「地球が静止する日」本予告
キアヌ・リーブスの2009年正月映画は、
1951年に「サウンド・オブ・ミュージック」「ウェスト・サイド物語」の名匠
ロバート・ワイズが監督した名作SF「地球の静止する日」の
リメイク「地球が静止する日」でした。
(誤字脱字ではなくて、旧作が「地球の」新作が「地球が」です。)
リメイク版の公開にあわせて、
原作の訳本、旧作のデジタル・リマスター版DVDが発表されています。
今回も、原作、旧作、リメイクの3作品のトリプル比較を行います。
リメイク版は、キアヌ・リーブスの
共演は『ビューティフル・マインド』『ブラッド・ダイヤモンド』のアカデミー賞女優
ジェニファー・コネリー、
同じくオスカー女優のキャシー・ベイツ(『ミザリー』)というキャスト。
監督は『エミリー・ローズ』でその独自の映像世界が認められた
スコット・デリクソンです。
それでははじめます。
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└■┐ 小説と「地球の静止する日」「地球が静止する日」の時代背景
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原作者ハリー・ベイツ(1900~1981)は、
訳者の紹介によると、アメリカ生まれの作家、編集者、俳優だったそうです。
若い頃には黎明期の映画産業に従事していたようですが
1930年代に雑誌の編集の傍ら、複数のペンネームで、
スペースオペラものの執筆をしており、
1940年SF雑誌「アスタウンディン」の10月号に
「主人への告別」(Farewell to the Master)という短編小説を発表しています。
これが1951年にロバート・ワイズ監督により「地球の静止する日」
” The Day the Earth Stood Still”というタイトルで映画化されました。
1950年代は、ハリウッドでもSF映画ブームでしたが、
「空想科学映画」は子供向けのお伽話であり、
異星人は敵対するモンスターとして描かれ、
スペクタクルが優先されるジャンルの映画と思われていました。
その風潮の中で、「地球の静止する日」は
ストーリーを重視して高い知性と友好的な異星人像を提示し、
人類と異星人のファースト・コンタクトとそれに対する人類の動向を
描いた本格SF映画の先駆的な作品です。
プロデューサーのジュリアン・ブロースタインは冷戦時代の国家対立を危惧し、
なんらかの形で世界情勢を表す映画を作ろうと考えたようです。
「主人への告別」のテーマである「人が見知らぬものにどのように反応するか」が
気に入り原作として採用したと言われます。
1951年版には冷戦や核戦争といった時代的背景が示されていましたが、
2008年のリメイクにおいては環境破壊という視点も加えられていますね。
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└■┐ UFO飛来
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小説、2本の映画のいずれもファースト・コンタクトもの。
アメリカの大都会にある日突然、UFOが飛来し、
クラトゥと名乗るヒューマン・タイプの異星人が現れる、というものです。
アプローチの仕方が異なりますね。
「地球が静止する日」では、
発端が1928年のカラコルム山脈の雪山、
ということになっていて、
登山者(キアヌ・リーブの二役)が謎の球体を山で見つけ、
ピッケルで突っつくと中から光がほとばしり、気絶。
意識が戻ると、手に円形の痕が残され、
(細胞のサンプルを採取した?)
球体は消えうせている、という場面があって、
現代のアメリカへ。
医学博士で生物学者のヘレン(ジェニファー・コネリー)が
ニューヨーク市内の大学のゼミで学生達を指導している様子が描かれ、
帰宅した彼女が義理の息子ジェイコブ(ジェイデン・スミス)の為に
夕飯の支度をしていると、
政府の情報機関の男が逮捕同然に彼女を連れ出し、
陸軍の仕官学校内にかき集められたあらゆる分野の専門家とともに、
アステロイドベルトで偶然発見された未確認物体が
78分後にマンハッタンに衝突するという説明を…
以下はネタバレになるので、この続きは
http://www.cam.hi-ho.ne.jp/la-mer/#k
にて「映画と原作比較 地球が静止する日」の頁をご覧下さい。
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