ライオンの詩 ~sing's word & diary 2

~永遠に生きるつもりで僕は生きる~by sing 1.26.2012

働かない人のテ

2010-10-29 23:05:42 | Weblog
旅の間、手肌がボロボロになってしまった。毎日のテント設営やバイクの整備、寒さ・・・その他諸々のせいだ。
爪の中に油が入って、洗っても取れない。全部の指がささくれ立って、関節はあかぎれみたくなってガサガサ。・・・まるで、働く人の手肌だなって・・・そんなことを思った。

今日、ふと手をみると、ガサガサやカサカサだったところもツヤツヤ。爪の油もすっかり落ちて綺麗になった。ささくれも一つもない。
前みたく、働かない人の手に戻っている。

それはそうと、今日、いつものように何の気なしにカレンダーをボーッと眺めていると・・・?ん?あれ?いつもと違う。
誰かがめくりやがった。もう11月になってる。そりゃ~そうだろうけどね、会社は今日で十月終わり。来週からは十一月なんだろうけど、まだ今日という日が残ってるじゃないか。さらに・・・オレは明日も出勤じゃないか。

これが社会の仕組みというものなのだろうか?
今日を生きずに来週を生きる。この瞬間を生きずに明後日を生きる。
これが社会の仕組みってもんなんですかねぇ。

いや、そんなことはどうでもいいんだけどね。暇な休憩時間に、脳ミソフル回転で、そんなことを考えていただけのこと。いや、ホントは考えていない。ボーッとしてた。そして今考えた。

しかし、それでわかったことがある。今日の日付が載っていないカレンダー・・・全然面白くない。ふとカレンダーをみてしまう癖は抜けないが、今日が無いから眺め続けはしない。

さて、これはどういった症状なんですかね?心理学に精通している人、もしくは、夢判断が得意な人、もしくはプロファイリング好きな人、または犯罪プロファイリングドラマに夢中な人。ぜひ分析してみてくださいな。

明日は台風だから、ストは休みだな。来週はソロライブを控えてるから、メンバー欠席なら土曜ストは休みだな。

七日、日曜日は、新宿ネイキッドロフトで、シングのソロライブだよ。みんな来ましょうヽ(;▽;)ノ

ヨコタニーヤン

2010-10-28 21:54:16 | Weblog
横田という男がいて、最近はアニキなんていう名前で呼ばれたりしているが・・・この男の胃袋・・・尋常ではない。

ハンバーガー10個、一気に食べるらしい。賞金も出ないのに。
ハンバーガーとテリヤキバーガーとビッグマックとポテトのエルを二つとナゲットとチビコーラを三杯飲んだ後、まだ足りなくてチーズフォンデュバーガーを食べたらしい。賞金も賞品も出ないのに。

そんな、ちょっとどころではなく、かなり満腹中枢がイカレポンチな彼とご飯を食べにいくと楽しい。まぁ、よく食べる。オダなんて目じゃない。しかも、品の無い一品一気食い。次から次へと皿を空けて行く。
何が楽しいって、ちょっとずつ色んなものが食べられるから楽しい。楽しくて美味しい。

食事会にはルールがある。これはオフィシャルなルールだ。
横田が注文したものは横田より先に食べなければならない。そう、後に残ったものを横田が食べる。残らず残さずに食べる。・・・すげぇ文句を言いながら。

先日、横田がトイレに行っている時にドリンクが運ばれて来た。ルールだから仕方がない。ちょっと一口飲んでみる。

横田が戻って来て、ドリンクを飲む瞬間を見計らってこう言う。

それ、まずいよ。

横田激怒。

だからこう言う。

飲んでないよ、予想予想。予想だって。

横田はこう言う。

じゃあ、このストローの内側に付いたドリンクな何だ!動かぬ証拠だ!

一同笑い転げる。そしてこう言う。

ちぃせぇ男だな。

まぁ、普通に酷い話だ。でも可笑しい。それが繰り返され続けるのがまた可笑しい。つまりお約束。つまりオフィシャルなルールだ。

まぁ、愛すべき男、横田の話なんて書いちゃって、まったく意味わかんないんだけどね。まぁ憎めない男なんですよ。一家に一人どうですか?レンタルしますよ。料金はシング宛ての振込か手渡しで。ちゃんと横田に届けます。現金は直接渡さないように。機嫌を損ねて暴れる危険がございます。

あぁ、横田の話なんてしちゃった。あぁ、意味わかんない。あぁ、時間がもったいない。

みんな、横田に清き一票を!もとい、清きポテトを!

不適合の烙印

2010-10-27 22:42:51 | Weblog
カレンダーの日付けをじっと眺めてる。何があるってわけじゃない。
カレンダーの日付けをただじっと眺める・・・最近の癖。
今日が26日なんだか27日なんだか・・・そんなことはよくわからない。どうでもいいことだ。ただただ眺めてしまうのだ。たぶん・・・あれだ・・・じっとカレンダーの日付けを見ちゃう病だ。
そんな病気があるのか?と思った諸君、患者がここにいる。処方箋を処方されない患者が、現実にここにいる。

多分、職場の休憩室に、カレンダーしか無いからなのかもしれない。カレンダーばかり眺めている。誰かに話しかけられても、カレンダーばかり眺めている。

実際、こんなことを思う。
世の中の大半の人は凄いな・・・と。期限の無い拘束に遭いながらも、悠々と生きている。カレンダーばかり眺める病などにはかからずに、粛々と日々を粉していける。いや、ホントに・・・感服するばかり。

いや、そういうわけじゃないんだ、これは。契約は8時半から5時半だったのに、実際は朝7時半から夜8時半まで働かされてるからとか・・・土日祝日は休みなはずなのに、土曜も祝日も出勤させられるからとか・・・給料日が遠すぎて、後一ヶ月半も極貧借金生活が続くからとか・・・もちろん、高いところが怖い、怖すぎるからそれは嫌とかはあるんだけれど・・・そういうんじゃなくて・・・

どうせ働くならたくさん働いた方がいいに決まってる。残業も休日出勤も望むところ。職場の人たちは優しいし、仕事も楽しい・・・全然悪くない。でも・・・そういうんじゃなくて・・・。

多分・・・解放・・・される日が・・・遠すぎて・・・見えない・・・想い描けない。

カレンダーを眺めていても、日にちを数えることもない。バツ印を付けるわけでもない。給料日を待つということでもない。・・・ただただ眺めてしまう。やっぱり・・・これは病気だ。

「おれ、旅人・・・なんですよ」

「次ですか?・・・多分インドかな」

「えぇ、ちょっと長めに・・・半年くらいかなぁ」

「そんなことないですよ、あっという間ですよ」


あぁ、誰か聞いてくれないかなぁ・・・

本当は何をしてる人なんですか?ってね。


自分で撒いた種から出てきた、芽や雑草や花や果実は摘み取ったり刈り取ったり育てたり食べたり・・・
自分でなんとかするしかないんです。と、昨日見た雲が言ってました。

札幌は雪だ。旭川も雪だ。
みんな元気かな・・・逢いたいな。


ついに囚われの身となった、旅人より。


せめて・・・ここが京都だったら良かったのにヽ(;▽;)ノ

10.23(土)トラッシュストリート~shissy birthday

2010-10-24 06:13:40 | Weblog
久しぶりの三人ストリート。シッシーのバースデーストリート。たくさんの人が駆けつけてくれました。どうもありがとう。
10月誕生日の人もたくさんいて、賑やかな夜・・・久しぶりの再会もあり、新しい出会いもあり、天使のような笑顔もあり・・・楽しかったな。
バースデー企画を考えてくれた有志のネコちゃん&スタッフにも感謝です。どうもありがとう&おつかれさまでした。


1.キリキリバランス
2.ジュエル
3.羽根
4.アイリス
5.恋人
6.ジュピター
7.金色の翼
8.cry bird
9.kiss
10.3グラムの奇跡
11.スクールライフ
12.ゲリラ

13.Happy Birthday
14.Birthday song

15.あ、満天の星空だ
16.カナリア
17.太陽の季節
18.ハート仕掛けのワルキューレ
19.パフェ
20.三日月の夜
21.グットタイムズ バットタイムズ
22.花鳥風月
23.百花繚乱
24.DEAR FRIEND

Working In The Air

2010-10-22 22:59:01 | Weblog
「うそだろ?」「うっそだろ?』
およそ仕事中につぶやくはずのない独り言を、一日に百回くらい繰り返してる。百回はウソ。五十回くらい。

月曜日に電話をかけて、火曜日に面接を受けて、水曜日から仕事を始める。無駄の無い動きとはこんな動きだ。
北海道に行く前から、帰って来たらすぐに仕事を始めると決まっていた。始めるというか・・・見つける。見つけて、始める。これは至上命題。決定事項。Otherwise・・・とんでもないことになる。
仕事なんて、選り好みしなければいくらでもある・・・これは良く聞く言葉。だからといって何でもって言うのもねぇ・・・。
シング、イナゲヤでレジを打つ。チーン。
シング、ドラッグストアで薬を売る。お客さん、いいクスリ、入ってますぜ。
何でもいいと思いつつ、意外に選り好みをする自分に気づく。そして月日は過ぎる。

こんなことじゃいけない。至上命題を果たさなければ!


いやしかし、仕事が見つかったのだから、これで命題の半分くらいは果たしたことになる。あとは続けること。これ、大事。すべては旅の代償・・・いや、もはや、人生の代償。

いやしかし、十何年振りの昼間の仕事。朝六時起き。毎日。これはきつい。夜型人間以上に夜型、アンチ昼間型の僕なのである。僕の脳は夜に冴えるのである。朝は苦手だ。

いやしかし、高い所は好きか?と聞かれたら、嫌いですと答える。例えばスカイダイビングのように、例えばバンジージャンプのように、高い所から飛び込むのは好きなのかもしれない。でも、高い所は恐い。はい、恐いです。


で、何も知らずに訪れた仕事場。メインの仕事は、空中。くうちゅう。In The Air。うっそだろ?・・・いや、ホント。うっそだろ?・・・いや、ホント。
頼みの綱は、腰に巻いた細すぎるベルト一つ。人はそれを安全帯と呼ぶ。ちっとも安全じゃないと思う。うん、全然安全じゃないと思う。
リフトで地上7メートルまでグングンと上昇する。目線の高さは9メートル近いってことだ。9メートルと言ったら、3階の天井だろ?つまり4階弱ってことだろ?ビルの3階の窓から外を覗いても恐くはない。おぉぉ、意外と高いな・・・くらいなものだ。じゃぁ、どうだろう?土台が1メートル四方しかなくて、周りに一切柵など無かった場合。じゃぁどうだろう?そこから50センチほど離れたところにある棚に向かって、一歩踏み出さなきゃいけないとしたら。さらに、一歩踏み出して、10キロ以上ある荷物を20個も、そこから取って積まないといけないとしたら?
うっそだろ?・・・うそじゃない。
そしてどうだろう?10メートル近い高さで、その足場がぐらんぐらん揺れたとしたら・・・あぁ、恐いなんてもんじゃない。・・・あぁ、めまいがしてきた。・・・うっそだろ?とつぶやく僕の気持ちが、君にも分かってきたかい?

うん、リフトにはこう書いてある。「墜落防止のため・・・なんちゃらかんちゃら」。わかるかい?落下じゃなくて、墜落って書いてあるんだよ。わかるかい?・・・墜落って言ったら、飛行機かヘリコプターかロッククライミングくらいしか思いつかないんだよ。・・・あと、タケコプター。
まさかな・・・仕事で墜落の憂き目に遭うとはな・・・。予想外だったぜ。

うん、堕ちた人?何人もいるらしいよ。幸い、5メートルくらいの高さから堕ちたから、命は助かったらしいよ。うん、幸いね。5メートルでも打ち所が悪ければ死ぬだろ?うん、死ぬよ。死ななくても、死ぬ程恐いだろ?堕ちなくても恐いんだから、堕ちたらもっと恐いだろ?
うん、実際に堕ちた人がこう言っていたよ。「慣れるって」。
おい、何に慣れるんだ。堕ちることにか?堕ちた時の痛みにか?おいおい、慣れねぇって。絶対死ぬって。

うん、堕ちた人、たまたま安全帯を外してたんだって。それはまずいよね。・・・でもね、わかったんだ。ベルトが邪魔で荷物に届かない時がある。そう、たまたま届かない時がある。そりゃぁ仕事だから、外すよね・・・安全帯。そして堕ちるんだよね、真っ逆さまに。

いやしかし、不思議なものだ。7メートルは恐いが、5メートルは恐くなくなった。全然恐くないと言うと嘘になるが、5メートルならホッとする。この2メートルの差はなんなんだ?・・・彼が言うように、7メートルに慣れる日が来るのだろうか?うっそだろ?とつぶやかずに済む日が来るのだろうか?


何にせよ、全ては旅の代償だ。耐えるしかない。

学んだこと。・・・選り好みをしなければ、仕事なんていくらでもあると言うが・・・やっぱりちょっとは選んだ方がいい。
そして、一つ言いたい事。・・・募集の広告に、墜落の可能性有りと・・・書くべきだ。


昨夜は、恐怖が頭をよぎって寝付けなかった。・・・今日は眠れますように・・・。

うっそだろ?とつぶやかない日が、早く来ますように・・・。

10.16(土)トラッシュストリート ~ sing solo

2010-10-19 05:10:06 | Weblog
暑くもなく、寒くもなく、一年で一番良い季節・・・今は秋。一ヶ月半振りのストリートはシングソロ。
旅の後は、いつもソロストリートから始まる。指先の痛みが・・・ブランクの証明。痛かった・・・。

来週はしっしーのバースデースト。みんな来てね。詳しくはトラッシュスタッフのブログを見てね。

staff blog

1.金色のライオン
2.jewel
3.pride of lion
4.月のお姫様
5.月の涙

6.マーガレット
7.voice and beat
8.青い鳥

9.crybird
10.sweet age
11.恋唄
12.あいのうた
13.candy
14.コネコ。

15.雪空
16.don't go away
17.老いぼれ猫のヒゲが夜空に届いた昔
18.hello goodbye
19.冬の陽射し
20.power to the people
21太陽の季節
22.羽根
23.空森海川風に背かず
24.queen of rumble fish
25.一番欲しいもの
26.message

壊れたモノと壊れなかったモノ

2010-10-16 05:37:04 | 2010夏北海道ツーリング~旅日記
荷物を片付けるのに五日間もかかった。勿論、継続的にやったわけではない。超断続的にやったから五日間もかかった。濡れたものは乾かさなければならない。乾くまでは仕舞えない。寝袋も干さなければならない。玄関先に積んだままの荷物を整理しなければならない。実際はまだ片付いていない。このまま片付かないのかもしれない。

荷物を降ろしたマグナのエンジンをかけてみた。なかなかかからなかった。雨に濡れ過ぎたせいかもしれない。マグナもだいぶ疲れてしまっている。
リアタイヤの溝がもう無くなってる。リアブレーキはほとんど効かない。バッテリーが弱っている。チェーンはもう限界まで伸びているし、スプロケもガタガタ。フロントのブレーキパッドも磨り減ってる。・・・無事に帰って来れたのが、不思議なくらいだ。

バイクが動かなくなったのと、テントのポールが二度も折れたのは前述の通り。他にも、旅の間に色々なものが壊れたり、使えなくなったりした。

カメラのレンズ、10mm-24mmと18mm-200mmの二本。そのうちの一本が使えなくなった。10mm-24mmのレンズをはめるとエラー表示が出てしまう。

エネループの電池とカメラのバッテリー充電用にインバーターを持って行った。バイクのバッテリーから電源をとり、シガーソケット経由で100Vに変換するもの。そのインバーターが途中で使えなくなった。インバーターを介さないiphoneの充電器(シガーソケット)も使えなくなった。おそらく、この二つはバッテリーが弱ったせいだと思われる。

ヘルメットのシールドを開閉するためのアダプターが壊れた。三つあるスナップのうち、一つが使用不能になった。時に時速100キロの風を受けるシールド。辛うじて二つのスナップで留めて使っていたが、ある時、突風に吹かれて空に舞った。ミラーに、路上を跳ねるシールドとアダプターが写るのが見えた。取りに戻って、ガムテープで留めた。


何かが壊れるたびに、この旅の長さを思い知った。雨、埃、潮、振動・・・壊れて当たり前の旅をしていると思い知った。壊れたものを直したり、補修したり、直さなかったり、直らなかったり。
でも・・・絶対に必要なものが最後まで壊れずに済んだから、旅を続けられた。・・・帰って来れた。

そう・・・このカラダと、愛車VTWIN250 MAGNAに、心からの感謝を贈りたい。

ランダム・ナンバーズ

2010-10-16 04:10:06 | 2010夏北海道ツーリング~旅日記
1-720
2-133
3-247
4-395
5-335
6-255
7-235
8-286
9-276
10-319

11-0
12147
13-232
14-169
15-178
16-392
17-219
18-54
19-223
20-294

21-108
22-388
23-21
24-267
25-174
26-402
27-162
28-347
29-189
30-195

31-181
32-188
33-69
34-96
35-207
36-374
37-740

恒例の「数字の羅列」。左の数字が旅の日数、右の数字が走った距離。

ライダーにも色々ある。
例えばショートステイのライダーは、ただ走ることのみに特化し一日に500キロ走る。一週間もかけずに北海道を一周していく。ロングステイのライダーは、一日250キロ走れば「今日は走ったねぇ」と言われる。超ロングステイの旅人ライダーは、キャンプ場やライダーハウスに長逗留しているため、普段はあまり走らない。もちろん他にも色々なライダーがいるはずだ。

僕の場合は、ロングステイの観光ライダー。一日に250キロも走れば、花丸がもらえる。右側の数字を見てみると、行きと帰りの日を除いても、250キロを超えた日が12日もあるじゃないか。そのうち300キロを超える日が8日もあるじゃないか。・・・花丸どころじゃないな。ご褒美が欲しいくらいだ。

きっとあれだ。あの星空や、あの夕陽や、あの風や、あの雲や、あの笑顔や・・・僕が見たすべてが・・・ご褒美だったんだ。余りあるご褒美だ。

37日間。総距離・・・9006キロ。

これは目指した距離なんかじゃない。そもそも目指した距離なんてない。迷ったり、戻ったり、同じ道を行ったり来たり・・・行きたい場所へ好きなように走った・・・ただの結果。
ほんの少し誇れる・・・ただの結果だ。

9000キロを超えるほどの夢を見たんだ。
そう想うほどに・・・瞬間に感じ続けた、幸せな気分が蘇ってくる。

リトル・フィロソフィ

2010-10-16 01:58:04 | 2010夏北海道ツーリング~旅日記
旅の目的は・・・ない。

旅のプランは・・・ない。

どうしよっかなぁ・・・旅の目的とプラン。どうしよっかなぁ・・・やっぱりあった方がいいよなぁ・・・目的とプラン。
そんなことを想いながら始まり、そんなことを忘れて旅は終わった。

自分探しとか、出会いを求めてとか・・・そんなもの、探して見つかるもんじゃないってこと。
美味しいものを食べるとか、綺麗な景色を見るとか・・・そんな当たり前のこと、目的にもプランに当てはまらなそうだ・・・。

とりあえず、ノープランで行ってみよう。走ってみよう。旅の目的を探す旅。・・・なんだそれ?


目的を持たない、気ままな旅だった。

行きたい場所はあったが、行けなくても構わなかった。たどり着きたい場所は設定したが、たどり着かなくても気にはしなかった。
朝起きて、テントを畳んで、荷物をバイクにくくり付けて、エンジンをかけて、ヘルメットを被りグローブを付けてアクセルを吹かす・・・あれ?どこへ向かうか、まだ決めてないや・・・そんな旅だった。天気予報ではなく、雲の流れを見て行く先を変更する。道に飽きて道を変える、つまり目的地の方角を変える。北へ向かっていたはずなのに、いつの間にか進路は東に向いている・・・そんな旅だった。

そう、ふと気づいたんだ。目的が・・・気まま。どれだけ気ままに旅ができるか・・・それが目的になっている。

時に運命に身を委ねる。例えば、それは出会いだったりもする。気ままな旅だからこそ、身を委ねられる。気ままなんだから当たり前だ。出会いは啓示であり、それに従うのが運命だったりもするのだろう。プランが無くて良かったと想う。偶然や啓示や運命や気紛れにプランを壊されることもない。

時々人にこう聞かれる。
じゃぁ、これから最北端を目指すんですね?・・・僕はこう答える。稚内は最初の方に行っちゃいました。えっ、どういうルート?・・・ルート、ないんです。
時々人にこう聞かれる。
道東から来たのなら、これから西へ向かうんですね?・・・僕はこう答える。これからまた道東に戻ります。えっ、なんで?・・・なんとなく。

それが、気ままってことだ。

去年は北海道一周を目指し、自分なりに達成をした。今年は・・・目的がないのだから、達成するものがない。生き抜いたと言う程に、生き抜くのが大変な場所ではない。

ならば、何を得た?・・・僕はこの旅で何を得た?


多分・・・何も得てはいない。残念だ。笑っちゃうくらいに残念だ。


旅から生まれた小さな「哲学」が三十七個。
そう、ただ三十七個の小さな哲学を、ポケットに入れて持ち帰って来ただけなんだ。

ただいま。ただいま。ただいま。

気ままな旅がくれた小さな哲学とオホーツクの荒波が削った小さな石ころ、それが君へのお土産だよ。

シングのソロライブのお知らせ。

2010-10-15 00:06:41 | Weblog
次のライブはシングソロ。新宿ネイキッドロフトでやります。
以前一緒に出演して意気投合した?鬼頭兄さんも出ます。こういちさんって人は面識はないですが、相当な人の様。メジャー経験が無いのはシングだけですねぇ。そうそうたるメンツだ。
楽しい夜になること請け合い。ぜひぜひ、みなさん、新宿まで足を運んでくださいね。
必ずや、新曲を引っ提げて、登場してみせますぜ。

2010.11.07(日)

Naked Loft PRESENTS
『アコースティックの中のロック VOL.11』

【出演】sing(from Trash Box Jam) / 鬼頭径五(Soulshine) / こういち(吉永幸一)

OPEN18:30 / START19:00
前売¥2,300(+1drinkから)
当日¥2,800(+1drinkから)


来れる人はシングまでご一報を。チケットリストに名前を載せますので。よろしく。

壁と天井のある部屋

2010-10-14 08:56:58 | 2010夏北海道ツーリング~旅日記

オーストラリアを旅していた時の話。六十日間連続、テントで寝泊まりした。毎日500キロをノルマとして走る。何しろ東西4000キロ南北3000キロ、横にも縦にも長い島国、季節の進みを追い越すように気候が変わって行く。スタートは熱帯雨林気候のケアンズの秋、気温は40度を越す。熱帯、砂漠性、亜熱帯を通り抜けて南へ進むと、二ヶ月後には温帯性気候の真冬のエリアへ。気温は10度以下。
六十日目、キャンプサイトの受付のお姉ちゃんに、凍死されたら困るからキャンプはやめてと頼まれた。今日になっていきなり凍死なんてするもんか!と、テントの中で白い息を吐きながら、寝袋を頭まで被って凍えながら眠った。六十一日目、キャンプサイトに常設されているキャラバン(キャンピングカーみたいなもの)に泊まった。日増しに厳しくなっていく寒さに白旗を揚げたというわけだ。何しろ、風は南極から吹いてくる。


キャラバンに入って想ったこと・・・壁ってすごい、天井があるってすごい。キャラバンに設置された固いソファに座りながら、大雨に怯えながら過ごした夜のことや、砂嵐に飛ばされそうになった夜のことを振り返った。そう、壁ってすごいんだ。天井ってすごいんだ。・・・風も雨も防いでくれる。・・・雷だって恐くない。




北海道、三十七日間の旅。そのほとんどの夜をテントの中で過ごした。テント生活は嫌いじゃない。むしろ好きだ。モンゴル人が住むゲルのように、どこへでも運んで行ける自由さが好きだ。
でも、テントはいつだって危うい。
今回は二日目にしてポールが一本折れた。それから二日間はフニャフニャのテントの中で眠った。三本のポールのうち一本が抜けているのだから、どこからどうみても変な形に揺れる、それは危うい居住空間。強い風が吹けばイチコロだ。
瞬間接着剤と針金とガムテープで補修した。テントはなんとか元に近い形に戻った。
十七日目、折れたポールの違う箇所が折れた。応急処置をして凌ごうとしてみたら、前に折れた箇所が又折れた。今度は修復不可能なほどに折れてしまった。
三十日目にホームセンターで、案外良さげな代替部品を発見した。長ネジとボルト。それでなんとか見てくれは良くなった。それまでの二週間、足下がグニャッと曲がったテントを張り続けた。そのほとんどの日が強風。グニャグニャテントはなんとか持ち堪えてくれた。


テント生活は嫌いじゃない。むしろ大好きだ。






帰宅して、自分の部屋で眠る。温かいベッドは久しぶりだった。毛布にくるまったら、あまりに温かくて幸せな気分になった。でも何よりも、壁と天井があるってことが特別だった。壁と天井の存在・・・それはとても凄い事だ。素晴らしく凄い事だ。


ぐっすりと眠った夜に、僕は夢を見た。緑濃い草原に通る一本道を走っていた。見た事の無い場所だ。それは旅の続きだ。僕のバイクには、もちろんテントと寝袋が積んである。まだ、こんなに素敵な場所がある。・・・幸せな気持ちになる夢だった。目が覚めると、それは夢だった・・・それは少し寂しい夢だった。


僕のカラダはもう現実の中にいるのに、僕のアタマはまだ旅をしているみたいだ。