紫苑の部屋      

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明治座の猿之助歌舞伎

2014-11-08 14:58:54 | 観劇
十一月花形歌舞伎
十月の演舞場から場所を変え、明治座での猿之助歌舞伎です。

高時
右近の高時、適役
黙阿弥のものはやっぱり見応えあります。
烏天狗の踊り、が楽しい。
こういう遊びごころ、がいい。

夏姿女團七
この演目はどこにイミがあるのだろう。
猿之助の小気味な啖呵は立役団七では発揮出来ない、からか。
団七の女房お梶が、後妻で義母のおとら婆を義のために殺める…
つじつまは合いますが
思うに、女には殺しの美学は感じない!
一線を越える、殺しのための殺し、
とくに最後のとどめ、いくら男勝りでもそれはない、
リアリティはなくていいのですが、
そこに引きつける必然性はなくてはならない、
だから、魅力を感じない…
本筋のお辰さんの心意気、それもないし…
せめて、パロディーになっていればねー

唯一、見応えあったのは
竹三郎の義平次婆、
夜の部の、さぼてん婆
と合せて、本公演の貢献多大です。

大詰めは、明治座側の浜町河岸をなぞった、本水の中での立廻り、
その見せ場、まあこれで昼の部見たかいがあるというところでしょうか。


夜の部は
四天王楓江戸粧 (してんのうもみじのえどぐま)

江戸の奇想天外な戯作者南北ものですので、
趣向がパロディ、
わかったようなよくわからない筋、ですが、
登場人物、よーく整理してみると、よくできていることに気付きます。

猿之助4役ですが、
前半の夜叉姫、平井保輔、
実在の人物と歌舞伎で名高い人物たち、を織り交ぜして、
なんだか錯綜してしまうのですが、面白い!

土蜘蛛退治の説話のある頼光、
その家来の四天王(渡辺綱、坂田公時、碓井貞光、卜部季武)と平井保昌
平井保輔は保昌の弟という設定で、これは実在ではなさそう、
兄嫁ということで和泉式部が、歌とともに、保昌とのなれそめの梅枝、を伴って出てきます。
確かに恋の遍歴の最後に夫としたのは保昌です。

猿之助、後半の役は、平将門の遺児良門、
そして小女郎狐、いいね髪を結った狐…

ところで、源高明、藤原氏の陰謀で安和の変で失脚の憂き目にあったその人ですが、、
当初は敵役(隅どりも)として登場しているのですが、
なんだか、後半、改心したとして、亀三郎さんいい人になってる…役者亀三郎さんも好演してます。
フィナーレは、土蜘蛛をたっぷり見せてくれます。
滝夜叉の右近さんの頑張り、もよかったですねー

2014/11/07 観劇 明治座

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