紫苑の部屋      

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七月大歌舞伎ー木挽町界隈の新しい風

2015-07-11 01:01:02 | 観劇
7月は玉・海老コンビの歌舞伎、というイメージがあるのですが、
今年は豪華メンバー、猿之助・獅童のほか、澤瀉屋の面々、そして巳之助も加わったのがうれしい。
これまで同じ舞台に立つことの少なかった、30代40代が中心になり、
その成長ぶりを見てとれることが、どんなに心強いことか、
演舞場で勘九郎・七之助が染五郎と大いに活躍しているのを観たばかりなので、
なおさら
木挽町界隈一体に新しい風が吹いてきた、
そう思うのでした。

獅童が昼の演目開幕の初っ端から全部に出ていて、
八犬伝の芳流閣屋上の様式美の殺陣、
(余談ですが、阿弖流為の現代の殺陣も専属の監督がいるらしく、迫力満点それ自身愉しめますが
 歌舞伎の菊五郎劇団や吉右衛門一門のそれも視覚的には勝るとも劣らない、美しさです)
源氏店の蝙蝠安、上手かった!
そして土蜘蛛の貞光も、猿之助を支える人柄が、とても好ましい。

八犬伝は、二場のみで、
円塚山の場での7人のだんまり、梅玉の道節の花道の引っ込みで幕なのですが、
歌舞伎のこのいいとこ取りの端折り方、うまいですねー
お正月の国立の菊五郎一座があまりにもおもしろくなかったので、つくづく感心しました。

源氏店、
海老蔵は初役なのでしょうか?
大向こうの待ってました!成田屋、で間をはずしてしまう、一瞬の白け鳥…
中車さんの自然体の演技に負けてしまいますねー
仁左衛門与三郎の右に出ることは、まずなさそうです、残念ながら。

蜘蛛六変化の猿之助、
浅草で観ているはずなのですが、
すっぽんから・正面階段からの出、襖返しの引っ込み、これは常套、
常盤津の見台の中から飛び出してきたのにはびっくり、
いつからこのアイディアに?
とても新鮮でしたし、文句なしに面白い。
そして、終盤に保昌の押し戻しで海老蔵が登場、
そういえば、猿之助&海老蔵の舞台、初めてではないでしょうか、
それこそ、歌舞伎界の旋風、
感動しました。

 【2015.7.9 観劇 新橋演舞場】★配役⇒2015観劇日誌
 

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