプ大統領が来日。「インド太平洋の安全保障」に言及
   ゴルフとか鉄板焼きステーキとかの厚遇は枝葉の問題ではないのか
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 トランプ大統領は横田基地に降りたって、最初に在日米軍ならびに自衛隊関係者およそ二千人を前にスピーチをしている。
 「アメリかは圧倒的な力で必ず勝利する」と高らかに宣言し、つづいて「過去にアメリかを見くびった独裁者がどうなったか?」と意味深長な発言をなした。これを北朝鮮の金正恩向けと日本のメディアは捉えた。

 ところが前日にトランプは真珠湾に立ち寄って、白い花を海に投げ犠牲者の冥福を祈っており、「パールハーバーを忘れるな」と強調していることに留意する必要がある。英紙インデペンダントは、この点に的を絞り「廣島長崎14万人の犠牲」に弔意を示していないが日本政府がこの問題の表面化を避けたと示唆した。

 さて横田基地から川越のゴルフ場へ向かったトランプ大統領は待機した安倍首相と固い握手、日米同盟の深化を演出し、野球帽にサインしたあと、米国製牛肉のバーガーを昼飯とした。「日本は米国の重要な同盟国だ」と強調した。
 軽い食事のあと、二人はゴルフに興じたが、9ラウンドで切り上げ、夕食の鉄板焼きに備えた。ゴルフは表向きのジェスチャーで、二人だけの緊密な話し合いが行われたと推測出来る。

 米国メディアはトランプ来日記事をメインとしておらず、筆頭はサウジ王子の逮捕である。二番目がトランプはアジア歴訪についてであって、その初日が日本という位置づけ、むしろ習近平との会談とダナンで予定されているプーチンとの会談に重点をおいており、北朝鮮問題の解決に向けて、中国とロシアの協力が不可欠という前提から「過去25年の外交とはまったく異なった手法を用いるだろう」(AP)

「かならず根本解決をする。中国とは公平な貿易に関して突っ込んだ話し合いとなる」(ロイター)などとして安倍トランプ会談の詳細は殆ど触れていない。

 欧米メディアに共通しているのは「アジア諸国を12日間も歴訪するのは1992年のブッシュ大統領以来だ」と強調するばかり。ニューヨークタイムズは「ダナンで予定されるプーチンとの会談で何が話されるか」とし、ワイントンタイムズは「引き続き、フィリピンでもプーチンとの会談の続きが行われる模様」と報じている。
 プーチンとベトナムとフィリピンで連続会談を行うと予測しているのはワシントンタイムズだけである。


 ▼米国のリベラルメディアは相変わらずトランプのロシア疑惑を誇大に報道

 トランプ大統領自身は金正恩を「小さなロケットマン」としながらも、「北朝鮮との問題では中国とロシアの協力を求める」とした。ワシントンで巻き起こっているトランプ政権とロシアとの関係疑惑を避けるためにも、プーチンとの個別会談を前面には出したくない姿勢が見受けられる。

 しかし、トランプの語彙にも、大いに注目する必要がある。
 これまでアメリカは「アジア太平洋の安全保障」と言ってきた。昨今は「インド太平洋の安全保障」と語彙の切り替えが行われている。これはペンタゴン戦略の変更に沿っての発言であり、ひろく中国海軍の脅威の範囲を南シナ海からインド洋に拡大している事実が背景にある。

 したがってタイムズ・オブ・インディアは「トランプは安倍、文在寅、習近平との協力関係を重視しての統一戦線形成だ」などと楽観的希望的観測をあげた。トランプは「中国とロシアとの協力が必要」と強調しているが、韓国のことに触れていないにも拘わらず、にである。

 ワシントンポストは「12日間の歴訪中に金正恩はまたミサイル実験をやるだろう」として2月のフロリダでの日米首脳会談(27ホールも回って親密さの演出に終始した)の最中に北朝鮮がミサイル実験をおこなったことに触れた上で、「北京訪問をわざわざ12月8日としているのはトランプ勝利からちょうど1周年の記念日だからだ」と妙な比較を特筆した。

 これらの報道と異なったのはフォックスニュースだった。「北京はトランプ訪中を赤絨毯では迎えないだろう。トランプは中国の銀行を制裁したからだ」
また同紙は「トランプのアジア歴訪中、北がミサイルと飛ばしても、交渉において妥協は不要であり、怯むことはない」とした。

 というのもトランプ大統領が北朝鮮をふたたび「テロ支援国家」に指定し直す動きがあって、金正恩が「破滅を逃れたいなら無駄口を叩くな」と威嚇し、「アメリかが無謀にも飛びかかってきたら我々は断固として無慈悲な懲罰を加えざるをえなくなるだろう。そのときになって航海しても無駄だ」と核攻撃をほのめかしたあと、トランプがツィッターで「北朝鮮の人々は偉大だ」などと書き込んだ経緯があるからだ。

 それにしても安倍トランプ会談を「バーガーで昼飯」「銀座の鉄板焼き」「イバンカの先乗り厚遇」「メラニア夫人と安倍夫人の銀ブラ」などと、枝葉の問題を訪日日本のメディアは相変わらずのノー天気である。
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