映画制作裏話ブログ

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制作裏話「シャーク・テイル」

2005年03月29日 | 映画原作 映画製作裏話 独身社会人
元々この映画の原題名は“シャークスレイヤー sharkslayer 〔サメ殺し〕”だった
のですが、全米公開の一年前に製作総指揮のジェフリー・カッツェンバーグが
“家族向きでない“として、『シャーク・テイル(サメ物語)』と変更させて
います。

ギャングのサメたちにイタリア系の名前が付いていたり、
彼らの台詞の中にイタリア語が使われていたりと、極悪なサメたちのモデルは、
イタリアのマフィア・ファミリー。
それ対してにイタリア系の市民団体がイタリア人=マフィアというイメージを
広めているとしてブーイング。
ドリーム・ワークスに映画内のそういう箇所を削除することなどを求めているという話を
聞いています。

フグのサイクス(声:マーティン・スコセッシ)がオーナーのクジラの洗鯨場
“ホエール・ウォッシュ”で働くホンソメワケベラのオスカーは、
(声:ウィル・スミス)日々クジラの口の中を洗っている。
歌ったり踊ったりしながら働く毎日、
いつかは金持ちになりリーフシティのトップに住むことを、オスカーは夢見ている。
人気者だが調子いいオスカーはトラブル続き、
好意を寄せるエンゼル・フィッシュのアンジー(声:レニー・ゼルウィガー)は
いつもハラハラ。

一方、大ボス鮫ドン・リノ(声:ロバート・デ・ニーロ)の
息子レニー(声:ジャック・ブラック)はベジタリアンの優しいサメで、
ドン・リノや乱暴者の兄フランキー(声:マイケル・インペリオリ)に
いつもハッパをかけられている。


 オスカーはフランキーとレニーに出くわす。
タフ・ガイなフランキーは殺し方をレニーに教えることになっている。
オスカーは、フランキーに狙われるが、
フランキーは大きなイカリに刺さって死んでしまう。
その次第を見た二匹のクラゲは、オスカーが殺したものと勘違い。
その機に乗じてオスカーは、“シャーク・キラーのオスカー”と名乗り始める。
魚仲間たちはオスカーの話を丸ごとすっかり鵜呑みにし、
嘘をついたおかげでオスカーは意外にもヒーローとなり、念願の名声と富を手に入れるのだが…。


この作品のウリはなんと言っても声のキャストです。
オスカー役のウィル・スミス
『アリ (2002) 』< 2002 年アカデミー主演男優賞ノミネート>
『アイ,ロボット(2004)』、先日地上波で放送があった「メン・イン・ブラック」シリーズ
で知られていますが、オスカーは、早口の小さな底魚という設定です。
底魚(そこうお)というのは、海底または海底に近い所にすむ魚のことで、
カレイ・ヒラメ・タラ・アンコウなどを言います。底棲魚とか、沈み魚などとも呼びます。
底魚という意味の英語bottom feeder/ bottom fish には、
最下層民、ゴミ漁り(のような連中)、
低俗な本能に訴える人という意味があるんだそうです。
彼は、リーフシティのスラム街に下宿し、
シティの天井にそびえる高級住宅のビルを見上げ、
「いつかあそこに住んでやる」などとアンジーに語る場面があります。

この映画の中では一番の悪役ドン・リノには、ロバート・デ・ニーロ。
言わずと知れた代表作は 『 レイジング・ブル (1980)』
<1981 年アカデミー主演男優賞受賞>『未来世紀ブラジル (1985) 』
『レナードの朝 (1990)』< 1991 年アカデミー主演男優賞ノミネート>
『RONIN (1998) 』と。
ホオジロザメ一味は、海底に沈没した客船に住んでいます。
劇中ではこの船は「タイタニック」と呼ばれてますけど、
本当に北大西洋のタイタニックという設定かどうかわかんないです。
ドン・リノの頬には、声を務めるロバート・デ・ニーロのようなアザがあります。

アンジー役のレニー・ゼルウィガーは『ブリジット・ジョーンズの日記 (2001) 』
< 2002 年アカデミー主演女優賞ノミネート>
『シカゴ (2002)』< 2003 年アカデミー主演女優賞ノミネート>
『コールド マウンテン (2003) 』< 2004 年アカデミー助演女優賞ノミネート>
のあのレニー・ゼルウィガーなのですが、
アンジーはエンゼル・フィッシュという設定ですね、別の魚かと思ったけど。
これはルックスというより、取るに足らない魚のオスカーを愛し、
インチキヒーローを演じているオスカーを見て心底心配する、
本当にエンゼル〔天使〕のような存在である、というところから
きているのでしょう。

レニー役のジャック・ブラックは『スクール・オブ・ロック (2003) 』
の教師役で一躍売り出した(?)人ですが、
映画の中盤、捕食生活から完全にドロップアウトし、
隠遁生活であっというまに下腹が出てるのですが、
ひれは当人をモデルにしたと言われて、「そんなに出てないよ」と不満げだったとか。

ドン・ファインバーグという初老のホオジロザメ役で“刑事コロンボ”の
ピーター・フォーク が声を聞かせていますが、
日本のファンは吹き替え版しか知らないので、わかんなくて当然ですね。

『タクシードライバー (1976)』< 1976 年カンヌ国際映画祭パルムドール受賞>
『ギャング・オブ・ニューヨーク (2001)』< 2003年アカデミー監督賞ノミネート>
『アビエイター (2004)』等の監督で知られるマーティン・スコセッシが
オスカーの雇い主サイクス役で登場しています。
太い眉毛がマーティン・スコセッシ監督にそっくりです。
熱い空気で膨らむフグ puffer fish 〔ハリセンボン porcupine fishっぽく見えるけど〕。
この魚は “ホエイル・ウォッシュ〔クジラ洗い〕社”のオーナーなのですが、
金貸しもしているとか、なんか怪しいやつですね。

『17歳のカルテ (1999) 』<2000 年アカデミー助演女優賞受賞>
『トゥームレイダー2 (2003)』『アレキサンダー (2004)』の
アンジェリーナ・ジョリーが演ずるローラというお魚は…



以下はネタバレになるので、この続きはhttp://www.cam.hi-ho.ne.jp/la-mer/Pic-sharktale.htmlにて脚本レビューの頁をご覧下さい。

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