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紫苑の部屋      

観劇・絵画と音楽・源氏物語      
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映画「扉をたたく人」

2009-07-23 00:24:03 | 映画
2008年、アメリカで口コミで大ヒットしたという映画、
9.11以降のニューヨークで、シリア出身の青年が不法滞在と分かればどういうことになるか、
ある偶然の出来事、映画ではそれがとても見事でしたが、
永住許可証などなくてもずーとユーヨークで生きてきた人びとの自由と生活を奪い、
人間性をずたずたにし、人生を狂わせる。
どんなに多くの実例が起こったことでしょう。

しかし映画の主題は、
愛妻をなくして孤独な日々を送っている、老境に入りかけた大学教授の
サバイバル人生のお話。
西アフリカの伝統楽器、シャンベ奏者の青年とその恋人に関わりをもって、
気のいい教授がどんどん深入りしてしまって、
それと同時に、シャンベに魅せられていく。
それが事の成りゆきの深刻さをどこか明るくし、
滑稽さもあって、この映画のあと味は悪くない。

教授は青年の母親に告白します。
大学で自分がしてきたことってなんだ、なんにもない!
学会の論文といっても人の書いた物に名前を貸しただけ、
講義ノートは毎年、年を変えるだけ、
なんにもしてこなかった!
趣味?ピアノレッスン?
愛妻の上品な趣向に合わせていただけ?
教授は自分を変えたかったのですね。
路上ライブに背広で参加する教授、
ジャンベという太鼓、そのリズム感、教授にぴったり合うのですね。
最後のクライマックス、脱帽ね!!

恵比寿ガーデンシネマにて 2009/7/14

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