紫苑の部屋      

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歌舞伎座の前の東京マラソン

2008-02-17 23:59:34 | 観劇
昼の部の始まるちょうど10分前、
東京マラソン、先頭が駆け抜けていきました。
歌舞伎座の前は35キロ地点でした。

江戸市民にとって、歌舞伎は即興芝居的要素、大いにあったのだと思います。
うまく今日のトピックスを取り入れます。
楽しみでもあります。
今月の演目のどこにでてくるか、どうかなー、と思っていると、
思いがけないところで…。

小野道風青柳硯、で駄六が池から這い上がって
岩の影から東京マラソンの旗2つとりだして、花道を引っ込んでいきましたよ。
仮名手本忠臣蔵7段目一力茶屋の遊び(駄洒落のことば遊びとでもいうのでしょうか)で話題にだしましたね。
現代の流行語などもうまく入れ子にしたあそびごごろ、
これも粋とされたのですね。

それはともかく、今月は松本白鴎追善の歌舞伎です。
小野道風は、60年ぶりとか、
道風の逸話を、柳に蛙が飛び着いたのをみて謀叛を悟る、というパロディにした、
とにかく珍しい作品です。
とくに公家装束の道風が悪漢を倒すのに、相撲の技を使うのが面白かったですね。
刀をさしてはいますが、刀の意味が、武家とは違うのですね、きっと。
人の殺生には使わない。

白鴎(おうの字が違いますが)といえば、7段目の由良之助、
これに勝るのは、ないと思います。
崩れていそうで、凛とした腹が据わっていて、
品の良さ、色気と鋭さと、由良之助に必要とされるものが全部備わっている、
白鴎の由良之助なのか、由良之助が白鴎なのか、というぐらい…。
だから、幸四郎はやりにくいでしょうね。
このごろ、花形スターが平右衛門をやるようになって、
こちらに関心がシフトされ気味、
染五郎もいい平右衛門になってました。
芝雀のお軽もいいわね。
夫のため、兄の願いのため、身を投げ出す哀れさに、
やっぱり涙ぐんでしまいます。

関扉、
登場人物の関係図がいまいち飲み込めないところがあるのですが、
吉右衛門、染五郎、福助、見応えがあって、飽きさせない、踊りと、
常磐津のいいのど、なんていいのでしょう!

 2008/2/17 歌舞伎座


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