ライオンの詩 ~sing's word & diary 2

~永遠に生きるつもりで僕は生きる~by sing 1.26.2012

北の国から2012冬~先生

2012-02-23 23:42:24 | Weblog
タンチョウの里で過ごした六時間、一番良く遊んでくれたのが先生だ。
サンクチュアリで出会った、隣にいた群馬の面白いおじさん、の隣に居て、群馬のおじさんが先生と呼んでいたおじさんだ。

朝、タンチョウ観察センターに着いて場所取りの三脚を並べていると、先生が僕に気づいてくれた。
「おっ、また会ったね。昨日は何処へ行ってたの?」
「昨日は羅臼で鷲を撮ってきました」
とニコニコ顔で答えながら、このおじさんは誰だったかしら?と想ってた。
思い出せないので、まぁいいやと想った。

暇なのでチョロチョロと、おじさんの所へも遊びに行った。そこで思い出した。
おじさんの横に、見たことのあるイスが置いてあったのである。サンクチュアリで、群馬のおじさんが羨ましがったイスで、先生もそのイスを自慢していたのである。
「先生じゃん!」イスがあって良かった。

そらからは、素性が分かったのですっかり意気投合である。
先生も暇なので、自分が撮ったいい写真を見せてくれたり、色んな話を聞かせてくれた。
「昨日は10頭も鹿が来たんだぞ」と言って、デジカメのモニターを見せてくれたので、iPhoneでパシャ。先生と自分の姿も写った。

僕は退屈すると、先生のところへ行き、先生のカメラを覗いて勝手にシャッターを押してみたりして遊んだ。
一時頃になると、先生の自慢のイスに座って足をブラブラさせながら、「先生、今何時ですか?」「まだそんな時間?」「今何分ですか?」「さっきから五分しか経ってないの?」とか言って、先生に十回くらい時計を見させたりして一時間くらい遊んだ。

また会いたいなぁ。また会えるかなぁ。きっと会えるような気がするな。楽しかったなぁ。

先生の口癖は、
「金賞、銀賞、銅賞、獲ってないのは・・・佳作だけ」である。

「えっ、賞獲ったことあるんですか!」と聞くと、ふふふと笑って
「いいんですよ、そんなことは」。

真偽のほどは不明なのである。

北の国から2012冬~タンチョウの里

2012-02-23 23:07:03 | Weblog
ツルセンターの話。

田中邦衛に会った。田中邦衛とは黒板五郎のことだ。
喫煙所を探していたら、煙草を吸っているおじさんがいたので、ちょっと喋った。
もう、五郎さんに会えるなんて想ってもいなかったから、びっくりしたし、ちょっと緊張してしまった。

ツルセンター、五時間も六時間もいる訳だから、暇潰しにちょこちょこと出歩く。自分のカメラの前でジッとその瞬間を待っている人が多いのだが、僕なんぞは似非カメラマンなので、出歩いてる時間の方が多い。

暖房の効いた売店兼休憩所に入った時に、再び五郎さんに出会った。向こうから話し掛けてくれた。感激だ。
「おい、いいの撮れたか?」

ジーン・・・あの喋り方だ。あの北の国からの五郎さんだ。感動。

「絞りはよぉ、8くらいにしてみな。そしたらよ、いいのが撮れるちゃうんだよ。」

五郎さん、優しい。アドバイスをしてくれた。
窓ガラス越しにタンチョウの群れを眺めながら、しばらく二人で話し込む。

僕は、勇気を出して聞いてみた。
どちらからいらしたんですか?
五郎さんは答える。
「足立区だよ。」
そうですか、やっぱり富良野ですか。
「足立区だよ。」
いやぁ、富良野ってホントにいいところですよね」
「足立区だっつってんだよ」
いや、ダメです。認めません。五郎さんは富良野に住んでいるんです。
その喋り方で東京はないでしょう?

そんな訳で、その後数時間、悠長にうどんを食べている五郎さんに、「もうクライマックスが始まるのに、何をうどんなんか食べてるんですか?」と肩を突ついてからかったりして遊んだ。・・・楽しかった。

五郎さんはすごい人だと想う。
このご時世、ほぼ全ての人がデジタルカメラを使っている。性能もいい、使い勝手もいい。デジタルよりも銀塩カメラが勝るところもあるにはあるが、トータルでみるとデジタルの勝ちというのは、誰もが言うところである。

五郎さんはフィルムにこだわる。フィルムカメラ一本である。
フィルムカメラを使うとは、こういうことだ。36枚撮りのフィルム一本、一秒10コマの連写でシャッターを切ると三秒ちょっとで撮り終わってしまう。フィルムを交換する。また撮る。交換する。
相当なコストもかかるだろう。デジタルカメラのように、今撮った写真がモニターに映し出されることもない。やり直しの効かない一発勝負だ。

五郎さんはこうも言った。
「今日は雪が降るからここに来たんだ。鷲なんかに興味はない。」
五郎さんを除く全ての人が、ツルの餌を横取りしに来るオジロワシを撮りに来ている。それがショーであり、売りなのだ。そのために、開館から場所取りをして六時間も待っているのだ。
五郎さんは一人、理想的な雪を待っている。舞い落ちる雪の中を羽ばたき飛んでいくタンチョウの姿を待っている。

かっこいいなぁ・・・と僕は想った。また会いたいなぁと僕は想った。

今度会ったら、今度会えたら、こう言ってもらおう。
「子供がまだ食べてるでしょうが」ってね。

退屈しのぎ

2012-02-23 11:52:42 | Weblog
今日は朝から阿寒町タンチョウ観察センターにこもりっきり。二時の給餌の写真を撮るために、開館と同時に入館して場所取り。

ツルは一昨日に十分堪能したので、今日は一人で釧路の町歩きでもしようかな?とか、六花亭やら釧路の素敵なカフェを見つけて読書でもしようかな?とか、色々考えたのだけど・・・
おじさまたちのはしゃぎっぷりを見ていたら・・・言い出せなかった。
毒を食らわば皿まで・・・だ。乗りかかった船だ、最後まで気持ち良く付き合おう・・・そう想って付いて来た。

気温はそんなに低く無い。マイナス二度程度。でも、体感温度が低い。みんな震えている。そんな中、大きいカメラを覗きながら、最低でも五、六時間はここにいなければならないのだ。

あぁ、辛いだろうなぁ・・・拷問みたいなもんだなぁ・・・そう想っていた。

でも、大丈夫。

場所取りが終わるなり、僕は周りの人と仲良くしゃべり始める。サンクチュアリで会った人も何人かいるし、適当に話しかけて仲良くなった人もいるし・・・退屈などしないのである。
ある意味、ツルとは関係のない所で楽しいのである。
ツルも楽しいよ。でも・・・ツルだけで六時間はちょっと・・・ねぇ。

そんなわけで、タンチョウ観察センター、楽しんでます。
ツルの鳴き声は素敵です。動画を撮ったから、帰ったら聞かせてあげるね。

坂の上会館にオバケは出ない

2012-02-23 11:51:20 | Weblog
率直に言って、坂の上オバケ会館はオバケ会館ではなかった。・・・その点では、とても残念だ。

外観は綺麗とは言えないが、中に入ると全てのものが小綺麗に整っている。壁も、緑色なんかじゃない。
部屋は二部屋分繋がっていて、ずいぶんと広い。お風呂は、温泉ではないが、最新型のユニットバス。シャワーの首だって曲がっちゃうよ。・・・何しろ全てのものが綺麗なのだ。
そして、アメニティが充実している。シャンプーとコンディショナーはエッセンシャル。湯沸かしポットも置いてあって、お茶とネスカフェだって飲み放題。
シェラトンやリーガなどと比べたら少し落ちるが、これで一泊2600円だと言うんだから、満足度は120パーセントだろう。
布団も敷いてあるし、毛布はフカフカだし・・・かなり気持ちの良い扱いを受けた気がする。

これなら、オバケが出そうになくても満足だ。

釧路に来たなら、坂の上会館。釧路駅から三キロ。フィッシャーマンズワーフまで徒歩七分。
なかなか良いお宿ですぜ。

グッドモーニング氷の世界

2012-02-23 08:18:43 | Weblog
朝外に出ると、空気がピリリと冷たい。ちょっと外にいると、風がビリビリと冷たい。自分の着ている服が、氷のように冷たい。
寒いなぁと思ったら、釧路市内の気温はマイナス10度だ。

勝手なことを言わけてもらうが、北海道はこうでなければいけない。ポカポカだねぇ・・・ではいけない。この、あり得ない日常の寒さがいい。
大きな釧路川が氷っている。壮観だ。視覚的にも感覚的にも、ただただ寒い。

グッドモーニング氷の世界。

今日は午後から吹雪になるらしい。これから再び、丹頂に会いに行くよ。

写真は知床の海岸に落ちていた羅臼昆布。